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Sounding Dreams - 再び巡り逢う音 -  作者: 蒼月 美海
青き魂の音

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34/85

第33奏:覚悟の旋律

 オープンライブ当日。

 三人はそれぞれの楽器を抱え、再び『Sound Nest』の扉を開けた。

 中に入ると先週とは打って変わって、スタッフやアーティストたちなど、多くの人が行き交っている。


「いらっしゃい」


 すると、カウンターの奥から美月が声をかけてきた。

 彼女はタバコをくわえ、三人をじっと見つめる。


「準備はできてるんだろうね?」


 美月の言葉に、三人は静かに頷いた。

 その目には、緊張よりも、確固たる決意が宿っている。


「久しぶり、イヴちゃん、琴音ちゃん、綾乃ちゃん」


 奥から響が顔を出す。


「うん、前よりもいい顔してる。頑張ってね」


 響は三人の顔を見ると、嬉しそうに微笑み、彼女の言葉に三人は小さく頷く。

 ライブハウスの中は、すでに熱気に包まれていた。

 これから始まるライブに胸を躍らせるスタッフたち、そして自分たちの出番を待つアーティストたち。

 それぞれの想いが、この場所に満ちている。

 そしてあっという間にリハーサルも終わり、三人は楽屋で最後の準備を始めていた。

 イヴは喉を整え、琴音はキーボードの音色を確かめている。

 綾乃もまた、静かにベースを抱きしめていた。


「……大丈夫だよ、綾乃ちゃん」


 イヴが綾乃の肩にそっと手を置く。


「うん……」


 綾乃は、弱々しくつぶやいた。

 美月の「その音を鳴らしたいの?」という言葉が、再び頭の中でこだましている。

 過去のバンドの出来事で、自分の音を出すことを恐れたあの日の記憶が蘇ろうとしていた。


「私たちはあの時、一緒に最高の音楽を創るって、そう決めたんでしょ?」


 イヴが綾乃に寄り添いながらそう語りかけると、琴音もそっと綾乃の肩に手を置く。

 二人の言葉が、綾乃の心に温かい光を灯そうとしていた。


ーーそうだ、もう一人じゃないーー


ーー私にはイヴと琴音、大切な仲間がいるーー


(もう、怖がらない。私は、私の音を鳴らす)


 綾乃は強く固く心の中で決意し、ベースのネックを強く握りしめた。

 イヴと琴音は、綾乃の顔を見て頷く。


「よし、行こう!」

 

 イヴの声と共に三人は顔を上げ、自分たちのステージへと向かうのであった。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

よければブックマークとご感想、お待ちしております。


毎日午後5時30分に更新しております。

次回の更新は、第34奏:響き渡る青き魂、9月19日金曜日午後5時30分です。


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