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「インパーフェクトヒューマン」


 後にこの透吹宗明と言う人物は「一時的に顔を変えることのできる薬」」、「発語できなくても会話することができる機械」という二つの画期的な発明をしたということで世間に認められる科学者になった。




 そういう点で彼は、彼の考えていた目標「顔面偏差値による印象の是正」を達成することができたのだと言えるのかもしれない。




 彼はある会見の中でこう語った。




「私は全国模試で一位を獲った。そして今度は顔面偏差値を上げるためにこの『透吹スペシャル』を作った。当時の私は、それを使って様々な体験をしました。顔を変えるだけで人は良い印象を持ってくれるだろう、そう思っていました。だけど、実際のところ、顔を変えただけではダメだった。だから次に『宗明の告げ口』を開発した。今度は勝手にうまく会話をしてくれる機械です。もうそれは無我夢中で作りました。そしたらまた、それだけではダメだということになった。次の課題が生まれたんです。その課題を解決してはまた解決し、最後、私は当時大学生だったある女性に言われたんです。




――あなたは醜悪だ。




と、私はあの時あの言葉を言われていなかったらきっとこんな舞台に立つような人間になっていなかったと思います。きっと、この中には天才だとか超人だとか、エリートだとか完璧だとかそう言われるような人っていると思うんです。だけど、そこで自分が完璧だと思ってはダメなんです。




――人の醜さはその驕りから生まれます。私は大学時代にそれを学ばせてもらいました。




 天才の諸君、まだまだ君は完璧じゃない。常に自分はまだまだ未熟だという姿勢を忘れないで日々頑張ってほしいと思います」




 そして、こんな薬を作っておいて何ですが、「人を見た目で判断しないで欲しい」と切に願っています。




 透吹宗明のその瞳は、彼の嫌いだった瞳ではなく、あの時出会った彼女と同じ瞳をして燦然と輝いていた。

ありがとうございました☆次回作も鋭意製作中ですので、また会いましょう☆

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