第34奏:響き渡る青き魂
スポットライトが、ステージに立つ三人を照らしだす。
観客のざわめきと視線が、イヴと琴音の心を揺さぶった。
(怖い……)
綾乃のことを心配していたイヴだが、実際にステージに立つと足がすくんでしまう。
イヴの胸に、かつてライブハウス「RESONANCE」で感じた、あの恐怖が蘇っていた。
隣にいる琴音も、不安そうな表情で鍵盤に手を置く。
その時、恐怖や不安を払拭させるように綾乃のベースが強く、激しいスラップのソロパートを弾き始める。
それはまるで、魂という名の音楽で語りかけるような、激しい激情のメロディだ。
イヴと琴音はその音を聴くとハッとした顔をし、お互いに顔を見合わせ、頷く。
「……行くよ!」
イヴの声が響くと、琴音のキーボードが激しく、そして力強くメロディを奏で始めた。
これが新曲『Blue-Echo』の始まりだ。
この曲は綾乃のスラップから始まる。
そしてこれまでの優しい音とは一転した、感情の爆発を思わせるメロディ。
イヴは美月に言われた「魂がない」という言葉を振り払うように、心の奥底から湧き上がる叫びを歌声に乗せる。
琴音は感情のままに鍵盤を叩き、自分の色を音にぶつけていった。
そして綾乃は過去の自分と決別するように、アグレッシブで、前に出るベースラインを力強く鳴らす。
この時点で三人の音は、観客の心を鷲掴みにしていた。
まるで、感情の嵐の中にいるかのようなライブ。
一曲目が終わり、会場は静寂に包まれていた。
圧倒的な気迫の魂の歌にその場いる観客は唖然としている。
「……ありがとうございます!」
イヴの声が、静寂を破った。
「ギターボーカル、イヴ! キーボード、琴音! そしてベース、綾乃! 今、披露した曲が今日のために用意した曲……」
三人は顔を見合わせ、大きく声を張る。
「「「『Blue-Echo』です!!!」」」
そう告げると、会場から割れんばかりの拍手と歓声が湧き起こった。
「次の曲で私の番は最後です! この歌は私たちの始まりの曲、聞いてください、『再生の詩』!」
イヴがそう告げると、再び琴音のキーボードが、美しく、そしてどこか懐かしいメロディを奏で始めた。
その音は初めてライブで演奏した時とは比べ物にならないほど、力強く、そして温かい。
三人の成長が、音となって響き渡っていた。
そして曲が終わると先程よりもさらに大きな割れんばかりの拍手と歓声が湧き上がる。
「ありがとうございました! 私たちのバンドはまだ名前は決まっていませんが、良ければ覚えてくれると嬉しいです!!」
イヴがそう言って頭を下げると、琴音と綾乃も続くように頭を下げる。
「君たちサイコー!!」
「またライブに出たら絶対また来るねー!!」
観客の歓声と拍手が三人の心に響く。
ライブを終えた三人は興奮冷めやらぬまま、ステージを降りる。
ステージを降りた三人は顔を見合わせ、ライブが成功したことを実感していた。
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