タダで出来る商売を探す
次回は9月8日、11時に予約投稿しました。
ちゃんと投稿出来るかな?
「お腹空いた~。死にそう~。」
アイは、フラフラした足取りで歩いていた。
お金を夏児に取られて、一文無しの状態になった。
「はぁ~。もう2日たったけど、お腹が空き過ぎて、頭が回らない。」
「グゥ~~~~~~。」
最初は、恥ずかしさの余り、お腹に手を当てて誤魔化していたが、
何回も鳴っているので、面倒になり、気にもしなくなった。
「あ~。ハンバーグが食べたい。カレーが食べたい。
一番は、ポテチを沢山食べたいよ~~~~。( ̄д ̄)」
「グゥ、グゥ、グゥ」
お腹が自分の言葉に反応したように鳴った。
お店の人が、裕福そうな客に対して、計算を行っている声が聞こえた。
「1,5678円が1点、3,5467円が2点、4,657円が15点で合計
186,432円になります。」
店員の人はニコニコした表情で、計算結果を伝えた。
「それぐらいか。安い買い物であった。」
(!!ちょっと待った。計算が違っている。正確には、156,467円だ。
つまり、3万円くらい高い値段を言っている。)
「ちょっと待って下さい。お客さん。3万円くらい損してますよ。」
いきないり、アイに言われてビックリするお客と、嫌そうな顔をする店員だった。
「な、何を言っているのですか?」
「嘘の金額を言ったでしょ。正確な金額は、156,467円です。」
「ホントかそれは?」
「そんなはずわ、もう1度計算をしてみます。」
暫くして、アイが言った金額だった事が解った。
「お客様。真に申し訳ありませんでした。私の計算ミスです。」
「しっかり、してくれよ。」
「ハイ。お詫びにこちらの商品をどうぞ。」
上等なお酒をお客に渡した。
「これをくれるのか。」
高いお酒だったので、ビックリした表情で店員を見た。
「ハイ。今後ともよろしくお願い致します。」
「解った。今後も来てやろ。」
丁寧にお辞儀をした後、こちらをギロっと睨んだ。
(あ~!! この店員、余計な事をしやがってと言う顔をしている。
やっぱり、不正を働いたんだな。)
「あ、そこの女。」
「何ですか?」
「そなたのおかげで、安く買い物をする事が出来た。感謝する。
お礼にこの金を受け取ってくれ。」
1万円のお金をアイに渡した。
「ええ! こんなに!私は当たり前の事をしただけですよ。」
「いやいや。そなたのおかけだ。貰ってくれ。」
「あ、ありがとうございます。」
「グゥ、グゥ」
(まずい、お腹の音が止まらない。(´Д`))
「うん? 何の音だ?」
「さぁ~。何の音でしょうね~。」
アイは、お腹を必死に抑えながら、とぼけた(゜o゜)。
「で、でわ、私は失礼します。」
「おお」
アイはダッシュで、その場から逃げ出した。
「はぁ。はぁ。」
周りを見渡して、誰もいないのを確認すると、
「やったー。これで、美味しい物が食べれる~(^^♪」
「グググググゥ~~~~~~~~~~~~~~~~」
私のお腹も大喜びだーーーー。(*^▽^*)
ウーリンは、町を歩いていた。
「姫様。どちらに行かれるのですか?」
「決まっているだろう。美味しいと評判のお店に行くのじゃ。」
「結婚相手を探すのではないのですか?」
「そんな者、当分見つけるつもりわないのじゃ。
外出する口実が出来て、ワラワは、この上なく嬉しいぞ。」
楽しそうにウーリンが歩いているが、お供のサザは、気持ちが落ち込んでいる表情になった。
「おお!! ここだな。噂の美味しい店わ。入るぞ。サザ。」
「ハイ、ハイ、姫様。」
(何も起こらなければ良いけど)
心配をするサザだった。
「いらっしゃいませ。ご案内します。」
店員に連れられて、歩いていると、ガラの悪い男が咄嗟に足を出した。
ウーリンは避ける事が出来ずに、前に倒れてしまった。
「貴様。何をするのじゃ。」
ウーリンは、振り返って、ガラの悪い男に詰め寄った。
「わりぃ。わりぃ。俺。足が長いから。つい。」
「ワザとやったな。殺されたいのか?」
ウーリンは、怒ったが、男は涼しい顔をした。
「俺とケンカしたいらしい~。」
周りの連中はゲラゲラ笑っていた。
「姫様。騒ぎを起こすと大変ですよ。」
「ウルサイ黙っていろ。」
男は立ち上がって、じっくりウーリンを下から上へ眺めていた。
