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陰謀が忍び寄る

○次回は9月16日、11時に予約投稿しました。


◎ストレスを感じた時に、考え方を変えると楽になる事があります。

  例

   問題:上司が自分にだけ、仕事を押し付ける。

   解決:上司に頼りにされているんだと思う。

     :色々な仕事を経験出来るので、スキルアップに繋がると考える。

 

   問題:夫が急な飲みに誘われて、帰りが遅くなる。

   解決:一人で自由になれる時間が増えると考える。


                

呂将軍の屋敷の中で、将軍と息子の電我(でんが)と話をしていた。

    

「父上。辛評(しんひょう)の賄賂の証拠を抑えました。」

「真か。見せて見よ。」

将軍に、証拠を渡した。

「これほどの人物が関わっていたという事だな。」

「ただ、大丈夫でしょうか。」

「何がだ。」

「辛評が攻撃を仕掛けるかもしれません。」

「なーに。こちらには証拠があるのだから、心配いらん。

 今直ぐに、韓馥(かんふく)様に報告をしに行くぞ。」

「ハイ。では出発の用意をしてきます。」


電我は、屋敷を出た。

「これで、不正を正せる。」

ほっとした表情になった呂将軍だった。


アイと良は、リンの部屋にやって来た。

「入るぞ。」

「まぁ。珍しいですね。若様が私の所に来るんなんて。」

「今日は、折り入って話がある。」

「あらあら。いきなり本題ですか。世間話でもして頂ければいいのに。」

「急ぎの用だからな。お金を生む方策を考えたから聞いてくれ。」

良は、今さっき話した内容をリンに話した。


「つまり、お金を貸して欲しいと言う事ですね。」

「そうだ。」

「もちろん。駄目です。我が家は、商人にお金を借りている状態なんですよ。」

「解っている。だから、誰に借りたか教えて欲しい。」

「それを聞いて、どうすのですか?」

「直接、交渉を行ってお金を借りる。」

「ハハハ」

口元に手を当てて上品に笑った。


「多額の借金をしているのに、さらに貸してくれる訳ないでしょ?」

「先ほど話あって、商人を説得する方法を考えた。」

「そうですか。お好きにして下さい。ただし、旦那様には報告させて貰います。」

「ああ。父上によろしく伝えておいてくれ。」

良は、商人の名前と住所を教えて貰って、部屋を出た。


「私の仕事はここまでですね。頑張ってくださぁ~い。」

アイは、良に手を振った。

だが、良はじっと子犬の様な目で、アイの方を見た。

良の目線に耐えれなくなったアイは質問をした。


「ど、どうしたんですか?」

「お前も一緒に来い。」

「嫌ですよ。商人に話す内容は教えたんですから、私が行かなくても大丈夫でしょ?」

「お、お前が来てくれた方が安心だから・・・」

アイに聞こえない声で、ぼそぼそと言った。


「え?何か言いました?」

「つべこべ言わずに来い。主人の命令だ。」

「え~。じゃ~。給料を上げて下さい。」

「はぁ?何、生意気な事を言っているんだ。」

「私は、給料分しか働きませ~ん。」

「貴様。」

「どうぞう。どうぞう。お人一人でどうぞ。

 私は二人の勉強を見ないといけないので、これで失礼しま~す。」

アイは、良に背中を見せて、部屋の方へ歩いた。


「ちょっと待った。」

良は必死の形相でアイを止めた。

「何ですか?」

機嫌の悪いアイは、ぶっきら棒に答えた。


「給料を上げるから、一緒に来てくれ。」

「いくらですか?」

「2割増しでどうだ。」

「たったそのくらいですか。」

「十分高いじゃないか?」

はぁ~と、ため息をついて、アイはさらに不機嫌になった。


「2倍」

アイは、右手で2の数字を作った。

「高い。」

「3倍」

アイは、右手で3の数字を作った。


「はぁ?何で上がっているんだ?」

「4倍」

「待て。待て。待て。」

「5倍」

「解った。解った。」

「毎度ありがとうごいま~~~~~~~~す。(*´з`)」


(はぁ~。リンに怒られてしまう。付いてない。俺のお小遣いから出すか~。(><)

 でも、商人の交渉が上手く行けば安い出費だ。('ω')ノ)

