四十二話
まったり投下!
視点を宇宙生物にフォーカスしてみる。
とある恒星系に機能停止した惑星規模の宇宙生物が5体、各々の重量から生じる重力により内2体が既に衝突し、原形を留めない程崩れてしまっている。
残りの個体も次第に統合するように接近していずれ一つの浮遊惑星が出来ようとしていた。
母船に戻った調査隊の報告で耐圧耐熱ドローンの調査進行中とのことだが、今だ具体的な報告は解っていない。
今回遭遇した宇宙生命体の時空震後の大質量出現、その航行理論を独自に解析を行っているが、開発室の暴走で、色物ヒーローアニメ作成などという娯楽に飢えていた隊員達のストレス解消に移行してしまった。
頭を抱えていた艦長に先ほど、別動隊の技術部門から独自の解析結果が報告書として提出され、目の前に表示されている。
ワープ理論:既に廃れた宇宙航行理論の発展形 ダークマターチューブ航行
宇宙空間に存在するダークマターに固有振動を与え周囲押し除け、本当の意味で何もない空間をチューブ状に成型。その中に流れ込むダークマターに乗り移動する。移動する際は空間をゆがめる特異点を出現させ、チューブ自体を短くし安全な空間を極短い時間で移動するというものだ。
「ほとんど魔法だな、存在するのであれば是非この技術は取得したいな」
一人ぼやく艦長が見ているのは、報告書の後ろのモニターに映る、ヤオインジャーだった。
――――みんな、ぐだぐだ。




