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神代行の僕が見守る人類はダンゴ虫  作者: ねむねむぴよ
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七十六話

投下します。

七夕だから二本目!!


 まだ、みんなを呼ぶには少し不安。

 まずは、リーダーのビジョンを聞いてみて使えるものは使いたいなぁ・・・・

 ゴッドブレインは、3年程で”破綻”としか導き出さないけど、カオス理論的に?瓢箪からコマ?もあるかも、だってクアダキ人は限界を超えて僕に連絡を入れてきた位だから、可能性はゼロじゃないはず。


 とはいっても、救いの手を差し伸べるつもりもないから、神の思考って個々の生き物にとって苛烈なのかな。ダンゴ虫の未来に心を砕く人類がいないように・・・・研究者は違うかな?


 腰が抜けた兵士を、両脇を抱えるように他の兵士が抱え上げる。

 結構戦闘力高そうな兵士だったから、みんなから一目置かれてたのかな・・・・どうでもいいけど。


 残りの2名は・・・・ありゃ瀕死の重傷。どちらも脳に損傷があるみたいで息はしてるけど、左右の視線が定まらず、瞳孔も開きッパ。高速回転した兵士は体の捻じれが治ってない。


 まぁ、僕を殺そうと挑んできて、返り討ちなんだから、慈悲もへったくれもないよね。

 命があっただけ・・・・なかった方がよさそうな感じだけど、これもまた彼らの人生。


 ・・・・


 案内されたのは、ロの字の5階建てのビル。


 武装しているけど、銃口は下を向いてる。視線を向けると 「ヒッ」ってなんか間の抜けた声を出して数歩下がる兵士達。


 5回の一室、外から襲撃できないように建物の内向きで窓ははめ殺し、いかにも高級将校の部屋って所に通された。


 飲み物が床に投げつけられてた跡がある。そうとうイライラしたのかなぁ・・・・


 「・・・・私に・・・・何か用・・・・ですか?」

 口の中が渇いて、喉につっかえながら辛うじて言葉を紡ぐ感じ・・・・緊張してるのが解る。

 それでも視線を僕に向けて対峙してるから、まぁリーダーの沽券?なのかな。


 「なんども同じことを言ってるけど、あなたと話をしたくて来ました。それ以上の他意はないんですよ」


 「・・・・話とは?」


 「このコミュニティーの今後です、あなたはどうしたいのですか?」


 「・・・・可能な限り存続させるつもりだ」


 「先細りでも?」


 「私も手を尽くしたつもりだ!」語気が強くなる。

 ゴッドブレインが、彼のこれまでの行動を予測する。


 最初は善意で周辺の人々を助け、保護しようとする。

 放棄されたこの基地をベースにし、収容施設を確保、生活物資など八方手を尽くし掻き集め、助けられる命を極力助けようとした。

 人の数が増え、食料が乏しくなるほどの人々は自分勝手なことを言い始め、思い通りに行かないことを彼のせいにし始めた。

 彼の上官も、一部の部下を連れ政治家の保身の為同行を余儀なくされたようだ。残された部下に現場の維持を一任・・・・


 はぁ・・・・ババを引いたのね。


 彼の部下が少ない燃料と食料をもち周辺へ捜索を行うが、いくつかの部隊が戻ってこなかった。


 逃げたのかどうかは解らない。追加の捜索隊を派遣する人員もない。


 僕に襲い掛かった兵士は、彼の直属の部下、信頼の置ける一握りの者達。


 ・・・・うぅなんかちょっと同情してしまう。


 住民の離反、見切りをつけた人々が基地から出てゆくとひと騒動あり5000人近く居た住民も数年で2000人を切るまで減ってしまった。

 自警団的な住民と、彼を慕う部下、当てのない新天地に向かう体力がない住民が残された。


 そこに、この場所の情報を聞きつけた盗賊集団が攻めてきて、辛くも死守。

 訪れる人が減って来て久しく、周辺監視を自警団に任せていたら、僕が来た。


 ここまで、解ってしまうとねぇ・・・・

 死んじゃった兵士は生き返らないけど、ケガさせた部下は何とかしてあげようかな。


 「えっと、まずは僕から誠意をみせましょう」

 「あなたのケガした部下を連れてきて」


 「・・・・何を・・・・」


 「早くしないと、まずいから急いだ方がいいよ」


 ・・・・程なくして、数名の兵士がこの部屋に連れてこられる。


 地雷で自爆した兵士も辛うじて生きてるみたい。

 戦車はダメだっただろうな・・・


 僕が手を翳す。


 ・・・・ケガする前をイメージし、戻れと強く念じる。


 光の粉が、床から立ち上り始める。

 その量が次第に増え、床全体が光の絨毯のように毛羽立って見えるほどに。


 欠損した四肢に光の粉が集まり、次第に形を成し、無くなった器官がもとの失われる前の状態で光の中から現れる。

 脳に損傷のある兵士には、目鼻口と体内へ光の粉が吸い込まれ体を痙攣させる。

 吸い込まれる光の量が減り、兵士が咳き込むと、わずかな光の粒が吐き出された。


 「ゴホゴホ、お・・・俺は?!ここは?・・・・コマンダー?!」


 もともと自我がしっかりしてるから?意識が戻るのが早いのかな?


 「・・・・体が軽い・・・・」ケガしてる人、修理完了!一回やったから二回目でコツは掴だ感じかな。


 「さて、これで少しは蟠りなくお話しできるかな?」


 「・・・・奇跡だ、あなたは御使いですか?!」


 「ははは・・・そうなるよねぇ」乾いた笑いで返答する。

 けど、肝心の聞きたい事、まだ聞けてないんだけど。


 「あなたが持ってない答えを聞こうとは思ってないですよ、なのでできるだけ真摯に答えてください」


 「な・・・・何なりと」


 見守る人々の中には、ひざまずき祈りを捧げる者、涙を流し呆然としている者。


 ゆっくり、話できる環境じゃないな・・・・僕が原因だろうけど。

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