第67奏:運命の再会
セッションを終え、雅は綾乃をリムジンで学校まで送ってくれた。
自宅まで送ってくれる話もあったが、蕎麦屋である自宅の前にリムジンなんてあったら近隣の人から噂にされるのは避けられない。
だからこそ、綾乃は学校の校門を指定したのだ。
そして学校の校門にて、雅と別れた綾乃は心の中で彼女がバンドに入ってくれた喜びをかみしめていた。
次の日。
今日は休日でバンド練習の約束をしていたため、イヴと琴音は綾乃よりも先に音楽スタジオ『サウンド・スパーク』へ到着していた。
「ねぇ、イヴちゃん……綾乃さんから連絡は……あった?」
手続きを済ませ、スタジオの中へ入った琴音は落ち着かない様子でイヴに尋ねると、イヴは首を横に振ってスマホを眺める。
昨夜、リムジンに乗る綾乃を目撃した同級生から連絡があり、心配した二人は綾乃に連絡をしたが返事がなかった。
「どうしよう……やっぱり、断られちゃったのかな……」
イヴはそう言って、しょんぼりと肩を落とす。
しかし、その時、スタジオのドアが開いた。
ドアが開いた先に立っていたのは綾乃と、彼女の隣に凛とした佇まいの雅の姿だ。
「……イヴ、琴音、紹介するよ。私たちの新しいドラマー、九条雅さん」
綾乃の言葉に、二人は言葉を失ってしまう。
そして雅は静かに頭を下げた。
「九条雅と申します。これから、よろしくお願いいたしますわ」
イヴと琴音は、ゆっくりと顔を見合わせた後、雅に向き直る。
「うそ……本当に、入ってくれたんだ……」
「すごい……」
次第に二人の顔から驚きと喜びが入り混じった表情が浮かび上がるのであった。
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