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Sounding Dreams - 再び巡り逢う音 -  作者: 蒼月 美海
カケラ

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66/90

第65奏:三本の弦の旋律

ーーバツンッ!ーー


 という、大きな音で綾乃のベースの4弦は切れてしまった。

 しかし、雅はドラムを叩き続けている。

 止まる気配はない。

 綾乃は一瞬戸惑ったが、すぐに冷静になった。

 そして残りの1弦から3弦までのペグを急いで引き締め、チューニングし直しす。

 使える弦は三本だけ。

 限られた音の中で、どうすれば雅のドラムに応えられるか。

 指がこれまでにはなかった独自のベースラインを紡ぎ始める。

 それはこれまで綾乃が弾いてきたどんな曲よりも独創的で、彼女の感情がそのまま音になったようだ。

 すると、雅は最初の時はその異変に気づかなかった。

 しかし、やがて綾乃のベースから聞こえる音が、先ほどとは違うことに気づく。

 

(……音が、少ない?)


 だが、その分、一つ一つの音が深く、力強い。

 雅は綾乃の方に目を向けると、そこには三本の弦だけでベースを奏でている彼女がいたのだ。

 それはアクシデントなのだと理解したが、綾乃はこの状況を乗り越え、自分に音楽で応えようとしている。

 そして雅はニヤリと笑った。

 綾乃の音楽に応えるように、さらに熱の入ったドラムを叩く。

 そうして二人のセッションは、互いの魂をぶつけ合うようにして、最高潮に達した。

 それはスタジオの空気が震えるほどに。

 やがて、二人の演奏は同時に止まった。

 雅は汗だくになりながらも、満面の笑みで綾乃を見つめる。


「……素晴らしいですわ、綾乃さん。わたくし、貴女が切れた弦で、あそこまでの演奏をすると想像だにしませんでした」


 そして雅は立ち上がると、綾乃の前に立ち、手を差し出す。


「わたくしを貴女方のバンドに、正式に加入させていただきますわ」


 雅の言葉に、綾乃の目から嬉し涙が浮かぶのであった。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

よければブックマークとご感想、お待ちしております。


毎日午後5時30分に更新しております。

次回の更新は、第66奏:雅の告白、10月21日火曜日午後5時30分です。


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