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第19話 フーイズスシオケマスク?②

前回のあらすじ:

寿司同好会設立には顧問が必要。


◆◆◆


 放課後、司先生に寿司同好会の顧問のお願いをしに職員室に行った俺達だったが……


「寿司同好会ねぇ……うーん、ちょっと先生には無理かなぁ。寿司に詳しい先生を当たってみた方が良いんじゃない?」


 やんわりと断られた。俺もお願いされる側だったら断る自信があるので司先生を責めることはできない。しかし、寿司に詳しい先生っているのか?


「うーん……」


「ふむ……」


 職員室を出てから賀集さんと鳥路さんがずっと何か考えているような仕草を見せている。

 

「二人ともどうかした?」


「断られちゃったけど、他の先生と違って寿司と聞いて慌てたり逃げたりしなかったんだよね。司先生」


 賀集さんが先に理由を話してくれた。俺は実際に逃げ出す先生達を見ていないので何とも言えないところだけど、確かに司先生は落ち着いてはいたかなぁと。


「わずかに寿司酢の匂いがした」


 鳥路さんも少し間を置いて答えてくれたが……俺はそんな匂いを全く感じなかった。賀集さんも首を横に振る。鳥路さんは俺達の様子を見て「気のせいか」と言った感じでいつも通りの表情に戻る。

 寿司酢か……鳥路さんが根木さん達に因縁付けられた時もそんな感じのこと言われてたよな。司先生もスシバトラー……いや、実は寿司を握れたり? でも寿司には詳しくないって言ってたしなぁ。


「よぉ、鳥路達。何してんだ?」


 俺達に声を掛けてきたのは根木さんだった。


「寿司同好会の顧問を探している」


「スシバトル部があるのにか?」

 

 やっぱ実在するんだな……スシバトル部。


「そういえば根木さんってスシバトル部所属なの?」


「そんな訳ねぇだろ。親父の手伝いで精一杯だよ」


 話す度に根木さんの不良イメージが薄れていく。


「それに……」


「ヘーイ! トオコ! 今日から栄寿司のバイトよろしくデース!」


 根木さんの言葉を遮るようにサブリナさんが俺達の会話に混ざってきた。

 昨日の今日で色々関係図が更新されたようだ……


「一応こいつにスシバトルで負けたからな。うちで寿司食いたいって言うから連れて行ったんだけど、そしたらこいつがいきなりここでバイトしたいって言うから……親父も二つ返事で了承するし」


「栄寿司美味しかったデース! ここで基礎を固めるべきと判断しました!」


 昨日までリボルバーで妨害していた人とは思えない台詞である。まぁ、良い方向に向かってるなら何も言うまい。鳥路さんも何か頷いてるし。


「栄寿司は美味しかった」


 そっちの同意でしたか……鳥路さんが素直に褒めるってことは良いお店なんだな栄寿司。成金寿司みたいな高級志向のお店ではないと聞いたけど、寿司屋って基本的に高いんだよなぁ。鳥路さんって結構裕福なご家庭の人?


「そういう訳で私とサブリナは放課後忙しいんだよ、部活動は無理だな」


「寿司同好会から寿司部になるチャンスだったのになぁ……」


 賀集さんが残念そうに呟く。しれっと二人も引き込もうとしていたのか……


「あぁ、そうだ鳥路。親父が新作の寿司を作ったから試食しねぇかって言ってたぞ」


「行く。今日行く」


 即答する鳥路さん。自分であれだけの寿司が握れるのに食べる事の方が好きそうなんだよなこの人……


「お前らもどうだ?」


「え? 俺達も良いの?」


「試食なんて頭数いた方が良いだろ。それに山本は意外と良い舌してるみたいだし、七津なつは言わずもがなだしな」


 褒められて嬉しいけど別にそこまで良い舌だと思ったことはない……それより七津って賀集さんのことだよな? 賀集さんの味覚が優れているというのは初耳だ。確かに寿司の造詣に詳しかったけど……


「あれ!? 鳥路さんがもういない!」


 賀集さんが驚く。そして、本当に鳥路さんが消えていて俺も驚く。


「玄関に向かって猛ダッシュしてましたネ……」


「あいつ足速すぎだろ……」


 ……栄寿司を相当気に入ってるみたいだな鳥路さん。 

 鳥路さんをそこまでさせる栄寿司か……これは期待して良いんだよね?

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◇◇◇

こちらの作品はカクヨムからの転載版です。

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