「なかなか良い女じゃないか。上手そうだぜ。」
舌で唇を舐めながら、ウーリンを挑発するように言った。
「おらーよ」
ガラの悪い連中の1人が、テーブルにあった生卵を投げつけた。
だが、ウーリンはすっと避けて後ろにいる客の顔に、グシャという音がした。
「フン。油断しなければこのくらい楽勝じゃ。」
「ほぉ~。やるじゃねか~。 へっへ。じゃ~。2つはどうかな?」
今度は、箸置きと卵を同時に投げた。
ウーリンは、1回転して2つを蹴って、上空に上げた。
そして、後ろのテーブルに箸置きがドンと着地をして、箸が綺麗に全部入った。
・・・・・
運が悪い事に、卵は先ほど生卵をぶつけられた男のスープに、ポチャンと落ちてしまった。その反動でスープが服にビシャっと大量に付いてしまった。
「いいね~。俺はじゃじゃ馬を凌辱するのが、好きなんだよ。」
「ワラワと戦いたいらしいの~」
お互い視線をぶつけ合った。
もう少しで戦いに始まろうとした時、邪魔をする者が現れた。
「これをやったのは、お前か。」
卵をぶつけられた男が言った。
「何だお前、しゃしゃり出てくるんじゃねぇ。」
突然、ガラの悪い男が剣で斬りつけてきた。
だが、イケメンの男は、簡単に躱した。
連続で、ガラの悪い男が攻撃をした。
イケメン男は、テーブルに置いてある箸を投げつけた。
すると、箸が真っ二つに切れ、凍り出した。
「氷系か?」
「へへへ、触れば氷漬けだぜ。ガル一家に盾突こうとした。
罰を与える。ヤローども囲め。」
店の外に出て、ガル一家の手下がイケメン男の周りを囲んだ。
「どうした?怖くて、怖くてたまんないかい?」
勝ち誇った様に、ニヤニヤした。
イケメン男は、背中にある棒を抜き出した。
「弱い奴ほど良く喋る。」
「うるさいーーーーー!!!」
1人が上段の構えから、振り下ろした。右に避けて棒を相手のお腹に攻撃をした。
攻撃を食らった相手は、5メートル吹っ飛んだ。
周りの手下は、驚いた顔でイケメンを見て、距離を置いた。
「衝撃系の魔法か。 だが、俺達の攻撃を躱せるかな。氷結連打」
イケメンを囲んでいた男達は、一斉に鋭い氷の塊を投げつけた。
咄嗟の事で、避けきれずに何個か氷の塊が、イケメンの服を掠った。
「フフフ。全て避けきれなかったな。徐々に痛めつけてやるぜ。」
・・
「今日は運が悪い。服が汚れて、切れてしまった。
新しいのを買い直さないといかん。」
「何、訳解らん事を言ってやがる。行くぞ。ヤローども氷結連打」
先ほどと一緒で、凍りの刃がイケメンを襲った。
イケメンは、棒を野球の様に両手で握った。
「同じ技は、通じない。」
イケメンは、余裕の笑みを浮かべて、棒を振りかぶって一回転して、凍りの塊を打ち返した。
すると、凍りの塊が術者に向かって、跳ね返ってきた。
「うぁ~~~~」
自分の攻撃を受けた部下は、当たった所が凍りついてしまったり、吹っ飛んでしまった者もいた。
「痛い、助けてくれ~~~~~」
イケメンは、痛がっているガラの悪い男に近づいて、棒を顔に向けた。
「服代」
イケメンは、ニッコリとして手で催促した。
「え?」
「弁償」
ガラの悪い男が渋っていると、顔の横に棒を向けて、ドーーンと凄い音を立てた。
真っ青になった男は、急いで自分が持っているお金をイケメンにやった。
「もう。ここで暴れるなよ。」
コクコクと部下達と一緒に頷いて、逃げ出した。
ウーリンとサザは外に出て、一部始終を見ていた。
戦いが終わったので、イケメンに近づいた。
「おかげで助かったのじゃ。何かお礼をせねばのぅ。」
「礼なんぞ、いらん。」
イケメンは、店の中に入ろうとした
「では私と勝負をするのじゃ。」
ウーリンは、強い男に出会う事が出来たので、ウキウキしていた。
「!!!!! 断る。」
「遠慮せぬとも良い。」
喋っている最中に、薙刀をイケメンに向かって攻撃をした。
「いきなり、何をする。危ないではないか。」
「やっぱり、避けたか。面白い。今度は本気で行く。」
薙刀の刃物の部分が3倍の長さになって、真っ赤に赤くなり、
周りに炎が燃え上がっていた。
「これをくらえ~~~~。炎薙切り」
イケメンを狙いを付けて、薙刀を払ったが、あっさりと避けられた。
(おかしい。なぜこんなにあっさり避けられるのだ?)