ため息を付いた後、自分を励まして都にいる商人の所へ、アイと一緒に行った。



「姫様。結構遠いですね。」

「そうじゃな。」

ウーリンとサザが、良の屋敷に向かって歩いていた。


「あ!あれ!関良です。」

「!!!!!」

「どこじゃ。どこじゃ。」

キョロキョロして、辺りを見合わすウーリンだった。


「あ!いた。」

突然、ウーリンは家の物陰に隠れた。

「姫様。どうしたのですか?」

「解らぬ。あ、あやつを見たら、なぜか隠れてしまった。」

「あの者と話をすれば良いじゃないですか?」

ウーリンの手を引っ張って、行こうとするサザだった。


「や、止めぬか。あ!!」

「姫様!!!」

強引にウーリンが手を引いた。

「しーーーーー」

サザと一緒に物陰に隠れて、良を見ていた。


「仁と五右衛門を残して良かったのか?」

「大丈夫ですよ。二人に文字の書き取りをやるように言ってますから。」

「特に、仁は直ぐサボりそうだからな~。」

「五右衛門に監視するように言ったので、大丈夫ですよ。

 それよりも、さっき若様ったら緊張してたんですか?」

「ああ。どうも。リンと話をする時は緊張するんだ。」

「これからが、勝負なんですから、頑張って下さいよ。」

アイは良の背中を叩いた。


「いったーーーー。何で叩いたんだ。」

「気合ですよ。気合を入れた方が緊張しなくて、交渉を有利に進められますよ。」

「ホントか~?」

「じゃ~。もっと効くように、もう1発行きますか。」

アイはニヤっとした。

「いい。いい。」

首を振った良だった。


ウーリンは、後ろから良達の姿を見ていた。

「何だ。あの女?」

ご機嫌だった表情から、突然不機嫌になった。

「さぁ~。奥さんですかね~」

ウーリンは、眉間に思いっきりシワを寄せて、サザを見た。


「怖いです。姫様。」

「調べてなかったのか?」

「ハ、ハイ。」

「サザよ。一番大事な事では無いか。」

「申し訳ありません。」

「帰ったら、ちゃんと調べるのだぞ。よいな。」

サザは頷いた。


「では、帰りますか。」

ウーリンは首を振った。

「土産を買って来い。」

「へ?」

「この間のお詫びとして、土産を渡すのだ。」

「ああ。なるほど。」

「さっさと行け。」

「ハイ。」

サザはお土産を買いに行った。

ウーリンは、良を尾行した。



「父上、もうすぐ都に入ります。」

「そうだな。」

呂将軍達は、辛評の賄賂を報告するため、都へ目指していた。


横から炎の矢が一斉に飛んで来た。

「う。」

護衛をしていた兵士が、倒れていった。

「敵襲だ。迎え撃て。」

呂将軍は直ぐに、矢が放たれた方向に走って行った。

敵が炎弾を複数放った。

「雷盾」

呂将軍は、自分に当たりそうになった炎の玉を

バチバチという音を立てた左手で、払い除けた。


「この私に刺客など笑わせる。雷雷。」

「うぁ~。」

上空から、雷が黒装束の敵兵に落ちて、ドカーンという大きな音が鳴った。


そして、呂将軍は剣を抜くと。

「雷列斬」

剣で一人に斬りつけると、左右に居た4人の兵士が一斉に電撃を食らって、死んだ。

だが、敵兵はどんどん数を増やしていった。


「父上。このままではきりがありません。ここは私が引き受けますので、

先に行って下さい。」

「息子を見殺しにしていけるかぁ。」

敵を斬りながら、会話をしていた。

だが、兵士の数が違い過ぎているため、会話する余裕が無くなってきた。


「父上。早く行って下さい。証拠の品はこちらです。」

電我は、懐から証拠の品を出して、父に渡した。

「だが。」

 「これで、不正を正して下さい。いつも父上が言っているではありませんか。

 【民が喜ぶ事をしろ】と。」

とうとう、護衛の兵が全てやられ、二人になってしまった。


「父上。ご武運を。雷真檄(らいしんげき)

