六十五話
投下します!
シンプソンさんのところに牛ツクネを持っていくと、男性人が揃っていて目を丸くしてこちらを見てる。
だって、牛のような何かが棒状になっててしかも約400Kg分。
解体するの面倒なので、シンプソンさん達にお願いすると、二つ返事で受けてくれた。
牛なんかは貴重な労働力で、肉はなかなか食べられないらしくてすごく喜んでた。
岩塩と胡椒を見せるとそれこそ大喜びです。
でも、肉だけだとなぁ、穀物かパン、せめて芋か、タマネギみたいなものを付けると楽しめそうなんだけど、ちょっと探してこよう。
シュバ!・・・・元家庭菜園のタマネギ畑? ところどころに放置されて自生してるタマネギ?あぁリッキーかな? があるのでGet、ジャガイモも目に付く。
大きな屋敷の裏庭で、そこそこ風の抜ける窪地にある畑、今は手入れする人もいない荒れた状態だけど、在来種と競うように自生してる逞しさはいいかんじ。けれど、みんな少し小振りかな。
シュバ!っと帰宅・・?合流する。
「これもよろしく」と言いながら戦利品を渡す。
もうみんなの目がキラキラしてる。久々のご馳走なんだって言ってた。
ベスとカミーユが合流して、木の枝を削って串を作ってる。
あぁ、皿も網もないのか・・・・もしかして鍋も?・・・・ちっさい鍋はあるのか。
なにやら牛の油でポテトフライを作るみたい。
いいねぇ。
ときどき、カミーユ・ベスと視線が交わる。チラチラ僕を気にしてるみたい。
やっぱり、さっき全裸を見ちゃったからかな・・・・
一緒に付いてきたお供の少年ジェームスが泉から水を汲んできた。
お湯を沸かして、腸詰を作るんだって、みんなすごいな・・・・
あらかた解体がすんで食事にしようと思う頃には、日が傾きかけてた。
僕は料理が出来るのを待つだけwもう何回もシュバっととってきたからいいでしょ?
私のところにカミーユが、串焼きの肉とポテトを持ってきてくれた。
僕は条件反射的に手を合わせて・・・・あっ僕って日本人だったのかな・・・・
それを見ていたみんなもチラ見しながら真似をする。
・・・・なんか言うのを待ってる感じ、いや、視線を感じる。
「生きとし生けるもの、そして美味し糧に手間を惜しまなかった、みなに囲まれて食事が出来ることに感謝して、いただきます」
「「「「「アーメ・・・・いただきます」」」」」勢いでつい・・wま、気にしないけど。
「あぁ、みなさんは みなさんの神様の作法で好きに頂いてください」
「ジョン様、さすがにあなたの前でそれは気が引けます」
ベスが上目使いで顔色をうかがう。
ジェームスが即食べようと串を握りかぶりつこうとする後頭部を、カミーユがパン!と叩く。
・・・・僕が一口食べるのを待っているのね・・・・なんか息苦しいよ・・・・
最初に一口、口を付けると、ようやくみんなも食べ始めた。
肉汁の滴る串焼き肉には、塩コショウとリッキー うまうまです。
みんな僕の泉の事とか、これからの旅が楽しみとかいろんな話をしているが、ベスが小声で話しかけてきた。
「このたびは、こんな贅沢をさせていただいて、ありがとうございます」
「食事の後、ジョン様のもとにお邪魔してもよいですか?」
・・・・ドキドキ、なんでしょうこの展開、ウハウハ?期待しちゃっていいのかな?