ウーリンは、疑問に思った。今度は、横に払った。
ウーリンが払い終わる前に、イケメンは、突然ダッシュをして、ウーリンの後ろに居た。
「悪い事をする者は、お仕置きが必要だ。」
イケメンは、ウーリンのお尻に棒を当てた。
「痛い!!」
物凄い痛みが走った。ウーリンはお尻を擦すった。
「ワラワを侮辱しおって、もう許さん。」
ウーリンは両手を上空に上げて、笑った。
「アハハハハ。私は誰にも負けてはならぬのだ。」
「姫様。その魔法はお止めください。」
「うるさい。くらえ。炎王。」
上空に、直径25mの火の玉がイケメンめがけて、上空から投げた。
周りの人は、自分に落ちてくるかもしれないと感じ、逃げ出した。
「危ないぞ。逃げろ~。」
(避けるのは簡単だが、周りに被害が出てしまう。ここは、この魔法で)
イケメンは、野球のバットを握るようにして、1回転した後に、アッパースイングを行った。
火の玉が、地上に落ちようとしていた所を爆風が吹いて、上の方に行ってしまった。
「ば、ばかな。ワラワの炎王が。」
何が起こったか把握出来ない、ウーリンに向かって、イケメンはダッシュをして。お腹に棒で突いた。
「衝突。」
「うっ。ワラワは、負けない。」
ウーリンは、そう言い残して気絶をしてしまった。
「姫様~。」
サザが気絶しているウーリンに駆け寄った。
「殺してはない。ただ、周りを巻き込んではならん。」
イケメンが怒った表情で言ったので、サザは土下座をして謝った。
「お許し下さい。お許し下さい。」
「服が汚れた。新しい服が欲しい。」
「こ、このお金で新しい服をお買い下さい。」
サザは懐にあったお金をイケメンに渡した。
「貰っていいのか?」
「どうぞ。どうぞ。」
「じゃ~貰う。」
イケメンはお店に戻って行った。
そして、サザはウーリンを背中に背負って、帰って行った。
お店の中で、イケメンの友人が居た。
「沢山攻撃を躱していたね。」
「俺の魔法は衝撃系だから、足から地面に衝撃を与えるとその反動で、少し飛ぶ事が出来る。」
「なるほどな~。衝撃系の魔法って便利だなぁ。」
「そにしても、お金を分捕るとは酷い男だな。」
「この服を見ろ。ボロボロだ?
それに、強要した訳ではないから、良いんだ。」
「卵をぶつけられて、服が汚れた時は相変わらず運が無いと思ったけど。」
・・・・・
「結局、いつも通り運が良い。」
二人は談笑をしていた。
アイは、お金を貰う事が出来たので、2日ぶりの食事をしようと、美味しいお店に入った。
「うん?何かあったのかな?」
周りの人がいつもより、せわしく動いていた。
「まぁいいや。ご飯。ご飯。美味しいご飯を一杯食べるぞ~(^^♪」
アイは、嬉しさの余り無意識に言葉を発していた。
店に入って店員に注文をした。
暫くすると、店員が食べ物を持って来た。
アイは待ってましたとばかりに、急いで食べ始めた。
「ああ。本場の中華はやっぱり上手い。箸がどんどん進む~~~。(*´з`)」
あっという間に食べてしまった。
「ふぅ。満足。満足。」
お腹を叩いて、満面の笑みになったアイだが、直ぐに、暗い顔になった。
「どうするかなぁ。これから、まだ商売のネタが想い浮かばないよ~」
頭を抱えていた。
すると、隣のテーブルから声が聞こえて来た。
「文官の試験を受けようと思っているんだが、算術が不得意なんだよな~
教えてくれよ。」
「そうゆうのは、自分で方法を見つける事が大事なんだ。」
「そんな硬い事、言うなよ~。」
隣の話を聞いて、アイは閃いた。
(そうだ。算術なら現代で勉強したから、教える事が出来るんじゃないかな?)
