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小話と短編は連載となる  作者: 黒田明人
2章 連載版・色々と想定外
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07 洗濯の日和らしい


昨日は靴作りで1日が終わってしまったので、今日はまた探索の続きです。

イノシシ焼肉を食べた後、重たい物を置いて小物入れを軽くして、まだ見ていない方向の廃屋の探索をします。

褐色の粉袋や塩のツボは出しておき、道具類も出しておきます。

またぞろ何か発見しても困りますし。


入り口にはカギなどありませんので、そこいらの石畳を剥がして戸の代わりに立てています。

本当にもう階級が上がったせいなのか、やたらと怪力になっている気がします。

もっとも、両手で持ち上がるのでそのまま小物入れに入れて、入り口で出すだけですが。


探索を開始してすぐにまた何か見つけました。

今度は何かの道具かと思えば、またぞろ肩叩きのような物でしたが見つけました。

これが本当にそうなのかは実は謎ですが、とりあえずもらっておきます。

他にも半円形のガラスっぽい板とか、ひし形の石の板とか、全く使い道が分かりませんが、とりあえず持ち帰ります。

そんなこんなしているうちに、ボーリングの球のような物を見つけました。

大きさはそっくりだけど、穴は開いていません。


これ何だろうな。


そこまで重くないのでもらっておくか。

そのうち手動式ボーリングとかやっても良いし。

穴を開けるのはその時で良いか。

どのみち塩水焼きの串肉もかなり減っているし、少しぐらい荷物が増えても問題無いだろう。


階級 32

状態 正常

体力 410

魔力 410

技能 生活魔法・穴掘り


うん、かなり上がったし、大丈夫だよね。



木の切り方の新方式を開発した。


とは言うものの、木の直径ギリギリの穴を開けるだけだ。

そうすれば軽く片方を叩けばその方向に倒れていくんだ。

5センチ残しぐらいで穴を開け、ハンマーで片方の薄いところを叩く。

そうするとバキバキっとなって倒れていく。


うん、簡単だな。


ただこれ、貫通はやはりやれないみたいで、薄皮1枚残しぐらいの穴にするのが精一杯みたいだ。

つまり、階級が無茶苦茶上がったとしても、星の反対側に穴が開かないって事になるね。

まあそんな事はあり得ないんだけど。


ともかく木を切り倒して何がしたいかと言うと、直径50センチで長さが50センチの丸太が欲しかったんだ。

これなら簡単に燃え尽きないだろうから、高温着火でも余裕があると思っての話。


投げたぁぁぁ……『高温着火』……よしよし、良い感じ。


岩に当たって爆散してしまいましたが、中々の威力です。

まるで花火を間近で見た感じで音もそれっぽいです。

それでも重さがあるので持ち運ぶとしても5個までかな。


獲物を探してうろうろしていたら、熊みたいなのを発見しました。

すかさず穴を開けて落とし込み、丸太を自然落下で『高温着火』します。


ドォォォン……


まるで大砲のような音がしました。

哀れ熊さんは即死です。

まさかそこまでの威力があるとは想定外でした。

折角の毛皮がチリチリになっています。

仕方が無いので毛を剃って使うとしましょうか。


早速、穴を浅くして処理開始です。


さすがにこれは小物入れには入らないので、すすけた毛を剃り落として捌いて肉と皮を取りましょう。

本物の熊かどうかは分からないので、熊の手は放置しておきます。


ザックリと皮の処理をした後は、丸洗いで汚れを落とします。

そうして巻いて巻いて肩に担ぎ、肉は小物入れに入れましょう。

後の内臓やらは穴に捨てますが、これが熊なら肝臓とかが薬になるんでしょうね。


仮宿に戻って皮をなめします。


特別な薬品とか無いのでここは『丸洗い』に活躍してもらいましょう。

余分な脂肪分が洗い流され、綺麗な皮になりました。

ここからが問題で、腐ると困るので燻製にします。

と言っても囲炉裏の上に干しておくだけなので簡単です。


確かにここには囲炉裏はありませんが、暖炉の煙突の中で燻します。

どのみちススなどはまたぞろ『丸洗い』で洗い流せば良いので、気兼ねなく燻製にしてしまいましょう。

油断して燃やさないように気を付けて、火との距離を考えて設置します。

後は料理をやったり焚火をやれば、そのうち完成します。


なんかさ、お茶でなめしって聞いた事があるんだよ。


だけどさ、お茶がそもそも無いからさ、燻製にしてみようと思ったんだ。

干し肉も燻製にすると腐りにくくなるからさ、皮も同様じゃないかと思ってやってみたら、何とかなっただけなんだ。

だから見てくれは最悪だけど、使えれば良いのよ、使えれば。


でもここまで酷くなるのは想定外です。


今日は洗濯の日です。


寒いので部屋の中でやりましょう。

とは言うものの、部屋の中も石畳なので、そこに穴を開けます。

早い話が浴槽ですが、そこに入って『丸洗い』をします。

部屋は暖炉で暖かくしてありますので、水を被ってもまだ耐えられます。

そうして風出しですが、暖炉のすぐ近くから発生させると、温風になるんですね。

この方式で温風ヒーターのような事になり、風邪を引かずに清潔になるという方法です。


ただ、これ、蒸れるんだよな。


なのでここは素っ裸になってしまいましょう。

そうして身体だけを先に洗い、服を別で洗うのです。

裸族みたいですが、誰も居ないので問題はありません。


そのまま洗濯をして、干して風を当ててとやっていますが、相変わらず裸族のままです。

ああ、この開放感は癖になりそうです。

どのみち食事は塩水串肉なので、食べてまた洗濯の続きです。

下着と普段着と靴下と、運動靴に道具類もこの際、洗っておきましょう。

そんなこんなで夕方になったので、今日は早めの就寝です。

またぞろ塩水串肉を食べてと。


今日はこのまま寝てみようかな。


誰も居ないかこそやれる、裸族の生活ってか。

ああ、さわさわして、くすぐったくて寝られるかよっ。


くそっ、想定外だ。


服着て寝よう、いつものように。


おやすみなさい。

 

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