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小話と短編は連載となる  作者: 黒田明人
2章 連載版・色々と想定外
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06 探索は中止らしい


昨日作ったカゴっぽい代物を日に干しておく。

つば付きなので帽子もどきとも言うが。


今日は周辺の探索を兼ねて物探しを継続する。

既に塩が見つかったので気も楽になっているので、特に焦る事も無い。

そんな事を考えていたら何かが動いた。


あれは? 動物? 何の?


狼かと思ったら別の動物のようで、そろりと見ているとどうにもブタのようなイノシシのような。

イノブタか、とか思ったけど、こんな所にそんなの居るはずもなし。

とりあえず捕らえようと、落とし穴発動です。


ブギャって鳴いたな。


もちろん穴の底には槍っぽいのが林立しており、串刺しになっておりました。

穴を戻すと、これはイノシシですね。

早速にも腹を裂いて丸洗いです。

はい、肉のブロックになりました。

それは良いんだけど、小さなブタのような生き物が……うわぁぁ、孕んでいたのかよ、ごめん、想定外だ。

そんなの知らなかったけど、これはさすがに食えないな。


穴を掘って埋めておきました。


いや本当は柔らかくて美味いとは思うけど、気分の問題です。

気を取り直して今日は焼きたての肉料理になりそうです。

皮と肉を小物入れに入れて更なる探索の開始ですが、変な建物を発見です。


丸い屋根ですが、中はどうなっているのかな。


ツボがつらつらと並んでいますが、中には何が……これは何だろう。

茶色の粉のような物がたくさん入っています。

とりあえず小物入れに入るだけ入れて、表に出して中の粉を出してみましょう。

匂いは無いようですが、これを舐めるのはどうにも勇気が湧きません。

仕方が無いので地面に少し出してみますかね。


サラサラと地面に粉を少し出してみると、茶色と言うよりは褐色って感じの粉なんだけど、これは何なんだろうな。

どうにもよく分からないので、毛皮袋に詰めて小物入れに死蔵しておきます。

もしも有用な物だったら、町とかで売れるかも知れませんし。

もっとも、こんな廃墟にある代物なので、恐らくは無いと思いますが、アイテム名だけでも知りたいものです。


狼の毛皮の毛を剃って表面を軽く炙った皮を、なめした後でニカワで袋状にした代物です。

手間だったので10枚ぐらいしか作っていませんが、ツボよりは軽いのでこれからも増やしたいと思っています。

そんな訳で詰めていくんだけど、これはまた量がやけに多いな。

こんなに量があるとは想定外だけど、これって何の粉なんだろう。


狼袋8つも使ってしまい、少し後悔していますが今更の話です。

そういや、イノシシの皮も何かに使えそうなので、それも丸洗いしておきました。

後はイノシシの牙とか骨とかも、使えそうなので仮宿に持ち帰りましょうか。



さて、今日はもう探索は止めににして、骨細工といきます。


暖炉に火を入れて暖を取りながら、鍋で骨を煮ます。

骨髄を抜かないと細工がやれないので、ついでにニカワも作ってしまいましょう。


ああ、臭いから外でやろうかな。


鍋が熱いのでそのまま小物入れに入れて、外で焚き火の準備をして鍋を載せてひたすら炊きます。

この鍋は作業用なので、これで食べ物を炊いたりはしません。

これはこのまま置いておくとして、かつて作っておいた材料で細工をやりましょうか。

あんまり材料は無いんだけど、畳針ぐらいなら作れそうなので、包丁で骨を削っていきます。


穴を開けるのが大変そうに思うでしょうが、そこはチート穴掘りスキルです。

極小の穴を貫通ギリギリに開けて、そうして貫通させて磨きます。

本当に見事に進化してくれました。


磨くのはつる草の細い代物を通して両足の指に括ってピンと張り、針を往復させるだけで、少しずつ削れていきます。

さすがにちゃんとしたヤスリは無いのですが、目の細かな砂を木のヘラにニカワでくっ付けたもどきを使います。

強くこすると取れてしまう代物ですが、比較的柔らかい物を磨くぐらいはやれています。

畳針みたいなでかい針ですが、皮を縫うにはこれぐらいじゃないと折れてしまいます。

縫うと言っても穴を開けてつる草の紐を通すだけの用途ですが、これだと穴が小さくてもやれそうなのです。

包丁サックの継ぎ目をこれで縫ってみます。


金属片で作ったポンチもどきで穴を開け、つる草紐を通した骨針で縫っていきます。

外れかけていたので心配していたのですが、これで丈夫になりそうです。

それが終わったらコートの修正もしましょうか。


木の枝を3センチぐらいに切って中央に穴を開けた、ボタンもどきがやっと使えます。

周囲はツルツルにしたのですが、今までは紐を通すのが大変で、そのうち針を作ったらと思っていた代物でした。

細い骨針も作り、細いつる紐を通してコートに取り付けていきます。

片方にはつる紐を輪っかにしたのを取り付けてあり、もう片方にボタンもどきを付けるんです。

短い木の枝にまずは通して、そして結んでニカワで緩み止めをします。

そういうのをいくつか拵えて、いよいよ取り付けていきましょう。

あんまり多いと大変なので、4つにしてみました。


さあて、試してみます。


ちょっと慣れないと難しそうだけど、何となくボタンって感じです。

強度が心配なので無理は出来ないけど、これで前が閉じるのでもっと寒くても耐えられそうです。

そこら辺を歩いてみると、以前とは違って風が入り込みません。


成功ですが、こうなると靴も欲しくなりました。


今履いている運動靴はまだまだ使えますが、そのうち壊れてしまうでしょう。

もちろんニカワを使えば修繕も可能そうですが、何時までも使えるとは限りません。

なのでイノシシの皮で靴に挑戦してみます。


足型など無いので自分の足を使います。


縫い代を考えて包丁でザックリと切った後、ポンチもどきで穴を開けていきます。

そうして穴を合わせてニカワで貼り付けて、穴はリベットで止めてしまいましょう。


手作りリベットですが、材料は1円玉です。


ハンマーを叩き台に代用して、槍の穂先ノミで叩きます。

アルミなのですぐに潰れて、あたかもリベットのように固定できました。

底は木で形を拵えて、削って調整していきます。

対称な底が出来たら皮だけの靴と底をニカワで貼り付けて、釘もどきで止めていきます。


やはり鍛冶屋っぽいあそこは便利でした。


ここには暖炉はあっても炉が無いので大っぴらにはやれませんが、それでも作っておいた物があるうちはこれでやっていきましょう。

釘を打つ時には半分だけ穴を開けるのがコツのようで、以前いきなり叩いたら割れてしまいました。

それはともかく、何となく靴っぽくなってきましたが、今度は狼の毛皮で中敷きを作りましょう。

時々洗わないと臭くなるので、取り外しが出来るようにしていますが、靴擦れが心配です。

もっともこれは代用品なので、ここで動き回るぐらいが関の山でしょう。

さすがにこれで戦闘をしようとは思えませんし。


履き心地は余り良くはないですが、裸足よりは全然ましです。

運動靴は小物入れに入れておき、これで動く事にしましょう。

しばらくうろうろしてみましたが、すぐに壊れる事も無いようで、もっと慣れたらもう少しまともな靴も作れそうで希望が湧いてきます。


でもこれ、音が煩いな。


カランコロンとまるで下駄のようだけど、靴だからね。

完成したので隙間にニカワを流し込んで隙間対策です。

釘を叩くのに隙間にポンチもどきを差し込んで叩いたりしたので、貼り付けておかないと泥とか中に入りそうだ。


それはともかく、今日はもう寝ます。

 

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