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Sounding Dreams - 再び巡り逢う音 -  作者: 蒼月 美海
カケラ

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49/88

第48奏:ドラムの鼓動

 ライブハウス『Sound Nest』の裏手。

 赤い髪をしたツインテールの少女が、ドラムセットの前に座っていた。

 彼女が先程までドラムを叩いていたのだろうか。

 綾乃は物陰からその様子を伺っていた。

 少女はしばらくの間、動かずにいる。

 すると、深い溜息をつき、まるで自分に言い聞かせるように呟く。


「……まだ、足りない」


そして少女は再びドラムスティックを手に取ると、先程と同じぐらい激しくドラムを叩き始めた。

 それはまるで心臓の鼓動のように、深く、激しい音色だ。

 綾乃はその音を聞くたびに身体が痺れる。

 ビリビリと鳥肌が立つのがわかった。

 しばらくすると、女性は演奏をやめ、ゆっくりと立ち上がる。

 そして丁寧にドラムセットを片付け始め、一つ一つの機材をまるで大切な宝物のように扱っていた。

 この時、綾乃は声をかけるべきかどうか迷っていた。

 なんとなくだが、彼女に見覚えがあったからだ。

 それは『Ablaze』のドラム担当の少女。

 仮面をつけたバンドであり、素顔はわからない。

 しかし、赤色の髪にツインテールなのは『Ablaze』のドラムの子と同じであり、あの力強く、魂のこもったドラムの音もほぼ同じのように綾乃は感じた。

 そして少女はドラムの片付けを終えると、全てアタッシュケースの中に入れ、そのまま路地の奥へと歩き出した。

 綾乃は結局、少女に声をかけることができず、彼女の背中を見つめることしかできなかった。

 しかし、少女が叩いたドラムの音は綾乃の心に深く刻まれ、消えることはなかった。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

よければブックマークとご感想、お待ちしております。


毎日午後5時30分に更新しております。

次回の更新は、第49奏:確信の音に変わるまで、10月4日土曜日午後5時30分です。


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