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トンネルから。  作者: 林檎
2/2

朝。



トンネルの向こう側が見える。



いつもの景色。


朝の教室、あと少しでチャイムが鳴る。


ギリギリで入ってきたのは

私の友達ということになっている

ショートカットとロングの女。


いうと友達(仮)。


私の後ろの席にもポニーテールの友達(仮)

がいる。



その2人を見つめて笑いかけたら


「おはよー! 」


とショートカットの方が息を荒げて

叫ぶように言う。


そんな叫ばなくても聞こえるっての。


トンネルの中に響いて響いて耳が痛くなる。



ショートカット女の名前は


香奈。


帰宅部であり、テニス部だ。


中学からテニスをしており

異様にテニスが上手いが

もう、練習をしたくないという理由で退部。

入っていた期間は約一ヶ月半。

しかし、何故か大会に呼ばれ球を打っては

1位を取って帰ってくる。



考え方が男のようにガサツで

一緒に教室に入ってきたロング女とは

合わないようだ。


毎日のようにそのロング女の悪口を

陰で私に言ってくるが、

表面上は仲良くやっている。


その不気味さといったらない。


私はトンネルの向こう側を見るのが嫌に

なって背を向けた。


そしたら目の前に広がるのは

ただただ暗闇で恐ろしくなる。


後ろから先生の話し声が聞こえてくる。


「このクラスで過ごすのもあと一ヶ月を

切りました。悔いの残らぬよう…」


悔いも何も。まだ高1だ。


あと2年もある。

残念ながら、

みんなと別れることもまだ出来ない。



こんな真っ暗のトンネルの中で

よくここまで過ごして来れたな。



そんな事を考えていたらチャイムが鳴って、ショートホームが終わった。







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