第20奏:秘密のメロディ
放課後、綾乃、イヴ、琴音の三人は、学校の屋上に集まっていた。
授業を終えた生徒たちが校門へ向かう喧騒をよそに、そこは静かで、三人だけの集合場所。
「ここ、なんだか落ち着くね」
イヴが空を見上げながら、ポツリとつぶやく。
「うん……」
琴音も、心地よさそうに風を感じている。
綾乃はそんな二人を眺めながら、バッグからノートを取り出した。
それは、琴音からSNSで送られてきた新曲のメロディを、綾乃が五線譜に書き起こしたノートだ。
「これ、私が書き起こしたんだけど……」
そう言ってノートを二人に手渡すと、イヴと琴音は興味深そうにそれを覗き込んだ。
「すごい! こんなふうになってるんだ!」
イヴは目を輝かせながら、音符の一つひとつを指でなぞる。
「……ありがとう、綾乃ちゃん」
琴音は自分の作ったメロディが形になったのを見て、嬉しそうに微笑んだ。
「この曲、なんだかすごく力強いね」
イヴは、五線譜から目を離すと、綾乃に尋ねた。
「はい、この前のLuminousの曲を聴いて、それが影響したんだと思う」
琴音は、少し照れくさそうに答える。
「そうなんだ! じゃあ、この曲には、再生の詩とLuminousの二つの音が、入ってるんだね!」
イヴは、何かをひらめいたように叫ぶ。
「よし! じゃあ、私がこの曲に歌詞をつけるね! 私、頑張って考えてみるよ!」
イヴは決意に満ちた表情で空を指差した。
夕暮れの空に響く三人の声は、まるで新しい物語の始まりを告げる、秘密のメロディのようである。
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