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恐怖のおじさん

作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ子

 ゲリダ豪雨に見舞われてしまった。


 出先の個室で、止まない雨に苦しめられていると、ふいにお腹を走る稲妻が、途切れる。


 終わった……?


 終わったの、ゲリダ豪雨……?


 額の汗を手で拭い、めくりあげたスカートを握りしめる拳の力を、私が思わず緩めた時だった、背後から男性の低い声がしたのは──


「俺が終わらせてやった。感謝しろ」


「うわあああっ!?」


 振り向くと、黒いスーツ姿のイケオジがそこに立っていた。私が今度は止まらない悲鳴に取り憑かれ、便器の中へ危うくお尻を落としそうになっていると──


「俺のことを知らないのか?」

 イケオジはあくまでも冷静な態度で、かけていたサングラスを外す。

「俺の名前を言ってみろ」


「キャアァァァ! キャアアァァァア!」


「……そんな名前ではない」


 冬の便座のぬくもりが、サッと冷えていく。

 

 私は本能的に叫んでいた。


「へ……、変態!」


「……そうだ」

 イケオジはサングラスをかけ直すと、自信たっぷりに名乗った。

「俺が『変なおじさん』だ」


 そして踊りはじめた。

 トイレの個室狭しと、しかし器用に壁などには当たらないように、『変なおじさん、変なおじさん』と繰り返しながら、キレッキレのダンスを披露する。

 私は身も心も凍りつきながら、でもなんだか頬がゆるみはじめ、やがては笑顔になっていった。


 魂をなくした操り人形のように──




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― 新着の感想 ―
我が家の近くにある運動公園の遊歩道にも変態オジサンが出没します。 ウォーキング中、妻が出遭いました。 モロ出し状態だったそうです。
冬は?
ホラーとは??(まぁ便所の個室に急に人が現れたらホラーかw)
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