「電我。」

電我は、槍を回転して電撃を飛ばしながら、一人で敵に突っ込んで行った。

「すまぬ。必ず生きろ。」

呂将軍は、電我が足止めしている内に、先を進んだ。



商人に行くために、都を目指しているアイと良だった。

「あれ?」

「どうした?」

「上空から雷が落ちていませんか。」

良は上の方を見た。

すると、上空から雷が多数落ちて来た。


「キャーーーー。何なの。」

雷が落ちる凄い音に、ビックリしたアイだった。

「戦闘だ。」

良は、突然厳しい顔になった。


「誰が戦ってるんですか?」

怖がっているアイは、恐る恐る聞いた。

「解らん。様子を見て来る。お前はここで待っていろ。衝足」

アイを残して、良は戦闘している所に、低い姿勢のままジャンプする様にダッシュした。

「何?あの速さは、魔法かなぁ?それにしても変な走り方。」

女が一人。走ってアイの横を通り過ぎて行った。


 

韓馥(かんふく)様。韓馥様。」

呂将軍は、急いで、韓馥のいる部屋にやって来た。

「お待ちを呂将軍。」

部屋を警護する者に止められた。


「何だ。」

「剣を渡してください。」

「今までそのような事は無かったではないか?」

「決まりですので、ご協力を」

警護の兵士も一歩も引きかなかった。

不満そうな顔した呂将軍も仕方なく剣を渡し、部屋の中に入っていった。


「どうした?呂将軍。」

「韓馥様。今日は急いでお知らせしたい事があります。」

「それはどうゆう事かな?」

「辛評が賄賂を受け取っていた証拠を手にいれました。」

「ほぉ~そうか。見せてみろ。」

呂将軍は、韓馥に渡した。


そして、証拠の品を見ずに横に置いた。

すると、呂将軍がいた所に、上から檻が落ちて来た。

「何だ。これはいったい。」

「龍真石で使った。檻だよ。つまり、魔法が使えないという事だ。」

「何で、私がこのような目に合うのですか?」


「私は、そなたを信じていたのだよ。

 だが、辛評がそなたの行動を予言してその通りなってしまった。」

残念そうに、呂将軍を見つめる韓馥だった。

「その通りです。韓馥様。」

辛評が部屋の脇から出て来た。


「辛評。貴様。何を韓馥様に吹き込んだ。」

「何って、お前が行った悪の所業を報告しただけさ。」

「私は、何もやっていません。韓馥様。」


「これが証拠だ。」

檻の中で、必死に訴える呂将軍を哀れな目で見るように、証拠の品を渡した。

「賄賂だけでなく、部下の妻を強引に自分の女にしたり、民に重い税を要求して私腹をこやしていたらしいな。」

「ち、違います。そんな事はしていません。もう一度調査をして下さい。」

ドンっと机を叩いた。


「そなたの事は言う事はもう。聞きたくない。牢屋に入れておけ。」

「ハァ。」

「信じて下さい。韓馥様~~~~~」

呂将軍の訴えも虚しく、兵士二人が軽々と檻の取っ手部分を持って、出ていった。


「さて、辛評。刑罰はどうする?」

「民衆の前で八つ裂きの刑がいいかと。」

「一番惨い殺し方ではないか?」

「そうです。見せしめのために行うべきです。それに、一族を全員殺します。」

「うーん。解った。そなたがそう言うならそうしよう。」

「ハ。では、刑の執行の準備をしてきます。」

辛評は一礼をして部屋を出て、ニヤッと笑っていた。



(よし。追いついた。)

良は、助けるために、こっちを向いていない後ろの兵士に、棒で横から殴った。

だが、こっちを見てないはずの兵士が、しゃがんで避けてしまった。

「何!!!!!」


避けた兵士はゆっくりこちらを向いた。

「危ないなぁ フフフ。」

「衝突」

当たれば凄い衝撃を受ける突きを見舞ったが、手を後ろに組んで簡単に避けられてしまった。

良は、焦っていた。これまで自分の攻撃が当たらない事は無かったからだ。


「良い突きだ。当たったら痛そう~。でも当たってみたいきもするな~。」

「衝連突」

良は、連続で突きを行ったが、1つも当たらなかった。


「ふぁ~。当たんないね。今度は、僕の番だね。」

欠伸をした後、大きな鎌で横に払った。

横にあった木が切れてしまったが、良は間一髪で後ろに避けた。

(危なかった。衝足を使っていなかったら、やばかった。)

