第61奏:未曲
大変申し訳ございません、予約設定の日付を間違えてしまいました。
ライブから一夜明け、綾乃はいつものようにイヴと琴音と合流した。
「ねぇ、綾乃ちゃん、『Ablaze』のドラムの子とはどうなったの?」
イヴは優しい表情で、綾乃に尋ねる。
「うん、ライブが終わった後、ちょっとだけ話したんだ。それで改めてバンドに誘った。そしたらその返事で今日、私の学校まで来てくれるって」
綾乃の言葉に、二人は驚きを隠せず、互いに顔を見合わせた。
「……本当に二人で会って、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ」
琴音は心配そうに尋ねたが、綾乃は首を縦に振る。
その姿に二人はまだ不安が残っていたが、綾乃が大丈夫と言っているのだから、大丈夫なのだろうと自分自身に言い聞かせた。
「そっか、よかった。ところでさ琴音、新曲の方はどうなの?」
イヴが、話題を変えるように尋ねる。
先日琴音が作曲した新曲を三人は弾いてみたが、しっくりこないまま結局、琴音が再度新曲を調整するということになったのだ。
しかし、琴音は俯きながら申し訳なさそうに言う。
「……ごめんなさい、まだできてないの。なんだか、うまく形にならないっていうか……」
「そっかぁ……、なにかやって欲しいこととか手伝えることあったら言ってね!」
イヴはそう言って綾乃と顔を見合わせた。
綾乃もイヴの言葉に応えるように頷く。
そして放課後。
雅との約束を守るため、綾乃は緊張と期待を胸に学校の門で待っていた。
どんな車で来るのだろう、と考えていた綾乃の視界に、遠くに見えた一台の車体が光を反射して眩しく輝く。
その車はゆっくりと綾乃の目の前に停まる。
それは綾乃の想像をはるかに超える、真っ黒なリムジンだった。
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次回の更新は、第62奏:車中の邂逅、10月17日金曜日午後5時30分です。