「あ、あの~。試験に出る算術って、どんな問題が出るんですか?」
隣のテーブルに座っている人に聞いた。
座っている人たちは、少しビックリして答えた。
「知り合い?」
「違うが、どんな問題があるか知りたいのだろ。例えば、14+3=?」
「17」
「おお。正解。では15-3=?」
「12」
「素晴らしい。今度はちょっと難しいよ。
15×19=?」
「285」
「お嬢さん。算術得意なんだな。商人の娘か?」
「いえいえ。ただの使用人です。やっぱり、算術が苦手な人は多いんですか?」
「まぁな。ここに実際にいるしな。」
「フン。」
ふてくされる角仁だった。
「そうなんですね。大変ありがとうございました。」
アイは一礼をして、自分の席に戻った。
(よし。良いアイディア思い付いた。)
そして、直ぐに店員を呼び出した。
「紙と書く物を持って来てくれない?」
「あの~。紙は高級な物なので、当店では置いてないのですが、」
(あっそうか。この時代は紙が貴重品だったんだ。 じゃ~何か変わりの物がないかなぁ。)
アイは辺りを見渡して、木に書かれていたメニューの札を見つけた。
「じゃ~。文字が書ける大きな木を持って来て。
それと、店長を読んできて。」
店長と店員がやって来た。
「何かございましたでしょうか?」
「ちょっと。お願いがあるんだけど、
メニューの横にあるスペースに広告を出したいの」
「それは、ちょっと。」
渋る店長に、アイは熱弁した。
「広告を出す場所を提供する事で、店にも利益があるはずよ。
期日や大きさによって、広告料を変えれば喜んでお金を出す人もいるはずよ。」
「そうでしょうか。」
まだ、疑っている店長。
「だって、この店はお客様の数が多いし、メニューの横だと注文する時に、見る人も多いから宣伝になるわ。
それに、場所を提供するだけだから、こっちは何もしなくて良いし、余分な人件費も掛からない。
もし、広告をする人がいなければ、広告主募集と書いていれば、興味を持った人が来るわ。」
(現代で言えば、TVのCMを流して商品を宣伝する手法に似ている。
つまり、人が大勢見る所に宣伝すると、会社の認知度が上がり、商品もどんどん売れるだよね。
他にも、駅のホームに看板を設置すれば、電車を待っている人が看板を見てくれて、宣伝になるし、鉄道会社も場所代として収入を得る事が出来る。
それから、小さな土地でも交差点などの近くに商品の看板を設置するれば、
信号で待っている人や車から見えて宣伝になるんだな~。)
「それは素晴らしい考えだね。じゃ~。広告料払って」
店長は、お金を要求した。
(さすが、商売人。タダでは載せてくれないか~。
でも、ここでお金を払ってしまうと、リン様の約束を破ってしまうから、ここは)
「もう1つ。お店の利益になる話をするので、それを広告料代としてくれませんか?」
「いいだろう。」
「この店を見て感じた事なのですが、おすすめメニューをもっと宣伝すれば良いと思うの。
お店の外に、おすすめメニューを書いたり、店の中にあるメニューの横に書いたりすれば、どんどん注文をしてくれるはずです。
【おすすめメニューのメリット】
①おすすめの料理に必要な材料が増えて、大量に仕入れるので、
材料費を安くする事が出来ますし、廃棄する材料も少なくなります。
②同じ物を作るので、腕が良くなります。特に新人には良い勉強になるので、
作るスピードがアップして、直ぐに即戦力として使う事が出来ます。
③お客様がまだ食べた事が無い料理も食べて貰えるので、
お店の魅力がアップして、また来てくれる可能性が高くなります。」
暫く、腕を組んで考えている店長。
「よし。いいだろ。タダで使って良いぞ。」
「やった~。」
アイは、喜んで店長に抱き着いて、木に宣伝の文字を書いた。
「よし。完成!! なかなか良い感じ。じゃ。これ、よろしく~~~」
「ハイ。解りました。」
アイが書いてある間に、店長が設置するスペースの所に釘を打っていた。
そして、アイが書いた文字を飾った。
「うん。うん。これでよし。じゃ~ね。」
アイは満足そうな顔をして店長に手を振って、店を後にした。
隣のテーブルに居た男達は、宣伝に書かれている文字を読んだ。
「これは・・・・・」
◎名言集
◆飯田 亮(セコムの創業者)
「仕事というのは、やめなければ本物になる。続ければ、必ずものになる。」