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第4話 エンカウントスシバトラー①

 スシバトル……ネットで調べてみてもスシを回転させて戦わせたり、スシを武器にして戦ったり、スシでレースしたりと俺が見たスシバトルとは全く違うものしか出てこなかった。最新のAIにも一応聞いてみたが……


「わかりません! 寿司は食べ物です! 食べ物で遊んではいけませんね!」


という感じで当然の反応を返されたので調べるのを止めた。

 それよりも、昨日の成金寿司で大立ち回りを見せた女の子……かっこよかったなぁ。どちらかと言うと美少女というか可愛いとかそっち方面だったと思うけど、寿司を握る姿が今でも目に焼き付いている。名前ぐらい聞いておけば良かった。


「皆うすうす気付いていると思いますけど……このクラスに新しいメンバーが加わります!」


 スシバトルのことを考えてて担任のつかさ先生の話聞いてなかった……転校生? 二年の春だし、ありえる話ではあるか。

 

鳥路とりじさん! 入ってください!」


 教室の扉が開かれる。


 入ってきたのは女の子……そして、その子は俺が昨日成金寿司で見た、あの女の子だった。


「……」


 一瞬目が合った!? しかし、俺を覚えていたというよりも、昨日のことは黙っとけよという感じの冷やかな目線に感じた。スシバトルの子だ! なんて大声を出すほど俺は子供じゃない。


「鳥路さん自己紹介をお願いね!」


「……北海道の月丘高校から転校してきました、鳥路とりじ英莉えりです。よろしくお願いいたします」


 最低限の挨拶を済ませお辞儀する鳥路さん。

 暖かい拍手で転校生を迎え入れる俺達のクラス。

 見た目通りのクール系……いや、昨日はめちゃくちゃ寿司のことで熱くなってたよな。どっちが本当の鳥路さんだ?


「えーっと、鳥路さんはご両親のお仕事の関係で先週から神奈川にお引っ越しされてきたそうです。まだ日も浅く神奈川にも不慣れだと思いますので、みなさん仲良くしてあげてくださいね! あ、逆に北海道のことを聞いちゃうチャンスかもですよ!」

 

 最低限過ぎて司先生からフォローが入る。北海道か……雪と食べ物が美味しいぐらいの印象しかないな。北海道の人は寿司を握るのが当たり前だったり?


「席は窓際の一番後ろの席! 山本くんの隣ですね!」


 別に俺の名前を出さんくても……良いけどさ。

 鳥路さんがこちらに歩いてくる。昨日も感じていたが、所作が綺麗でお嬢様のように感じる。その割にはカウンターを軽やかに飛び越えていたのだが……クラスの皆はその鳥路さんの姿を知らないので北海道から来た普通の美少女として受け入れている様に感じる。

 鳥路さんは特に俺を気にする様子も無く自分の席に座った。

 司先生はそれを見て通常のホームルームを再開する。

 

 隣の席だし、ホームルームが終わったら一声だけ掛けておくか。あとのことはクラスの女子達に任せておくべきだ。男の俺が仲良くなるのはその後からの方が良いだろう。

 ……鳥路さんがサッとメモを俺の机に置いた。速すぎて何事かと思った。

 別にこっそり小声で話しかけるぐらい司先生は見逃してくれると思うが……初めての環境だし、男の俺に話し掛けるのに抵抗があるのかもしれないし仕方がないか。

 どれどれ……



 昨日の事を喋ったら握る。




 うん、脅迫だこれ。 というか握るって何?



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◇◇◇

こちらの作品はカクヨムからの転載版です。

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