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Sounding Dreams - 再び巡り逢う音 -  作者: 蒼月 美海
青き魂の音

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29/92

第28奏:自分たちの音

 ライブハウス『Sound Nest』のオーナーである、一条美月から三人で弾きなさいと突然言われた三人は戸惑ってしまう。

 しかし、戸惑いながらも三人はライブハウスのステージに立ち、楽器を構えた。

 今、三人でできる曲は『再生の詩』しかない。

 だからこそ、三人は全力で『再生の詩』を演奏し始めた。

 演奏をし始めると、イヴの歌声と琴音のキーボード、そして綾乃のベースが、静かなライブハウスに響き渡る。

 そして演奏後、美月は静かにタバコを消した。


「…悪くはないわね。バンドとしては、まあ、及第点ってところかしら」


 美月はそう言うと、一人ひとりの顔をじっと見つめる。


「だけど、イヴ、あんたの歌は正直すぎる。感情をむき出しにして、ただ歌ってるだけ。……魂がないのよ」


「……魂?」


 イヴは困惑した表情でつぶやいた。


「琴音、あんたの音は綺麗すぎ。まるで、教科書通りに弾いてるみたい。……もっと、自分の出しなさい」


 琴音は返事はせず、顔を俯かせる。


「そして……綾乃、あんたの音ははっきり言って弱い。怖がっているのが、音から伝わってくる。……本当に、その音を鳴らしたいの?」


 美月の言葉は、綾乃の胸に深く突き刺さってしまう。

 それはかつて、前のバンドのメンバーから言われた言葉と、どこか似ていたからだ。


(……まただ。結局、私は何も変われていない)


 綾乃は過去の失敗を繰り返しているような気がして、思わず握りしめたベースのネックが汗で滑りそうになる。


「ここは『Sound Nest』。自分の音を探し、表現するための場所。他ではない、ここでならあんたたちの求める音が見つかるかもしれないよ」


 美月はそう言うと、口角を上げてニヤリと笑った。


「ちょうどいいわ。近いうちに、この店でオープンライブをやる予定なの。アンタたち、それに出なさい」


 美月の言葉に、三人は顔を見合わせる。

 そして新たな挑戦の扉が、今、三人の目の前で開かれようとしていた。

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

よければブックマークとご感想、お待ちしております。


毎日午後5時30分に更新しております。

次回の更新は、第29話:新たな音の選択肢、9月14日日曜日午後5時30分です。


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