「へぇ~。一瞬でそんな所まで行けるんだね。」


連続で鎌を振るった。

良は刃に触れないように、計算して避けたが足に傷を負ってしまった。

「なぜ?」

「フフフ。僕の攻撃が風だからね。他にも、こんな事も出来るよ。」


急に良は動けなくなってしまった。体全体が重くなってしまった。

「あれ?もう動けない?そうだよね。今、動けなくしたから」

男は笑って、良に近づいてきた。

「もうちょっと。遊んでも良いけど。仕事が残っているから。バイバイ。」

男は、鎌を大きく振りかぶった。


「炎弾」

男に向かって、炎の玉が襲った。

「おっと。」

男は、今度もあっさりと避けた。

そのスキに良は距離を置いて、炎を放った相手を見た。


「君は、こないだの。」

「話は後じゃ。まずはこの者を」

「君は後方から援護を。俺が奴を接近して攻撃する。」

良は一気に男の距離を詰めた。


「援護って、何?」

ウーリンは援護などした事が無いので解らなかった。

「うーん。ここから攻撃をすれば良いのだな。炎遠風」

ウーリンは、薙刀を振るって刀の先から、刃の形をした炎が男に向かった。

だが、ちょうど。良が突進している所に、炎の刃が当たりそうになった。


「何をしている。俺に当たりそうじゃないか。」

「そなたが、当たりに行ったのだろう?」

「コンビネーションは、イマイチですね。」

男は、鎌で攻撃をしたので、仕方なく良は後方に下がった。


「相手に、鎌の攻撃をさせない様にすればいいんだ。」

「そ、そんな事は解っておる。今度はワラワが攻撃するから、良がその後に攻撃をすればいいじゃろ?」

「何で、俺の名前を知っている?」

「そ、それは・・・行け。炎遠風」

ウーリンは必死に誤魔化そうとして、相手に攻撃をした。


仕方なく、良は刃の炎の後ろに付くために、衝足を使った。

男も鎌で連続攻撃をした。1つ目の風の刃で相殺して、2つ目で良を攻撃しようとした。

だが、誤算が生じた。1つ目の風の刃で相殺する事が出来ず。2つ目の刃で相殺したのだ。

「何という炎の力。僕の風の力より強い。」


良は、男の懐に入った。

「衝連突」

衝足でスピードを付けた連続の突きは、最初のものよりも速い突きだった。

(これなら、避けられないはず。)

「風壁」


男を突こうとしたが、透明な壁によって、全ての攻撃が当たらなかった。

そして、男は全ての攻撃が終わったタイミングで、鎌を振りかぶって攻撃をした。

ボーーーーン。

鎌に炎の玉が当たった。鎌が吹っ飛んだ。

「やったーー。」

ウーリンがガッツポーズをしていた。

良は、チャンスとばかりに、攻撃をしようとしたが、急に体が重くなった。

良とウーリンの体が重くなって、攻撃する事が出来なくっていた。


ウーリンと良は、驚愕の顔で男を見つめた。

男は、ゆっくり、飛ばされた鎌を拾いに行って、鎌を持ち上げた。

「さっきより。良い攻撃だったよ。フフフ」

男は、良に近づいた。


「なかなか。面白い戦いだったよ。じゃあね。」

鎌を振り上げようとした。

「やめるのじゃ。良を良を死なせはせぬ。良はワラワのものじゃ~。炎王倍。」

体が重い状態で、無理やり攻撃をした。

直径50mの炎の玉が、男に攻撃をした。


「風反射」

風の力を利用して出来る風の壁で、炎の玉を受け止めた。

だが、炎の玉の威力が強く、徐々に男は後ろに後退していった。

「行くのじゃーーーー」

ウーリンは、目を輝かせて、炎の玉を見た。


しかし、3秒後、信じられない光景が目に入った。

炎の玉が返されてしまったのだ。しかも良の所に飛んで行った。

「良ーーーーーーーー」

ウーリンは、絶望の表情で叫んだ。


良は、大きく深呼吸をしてゆっくり、棒を見た。

そして、両手で棒を握って、近づいた炎の玉を打った。

「おりゃ~~~~ 特大衝撃打。」

棒から信じられない衝撃波が出て、炎の玉を打ち返した。


「そ、そんなバカなーーー。」

男は狼狽えて、近づいた玉に包み込まれた。

ドカーーーーーーーーンと凄まじい音が鳴って、爆発した。

「今度こそ。アヤツを倒したのじゃ。」

ウーリンは興奮して、良に近寄った。

「やったの。良。」

「ああ。君のおかげだ。」

「そ、それほどでも。」

良に褒められて、頬の筋肉が緩みっぱなしのウーリンだった。


「フハハッハ。アッハハ。」

男は、お腹を抱えて笑っていた。

「あー面白い。勝ったと思ったんだね。まぁー。普通はそう思うよね。

 でも、僕は普通じゃないから。」

男は、ニコリと笑って、後ろの方を見ていた。

ウーリンと良は身構えた。


「ば、ばかな。あれを食らって生きているとは。」

              

