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神代行の僕が見守る人類はダンゴ虫  作者: ねむねむぴよ
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二十二話 気持ち長め?

結構見に来てくださるので申し訳なく少し長めをアップします。

月末月初パニックです;;300文字ぐらいだったらピッってアップできるけど、短いのほど迷走が止まらないです。どうなると終わるのでしょうねこのお話。

 コマンダーは他銀河生命体と会合を持つべく指定されたエリアへ向かう。

 三日で出来た森は深く、地面にはわずかな木漏れ日がスポットライトのような光源を暗い森の中に与えていた。砂漠仕様の装備しか備えていなかった連合軍は、急遽装備を換装しフロート型キャリーに一部の指令部メンバーと護衛と共に森の中を進んでいく。


 「軍曹!指定のpointはまだか?」

 「サーまもなく到着します」

 「コマンダー、相手を刺激しないようにこれより徒歩で行軍がよいのでは?」手が2対有るトカゲのような容貌の参謀が、司令官に上申した。

 「!!!!」地面から乗り付けたカーゴより巨大な生物が鎌首を擡げ一行を一瞥し、特段の興味も示さず地面に潜り込む。背中と尾が甲皮に覆われ亀のような様相をしているその生物は、鈍い地鳴りを連れ一行より遠ざかって行った。

 「レイザーガン・ブラスターなど発砲の指示があるまで決して撃つな!無用な戦闘は避けたい」

 一行は互いにアイコンタクトを進軍を再開、程なくして会談場所へ到着した。


 会談場所には3匹の蜘蛛系生物と6匹に甲殻類生物いた。体を丸め木漏れ日に照らされ何かに祈るような厳かな雰囲気が漂い、周辺には若葉と腐葉土の香りが濃く立ち込め大森林の深部であることを物語っていた。


 ――――たぶん、一仕事終えて葉っぱ齧りながら休憩してるだけだと思うけど、そんな風に見えるのね。 


 一人の蜘蛛系生物がこちらを振り向く。正面に双眼鏡レンズのような金属光沢の目が一対、その左右に三対の目は観測装置のように並び、柔らかそうなきれいな白い毛並みで覆われていた。

 胸まで覆う白い体毛は腹部より毛のない硬質な外骨格になり背は全面帯状の可動式装甲板のような堅い外骨格で覆われているが、振り向く際は支障なく軽妙な動きをトレースしていた。そして蜘蛛の様な頭部には王冠のような金属製のアミュレットが深い毛の中から顔をのぞかせている。

 威圧感をさほど感じないが体躯が人並みので、昆虫の様相を強く示す姿に一行は警戒色を強く示していた。


 『よく来られました。さぁ遠慮なく』 

 外来生命体が半歩歩み寄ろうとした刹那、下士官が一瞬体を強張らせ誤って引き金を引いてしまう。


 シューパーァァァー!!!!

 至近距離で放出された高圧高出力のブラスターが蜘蛛人の体表に直撃する。


 しかし、熱線はその体表でエネルギー溜め球状に変化していく。

 後方の甲殻類系生命体が、蜘蛛人に何やら話しかけているが言語が理解できない。


 ――――ワラゴ人さんが、「そのエネルギー勿体無いからお茶沸かすのに利用していい?」って聞いています。クアダキ人さんは「別にいいけど熱すぎない?」って返答して、「それなら使いやすいように粒子状に整形してエネルギー電池みたいしらたいいかな?」って話してます。


 エネルギーの球体は次第に小さい球体へ整形され落ち葉の上に、ポトリと音を立てて落ちた。


 『失礼しまた、不用意に動いたので驚かせてしまいました』

 『せっかくエネルギーを提供頂いたので、これでお茶でも沸かしましょうか』


 コマンダーはブラスターを打った下士官を振り向き様に殴り飛ばし、蜘蛛側の反撃に備え身を屈め備えたが、目の前の状況に愕然とする。彼らは、殺戮兵器として放出されたエネルギーをロスを出さずに集積・無害化して見せたのだ。しかも、そのエネルギーの結晶でお茶を沸かすという。


 甲殻類系の生命体が何もない空間に光玉体を生み出し一行に背を向け、蜘蛛側に問いかけている。


 ――――「あそこの木を切り倒したらちょうどいいテーブルになるかな?」

「そうだね」

「椅子いる?」

「手間でなかったら、あちらさん人数分いける?」

「ちゃっちゃっと作りますから、ちょっと間ってね」っと言っております。


 光玉は次第に小さくなり、ペン程度の長さの円筒形をかたちどる。


 次の瞬間、ピシュー・ド・ドド・ドドドドドドドド!!!!

 大気が焼け木の焦げる臭い、木の葉が雨のように降り注き、周辺の木の枝を薙ぎながら巨木が倒れるが、大木の切り株は鏡面のように切り払われ、傍には来客人数分の椅子が落ちていた。


 ――――「お茶、なんだったら喜んでもらえますかね」「ドローンで調べたテータを解析してみますか」「ではお任せしますね、その間に器も作っちゃいますね」などと話しております。


 そのまま、光体はさらに変形し針のようになり、倒れた大木からキューブ状の木片を切り出した。さらに奇怪な事に、木材を粘土細工のように伸ばし・千切り・曲げ・捻り、ティーカップやソーサー・スプーンなどの食器を精巧に作り出してゆく。


――――「機械の人もいますね、オイルを準備しましょう」


 蜘蛛型生命体は、毛の中から液体金属のようなものを取り出し机の上に垂らし骨のような指から外したリングを、その液体に投じた。

 液体はリングに集まり、次第に中空の円筒形を形作り始め1ℓほど入る水筒の様な形状へと変わり、正面にリングが浮き出し変形を止める。

 蜘蛛型生命体がその上部に軽く触れるとミルの様な開口部が現れ、徐に地面の落ち葉を詰め込み始める。葉を磨り潰す動作音が微かに聞こえる。指で摘んだエネルギー球体をリングに近づけると、光球体の中から何かが移動し光球は一段暗くなり、円筒の機械より時計のような規則正しい機械音が聞こえ始めた。程なく、水筒の下部からせり上がる様に注ぎ口が現れ、木製のカップに透明度の高い琥珀色の滑らかな液体が注がれる。


 機械人のコマンダーには解った。それは化学合成され分子レベルが見事に均一に揃った超高級オイルだった。コマンダーでさえここまでのオイルはなかなか支給されない。いや生産量自体が少ないため、回ってこないのだ。連合軍の技術力では大掛かりな化学プラントで漸く生成しうるオイルを、水筒程の大きさ・同等体積の落ち葉とブラスタ一発分のエネルギーで成しえる科学力に、敗北を悟った。


 この地は慎重で聡明な指揮官の判断で平和的に会合が進んだが、他の地域では戦闘の火蓋を切ったコマンダーも少なからず居り、想像通り一切の死傷者はなく武装解除及び放棄を迫られることになった。


 惑星アタミの陥落は、生命体飛来より僅か5日後のことだった。



 ――――やっぱりすごいよクアダキ人さん、殆ど無双だ。目的がうんち大好き教の布教でなければかっこいいのに。残念すぎる。

 


 

いろんな意味で迷走中・作風が変わりすぎ;;殆どスター・ウ〇ーズです。もっとまったり進化話のつもりだったのに。

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