第29話:新たな音の選択肢
美月の突然の言葉に、三人はただ立ち尽くしていた。
「……オープンライブ、ですか?」
イヴは驚いたような声で美月に尋ねる。
「そう、うちの店はまだできたばかりでね。だから、まずはライブで盛り上げたいのさ」
美月はそう言って、タバコに火をつけ、一口吸い込んだ。
「アンタたちの音楽を、観客に見せてやりなさいよ。それで師匠の心を響かせな」
その言葉に三人は顔を見合わせる。
「オープンライブは、再来週の土曜日よ。……さあ、あんたたち。どうするの?」
美月は三人にそう問いかけた。
その言葉に、イヴはぐっと唇を噛みしめる。
(どうする?どうするの、私…)
しかし、イヴの頭の中は、真っ白になっていた。
ライブをしたいと言ったのはイヴ、しかし、過去の自分の行いでメンバーを振り回してしまっていることに負い目を感じてしまっていた。
「……やります」
すると、突然、綾乃がまっすぐな目で美月を見つめそう答えた。
「綾乃ちゃん……?」
イヴと琴音は突然のことに驚き、綾乃のことを見つめる。
二人が目にしたのは、綾乃の目には迷いはなく、真っ直ぐと美月のことを見つめていたのだ。
「もう、怖がってばかりはいられない。私たちは最高の音楽を創り出すために、ここにいるんだから」
綾乃の言葉に、イヴと琴音は静かに頷いた。
「わかった。じゃあ、オープンライブ、楽しみにしているわ」
美月はそう言うと、満足そうに微笑んだ。
そして三人は、美月の言葉に新たな決意を固める。
その後、ライブハウスを出た三人はそれぞれの胸に、これから始まる新しい挑戦への希望を抱くのであった。
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次回の更新は、第30奏:心の傷と、3人の音、9月 15日月曜日午後5時30分です。