「僕はね今機嫌が良いんだ。だから、君たちにヒントをあげよう。

                          ・・・・・・・・    

 なぜ君たちの攻撃を防げたか。それは、君たちの攻撃を事前に知っていたからね。

 防御するのも簡単なんだよ。」

「・・・・・・・・・・・」


「それじゃ。僕は仕事が残っているので、退散しまーす。引き上げるぞ。」

後ろに居た黒装束の男達に命令をした。

「待て。まだ終わってはおらぬ。」

「君。まだ解っていないの? その気になればいつでも君達を殺す事も出来たんだよ。もっと戦うつもりなら、瞬殺させて貰うよ。仕事に支障をきたすのでね。」

男は今までにない殺気で威圧してきた。


「ワラワをなめるな。行くぞーー。炎」

「止めろ。」

ウーリンが攻撃をしようとしていたが、手で止めるように制した。


「なぜ。止める。まだ終わってはないぞ。」

「奴の言う通りだ。俺たちの最大の攻撃をしても無傷だ。

 これ以上攻撃をしても無駄だ。」

「あやつは、ワラワを愚弄したのだぞ。」

「奴をそのまま行かせろ。」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

ウーリンは、ゴネ出した。


「死にたくなければ、俺の言う事を聞け。いいな。」

大声で言った。

ウーリンは固まってしまった。そして、涙目になった。


「そうそう。彼の言う通りだよ。またね~」

男は部下を連れて去って行った。


良は、男が去った事を確認すると、ほっとした表情になってウーリンを見た。

ウーリンは、良に怒られて涙目になっていた。

「さっきは、大声を出してすまなかったな。

 でも、無謀な事はするなよ。いいな。」

「うん。」

良は、優しくウーリンの頭を撫でた。


すると、ウーリンが泣き出した。

生まれて初めて怒られたり、優しい言葉を掛けられてほっとした感情が入り交じって、

何で泣いているのか解らないウーリンだった。

「おいおい。泣くなよ。」

良は、急に泣き出したので、狼狽えてしまった。


しばらく泣いて、困った良。

「どうしたら、泣き止むだ」

良は、ボソッと呟いた。

「ウーリン。」

ボソッとウーリンが言った。


「何だって?」

「ウーリンって呼んでくれたら。」

「へ?」

「えーーーーん。」

「解ったよ。ウーリン。」

「もう一度」

自分の名が呼ばれて、嬉しかったウーリンは良にお願いした。


「ウーリン。これで良いか。」

「うん。今度からワラワの事をそう呼べ。」

「はいはい。あ、そういえば戦っていた奴、大丈夫かな?」

「そんな者が居たのか?」

ウーリンは、良を追って来ただけだったので、他の事に全く関心がなかった。


「ああ。探すぞ。」

ウーリンと一緒に探す事にした。

「いた。」

片膝を地面に付いて、肩で息をしている電我だった。

「大丈夫か?」

「ハァ。ハァ。一緒に戦ってくれたのだな。感謝する。」

「困った人は助けないとな。」

「それにしも誰に襲われたんだ?」

「解らん。ハァ。ハァ。嫌な予感がする。急いで戻らねば。これで失礼する。」


電我は馬に乗って、一礼をして去っていった。


「何だったんだ?」

「さぁ。あ、俺も人を待たせているんだった。じゃあな」

良は、アイの事を思い出して、迎えに行った。

だが、ウーリンも付いてきた。


「どうして付いてくるんだ?」

「ワラワもこちらに用があるのでな。」

「そうか。」

二人は、一緒に歩いて行った。

ウーリンにとっては、至福の時だった。


アイは、遠くで見ていたので、詳細は解らなかったが、戦いが終わった事だけは解った。すると、黒装束の集団がこちらにやって来た。

(まずい。襲われてしまうかもしれない。隠れよう。)

道の脇にある木に隠れた。

歩いている黒装束の集団は、近づき難い雰囲気だった。

1人だけ、馬に乗っている男の人がいた。


(着ている物が他の人と違うから、名のある人かな?

