第73奏:それぞれの才能
練習を開始しようと、メンバーはそれぞれの楽器を手に取った。
最高の環境で、四人での練習が始まろうとする。
そして楽器から出る音自体は、いつもと変わらない。
しかし、スタジオの音響は素晴らしく、それぞれの音がクリアに聞こえてきた。
演奏に集中できる環境に、三人は驚きを隠せずにいる。
そうして新曲の練習を始めると、雅は一人ひとりの演奏を注意深く聴き、的確なアドバイスを送り始めた。
「琴音さん、貴女の奏でるメロディーはとても繊細で美しいですわ。ですが、心のままに弾くことを恐れないで。もっと感情をぶつけるように、音を紡ぎ出すのですわ」
琴音は雅の言葉に、ハッと顔を上げた。
「イヴさん、貴女のギターと歌声はとても力強く、このバンドに欠かせない存在ですわ。ですが、もう少しだけ、音の粒を揃えるとより一層、説得力が増しますわ」
イヴも雅の言葉に真剣な表情で頷き、ギターを弾き直す。
「そして綾乃さん。貴女のベースはこのバンドの根幹を支える、大切な存在ですわ。もっと、音で感情を表現するのですわ。貴女の心の声が、ベースの音に乗るように」
雅のアドバイスはどれも的確で、三人はすぐにそれぞれの演奏に変化が生まれるのを感じていた。
そして最高の環境で雅のアドバイスを受けながら、三人はさらなる成長を遂げようとする。
それは、文化祭ライブの成功という共通の目標が四人の結束をより一層固くさせていくのであった。
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