07 洗濯の日和らしい
昨日は靴作りで1日が終わってしまったので、今日はまた探索の続きです。
イノシシ焼肉を食べた後、重たい物を置いて小物入れを軽くして、まだ見ていない方向の廃屋の探索をします。
褐色の粉袋や塩のツボは出しておき、道具類も出しておきます。
またぞろ何か発見しても困りますし。
入り口にはカギなどありませんので、そこいらの石畳を剥がして戸の代わりに立てています。
本当にもう階級が上がったせいなのか、やたらと怪力になっている気がします。
もっとも、両手で持ち上がるのでそのまま小物入れに入れて、入り口で出すだけですが。
探索を開始してすぐにまた何か見つけました。
今度は何かの道具かと思えば、またぞろ肩叩きのような物でしたが見つけました。
これが本当にそうなのかは実は謎ですが、とりあえずもらっておきます。
他にも半円形のガラスっぽい板とか、ひし形の石の板とか、全く使い道が分かりませんが、とりあえず持ち帰ります。
そんなこんなしているうちに、ボーリングの球のような物を見つけました。
大きさはそっくりだけど、穴は開いていません。
これ何だろうな。
そこまで重くないのでもらっておくか。
そのうち手動式ボーリングとかやっても良いし。
穴を開けるのはその時で良いか。
どのみち塩水焼きの串肉もかなり減っているし、少しぐらい荷物が増えても問題無いだろう。
階級 32
状態 正常
体力 410
魔力 410
技能 生活魔法・穴掘り
うん、かなり上がったし、大丈夫だよね。
◇
木の切り方の新方式を開発した。
とは言うものの、木の直径ギリギリの穴を開けるだけだ。
そうすれば軽く片方を叩けばその方向に倒れていくんだ。
5センチ残しぐらいで穴を開け、ハンマーで片方の薄いところを叩く。
そうするとバキバキっとなって倒れていく。
うん、簡単だな。
ただこれ、貫通はやはりやれないみたいで、薄皮1枚残しぐらいの穴にするのが精一杯みたいだ。
つまり、階級が無茶苦茶上がったとしても、星の反対側に穴が開かないって事になるね。
まあそんな事はあり得ないんだけど。
ともかく木を切り倒して何がしたいかと言うと、直径50センチで長さが50センチの丸太が欲しかったんだ。
これなら簡単に燃え尽きないだろうから、高温着火でも余裕があると思っての話。
投げたぁぁぁ……『高温着火』……よしよし、良い感じ。
岩に当たって爆散してしまいましたが、中々の威力です。
まるで花火を間近で見た感じで音もそれっぽいです。
それでも重さがあるので持ち運ぶとしても5個までかな。
獲物を探してうろうろしていたら、熊みたいなのを発見しました。
すかさず穴を開けて落とし込み、丸太を自然落下で『高温着火』します。
ドォォォン……
まるで大砲のような音がしました。
哀れ熊さんは即死です。
まさかそこまでの威力があるとは想定外でした。
折角の毛皮がチリチリになっています。
仕方が無いので毛を剃って使うとしましょうか。
早速、穴を浅くして処理開始です。
さすがにこれは小物入れには入らないので、すすけた毛を剃り落として捌いて肉と皮を取りましょう。
本物の熊かどうかは分からないので、熊の手は放置しておきます。
ザックリと皮の処理をした後は、丸洗いで汚れを落とします。
そうして巻いて巻いて肩に担ぎ、肉は小物入れに入れましょう。
後の内臓やらは穴に捨てますが、これが熊なら肝臓とかが薬になるんでしょうね。
仮宿に戻って皮をなめします。
特別な薬品とか無いのでここは『丸洗い』に活躍してもらいましょう。
余分な脂肪分が洗い流され、綺麗な皮になりました。
ここからが問題で、腐ると困るので燻製にします。
と言っても囲炉裏の上に干しておくだけなので簡単です。
確かにここには囲炉裏はありませんが、暖炉の煙突の中で燻します。
どのみちススなどはまたぞろ『丸洗い』で洗い流せば良いので、気兼ねなく燻製にしてしまいましょう。
油断して燃やさないように気を付けて、火との距離を考えて設置します。
後は料理をやったり焚火をやれば、そのうち完成します。
なんかさ、お茶でなめしって聞いた事があるんだよ。
だけどさ、お茶がそもそも無いからさ、燻製にしてみようと思ったんだ。
干し肉も燻製にすると腐りにくくなるからさ、皮も同様じゃないかと思ってやってみたら、何とかなっただけなんだ。
だから見てくれは最悪だけど、使えれば良いのよ、使えれば。
でもここまで酷くなるのは想定外です。
今日は洗濯の日です。
寒いので部屋の中でやりましょう。
とは言うものの、部屋の中も石畳なので、そこに穴を開けます。
早い話が浴槽ですが、そこに入って『丸洗い』をします。
部屋は暖炉で暖かくしてありますので、水を被ってもまだ耐えられます。
そうして風出しですが、暖炉のすぐ近くから発生させると、温風になるんですね。
この方式で温風ヒーターのような事になり、風邪を引かずに清潔になるという方法です。
ただ、これ、蒸れるんだよな。
なのでここは素っ裸になってしまいましょう。
そうして身体だけを先に洗い、服を別で洗うのです。
裸族みたいですが、誰も居ないので問題はありません。
そのまま洗濯をして、干して風を当ててとやっていますが、相変わらず裸族のままです。
ああ、この開放感は癖になりそうです。
どのみち食事は塩水串肉なので、食べてまた洗濯の続きです。
下着と普段着と靴下と、運動靴に道具類もこの際、洗っておきましょう。
そんなこんなで夕方になったので、今日は早めの就寝です。
またぞろ塩水串肉を食べてと。
今日はこのまま寝てみようかな。
誰も居ないかこそやれる、裸族の生活ってか。
ああ、さわさわして、くすぐったくて寝られるかよっ。
くそっ、想定外だ。
服着て寝よう、いつものように。
おやすみなさい。