 ちょっと。ステータス確認しよう。)

アイは、男のステータスを見た。


◎名前

 ジョンソン(男)


◎基本値

 武力:114(+30)

 知力:78

 政治:77

 外交:14

 魅力:44

 潜在:13


◎魔法

 先読み6

 風5

 重力3

 ????


◎その他

 殺しが大好き。

 変わった食べ物が好き。

 料理好き。

 ????


(あれ? ????って何だ? 全部読めないようね。

 !!!!!!!        

 武力が114って、三国志最強の武将呂布(りょふ)より強いじゃない。

 しかも、魔法が4つ使えるみたいだし。

 何この人。ジョンソンって聞いた事が無いんですけど。


 ただ1つだけ解る事は、関わらない方が良いって事ね。

 殺しが大好きって、普通じゃないから。)


ぷぅ~~~~~ん。

木に隠れているアイの所に一匹の蚊が飛んでいた。

(あっち行け。)

心で念じていたが、蚊はおかまいなしに、アイの近くを飛んでいた。

アイは、自然と目で蚊の行方を追った。

そして、アイの腕に止まった。

(とぉりゃ~~~~~)

思いっきり、自分の腕を叩いて、蚊を倒した。

「よし。倒した。」

思わず声を出してして、黒装束の人達と目が合ってしまった。

(蚊め~~~~~)


「怪しい奴だ。捕まえろ。」

アイは、あっさり捕まってしまった。

「ジョンソン様。怪しい人物を捕まえました。」

ジョンソンは、アイを一目見た。

「殺せ。」

感情の無い声で、黒装束の男に命令した。


(ちょっと待ってーー。何か考えないと。考えろ。考えろ。

 さっき見たステータスにヒントは無かった?

 あ、変わった食べ物が好きって、書いてあったよね。)

「ちょ、ちょと待って。死ぬ前に、ポテトチップスを食べさして、」

刀で斬り掛かろうとした時に、アイが叫んだ。


「何だ。ポテトチップスとは?」

(食い付いた( ̄д ̄))

「し、知らないんですか? あんなに癖になる食べ物を。」

アイは挑発した。


「ほぉ~~~この僕に、随分と生意気な発言ですね。」

アイを睨みつけた。

(怖いよ~~~。誰か助けて(T_T))

「どうせ殺されるなら、最後の晩餐に食べたいと思っただけよ。」

「どこに行ったら、それを食べる事が出来る?」

「誰も知らないわ。私が考えた食べ物だから。」

「本当かな。出まかせじゃないの?」

「嘘言ってもしょうがないでしょ。」

「だったら、作り方を教えろ。」

「嫌よ。教えた瞬間に殺すんでしょ。」


「言わなければ、この場で殺す。」

鎌を首の所に持っていった。

「ヒーーー。ごめんなさい。言います。言います。

 材料は、塩とジャガイモです。

 まず、ジャガイモの皮を剥いて、細く切ります。

 次に、油に塩を入れて揚げて出来上がりです。

 コツは、薄く切る事と、焦がさない様にする事です。」

震える声で、作り方を言った。


「うーん。確かに聞いた事ない食べ物だな。ああ。直ぐ食べてみたいな~。

 ただ、美味しいのかな」

「ハイ。美味しいです。主食の食べ物では無くて、間食の食べ物です。

 食べたら、パリッとした音がなって、病みつきになる事間違いなしです。」

「そう。じゃ~。一緒に来て貰おう。」

「へ?作り方を教えれば解放してくれるのでは?」


「そんな事。誰が言った?この場では殺さないけど、

 もし、美味しく無かったら。・・・・解るよね。」

「は、はい。」

「隆元。先に行っていろ。」

「ですが、仕事に支障が来すのでは?」

「まだ。時間があるから、大丈夫。

 まぁ。間に合わなかったら、向こうの指示に従え。」

「ハァ。」

一礼をして、黒装束の集団は去って行った。


「さぁ。都に行って、作ろうか。」

ジョンソンは、ニコニコしながら、アイを連れて都に向かった。

◎名言集

柳井正ファーストリテイリング


「どれだけ良いアイデアがあっても、実行しなければ成功もしないし、失敗もしない。

 それは時間のムダでしかないでしょう。」

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