二十八話
次弾装填!投下します!!
巨大宇宙生物から複数の個体が体表から剥離し、各個がそれぞれ個別にこちらへ向かてくる。
「飛翔体当艦接触まで20秒」オペレーターの叫び声に近い報告が館内に響く。
「慣性相殺フィールド、艦隊前方3キロに密に展開・攻撃性を示した段階で駆逐を許可する」
前方空間に幅のあるオーロラの様な被膜が展開される。
膜に接触した飛翔体は推進力を失い、もぞもぞと動きながら海中のクラゲのように漂い始める。
「飛翔体からの攻撃きます!」
キッカー!・ピィー!ピィピュィ!
飛翔体は半球状で縁に目のような複数の器官があり、手燭とも髭ともつかないものが下部一面にある。
手燭部分がこちらに向いているものから光線状の帯が複数、船に向け照射されており、鏡面装甲になっている船の表面で乱反射し光の粒となって霧散する。
「光線の解析結果でました。捕縛光線の様です」
飛翔体は捕縛光線の効果が無いと解ると、周辺の個体と連結し始める。
「高エネルギ反応!次弾きます!」
飛翔体は10機ほど固まると手燭をより合わせ、楔のように装甲に突き刺そうと試みる。
装甲表面で衝撃派が起きるが、船内では慣性制御が効いていて全く影響がないが、エネルギーの消費が懸念された。
「無抵抗なこちらに対しての捕縛行為を敵対行動と判断する。各個反撃を許可する」
繭型艦隊より黒い粒が高速で複数照射される。
プププププ・・・・
マイクロブラックホール弾頭、飛翔体に接触すると急膨張し周辺の個体を巻き込み蒸散させてゆく。
「飛翔体80%を駆逐、随時各個撃破を遂行、掃討完了まで約2分」
「次弾:重質量貫通弾・反物質弾頭装填、1分後一斉反撃に移る。カウント開始せよ!」
船内に緊張が走る。
巨大生物VS宇宙艦隊の開戦まであと一分を切った。
――――SFではなくハイファンタジーです。え?知ってる。知ってますよね
反物質ってどうやってこの世界にとどめるのかは謎です。




