第27話:新たな音楽の居場所
翌日。
イヴ、琴音、綾乃の三人は、オーナーから受け取ったチラシを手に、新しいライブハウスへと向かっていた。
チラシには、『Sound Nest』というライブハウス名が書かれている。
「『Sound Nest』……音の巣、か」
綾乃は、その名前をつぶやいた。
「なんか、私たちの音楽にぴったりだね!」
イヴはそう言って目を輝かせる。
そして目的地である雑居ビルに到着し、地下へと向かう。
地下に着くと、そこには『Sound Nest』と書かれた看板と扉が設置されている。
三人はそのまま目の前の扉を開けると、そこには前回ライブで見た、倉本響の姿があり、彼女はカウンターの中でグラスを磨いていた。
「……響さん?」
琴音が驚いたように声をかけた。
「あれ、イヴちゃん? それに琴音ちゃんと綾乃ちゃんも、どうしたの?」
響はグラスを磨く手を止め、三人に問いかける。
「私たち、ここのライブハウスの店長さんに用がありまして……。響さんはどうしてここに?」
「私はここのオーナーと知り合いで、それでアルバイトをさせてもらってるんだ」
四人で話していると、その時、奥の部屋から両耳にたくさんのピアスをつけた女性が、タバコを吸いながら出てきた。
「……あんたたちが師匠が言ってた子たち?」
女性は、三人をじっと見つめる。
三人は女性の見た目に驚き、固まって呆然としていた。
「美月さん、お疲れ様です。綾乃ちゃんたち、さっき言ってたオーナーがこの人、一条美月さんだよ」
響は呆然としている三人に、美月を紹介する。
「それであんたたち、音楽がやりたいんだって? 師匠から話は聞いてるよ。とりあえず、ちょっと弾いてみな」
「「「えっ……!?」」」
美月はそう言って、唐突に三人に演奏を促した。
三人はようやく我に帰り、互いの顔を見合わせてしまう。
お互いに顔は固まっており、この状況を把握できている者は三人の中にはいない。
そして突然の美月からの提案に、三人は完全に戸惑ってしまうのであった。
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