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【第一部完結】スキルホルダーのやり直し~そこに無いなら無いですね~  作者: 竹間単
■第二章  意地悪な女の子はわからせたい!

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●18


 しかし、そう簡単に課題は達成できないようだ。

 森の入り口に戻ろうとする俺たちを、パトリシアとその友人ルナが待っていたのだ。

 二人に、俺たちが洞窟内を捜索しているところを見られていたのだろう。


「おーっほっほっほ。待っていましたわ!」


「ラッキー。ボールを二個も持ってる!」


 パトリシアとルナが、俺たちの持つボールを見ながら嬉しそうな声を上げた。

 俺たちからボールを奪うつもりなのだろう。


「そのボール、わたくしたちにくださらない?」


「ほら、ちまちまボールを探すのって面倒くさいじゃない?」


 予想通りだ。しかしボールを渡すことは出来ない。

 このボールはリリーの自己肯定感そのものだ。

 ボールを奪われたら、リリーの自己肯定感まで奪われてしまう可能性がある。

 そんなことはさせない!


「これはリリーが取って来てくれたボールだ。渡せない」


 俺がハッキリと断ると、二人はターゲットをリリーに変更した。


「リリー、わたくしたちにボールをくれますわよね?」


「リリーは良い子よねー?」


 パトリシアとルナは笑顔を作っているが、これは脅しだ。

 自分たちが笑っているうちにボールを渡せと言いたいのだろう。


 そういう授業とはいえ、あまりにも横暴だ。

 せめて脅しではなく、戦って奪い取ってほしいものだ。


 俺が二人に言い返そうとしたところで、リリーが絞り出すような声を出した。


「いっ、嫌です! せっかくフィンレー君の役に立てたのに、このボールを失ったら、私はまた足手まといになってしまいます!」


 二人が恐いだろうに、よく言い返した!

 しかしリリーは、今にも泣き出しそうな顔をしている。


『「また」のう。リリーちゃんは足手まといとか役立たずとか言われながら、育ったのかもしれんのう』


 ゴッちゃんが悲しそうな目でリリーの周りを飛んだ。

 良くない環境で育ったことも、リリーに劣等感を抱かせる原因なのかもしれない。


(それならなおさら、自分に自信を持ってもらえるよう、今回はリリーに成功体験をさせないと!)


『そうじゃのう』


 俺は自身の拳を握り締めると、リリーの前に立った。


「フィンレー君……?」


「もしかして、わたくしたちに逆らう気ですの?」


「今、素直にボールを渡すなら痛めつけないわよ?」


 ボールを渡そうとしない俺たちの反応に、パトリシアとルナはイラついているようだった。

 顔を歪め始めた二人に、俺は強く言い放つ。


「それでも、ボールは渡さない!」


 パトリシアとルナは互いに顔を見合わせてから、俺たちのことを見た。


「なら、手加減はいりませんわね」


 こうして、パトリシアとルナはボールを、俺はスキルを奪うための戦いが始まった。




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