表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

青い春

マドカ側はこんな感じでした。


中々ここ最近は激動だった。


実生活では卒業目前で、お調子者の俺は卒業式が終わった後の謝恩会の出し物を頼まれていた。


うーん、何にしようかなあ。

無難にビンゴとかのゲームで纏めようかなあとか考えていた。


そんな折に佐藤と話す機会が有って俺の近況を話していた。


「へー!面白そう!あのLUSHの教授と組むんだ!前のknow Aより全然良くなりそう!」


「そう?佐藤に言って貰えると嬉しいな。」


「うん。是非僕の曲もやってね!」


「此方からお願いしたい位。有難う」


「まあ、手始めに作ってた曲のデータ渡すよ。教授にも聞いてもらって?」


「オッケー!楽しみ。」



聞かせて貰うと本当に俺に合わせて作ってくれたのがよく分かった。

俺の声が1番活きる曲調だった。

大まかな歌詞も付けてあってボカロで歌っていた。

多分教授ならまた面白いアレンジとかしそうだなあと思った。





そしていよいよ卒業式当日となった。


何となくぼやかしていた神崎さんとの事とか、この日に決めようと思っていた。

神崎さんも受験やら何やらで忙しくしてたり、授業もほぼ無かったので殆ど会ってはいなかった。



そんな風に考えながら歩いていると、声が聞こえて来た。



「マドカ!ちょっと良い?」


あれは…ウチのクラスの河口さんだ。

相手は…神崎さんと仲のいいギャルの江藤さんだ。前に神崎さんと河口さんに教科書借りたりしてた。


河口さんがあんな大声出してる所初めて見た。

何やら只事では無さそうだったので思わず隠れた。


「私、マドカの事、小学生の時から好きだった!高校もマドカを追いかけてここ選んだ!」


えー!

何か聞いたらまずかったかも…

でも今更出て行けない…


「有難う、嬉しい。」


「だから…付き合ってくれたら嬉しい!」


「千春とはこの先も友達で居たいけどダメ?」


「分かった…有難う!ゴメンねこんな事言って!」


そう言って河口さんは走って行った。


どうしようかと悩んでいたら江藤さんが俺に気づいてしまった。


「ゴメン…コソコソ聞く気は無かったんだけど…」


「ううん。山崎はそんな奴じゃないの分かってるから。アオバが好きな奴だからね。」


「…」


「千春はね…小学からの心友なんだあ」


「そっか…」


「ウチにそんな風に思ってるなんて全然分からなかったなあ。ダメな心友だなあ。ウチは」


「…」


「でもね、あの臆病な千春がさ、こんな告白するの凄い勇気いったと思うんだあ。しかも女のウチにだよ?」


「…」


「こんな普段軽いウチでも告白って怖いもん。ウチが千春の立場ならおんなじ事出来ないかもなあ。」


「そっか…そうだよな…」


「うん。だって告ったら関係終わるかもじゃん?やっぱ怖いよ。」


やっぱ神崎さんは凄いんだなあって思った。

ちゃんと思ってる事逃げずに伝えて来た。

俺は何だかんだと逃げてるなあ…



「多分もう千春とは二度と会えないんだろうなって思う。それでもウチは千春は心友だって思ってく。」


「そっか…」




俺は…



神崎さんと二度と会えないのは嫌だと思った。


河口さんの勇気にも触発されていた。




そう思ったから佐藤に会いに行った


「なあ、佐藤、こないだくれた曲、今日使って良い?」


「ん?良いけどいつ使うの?」


「謝恩会の出し物で、俺が歌って良い?」


「えっ!?みんなの前で歌うの!?」


「うん。俺、メジャーデビュー目指してるし、この際高校最後に隠してるのやめる!」


「へぇー!そうか!まあ僕は顔出しはこの先もしないから便乗は出来ないけど、手伝える事は手伝うよ!」


「有難う!だったら…」



手順を打ち合わせた。



「それでは、予定を変更して山崎君が歌を披露しまーす!」


司会を佐藤がやってくれた。

ノートパソコンに入れてる曲をスピーカーに繋いで流してくれた。


最初はみんなまた俺がアホな事やるって思ってガヤガヤしてたけど、歌い出すと静まり返っていた。


「あの声って…エル?」

「確かに似てるけど…モノマネ?」

「山崎ってあんな歌上手かったの?」


って違うざわめきが起こったいた。


歌い終わって俺は挨拶した。


「急な出し物の変更ゴメンなさい。俺は卒業した後は音楽活動して行きます。良かったら応援して貰えると嬉しいです。まず最初にお世話になった学校のみんなに聞いてほしくて今回歌わせて貰いました。」


そう言うと会場の体育館はうわーって歓声が上がった。


「頑張ってー!」

「応援するー!」

「サイン書いといてー!」

「今度奢れよー!」


野次も含めてみんな叫んでいた。





「有難うございます。あと最後に、神崎青葉さん、俺と付き合って下さい!」








ギャーってもう会場は阿鼻叫喚だった。



我ながら絵に描いたような青春だなあって思っていた。

河口さんは色んな人に影響与えたみたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