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04 捜索


「うぅぅぅ~~やっと倒せたよ~」


 僕はダンジョンの壁にくっつき体を伸ばし、ストレッチをしていた。


 ふう。けっこう疲れた。


 弓持ちゴブリンを探してたら、なぜか8体も倒すことになってしまった。


 これ頑張れば、3か月ぐらいでCかBランクいけるんじゃない?


 フヘへへへ!

 っとあぶない、しっかり警戒しないと。


 疲れてるし帰ろうか。もう2時間ぐらい?感覚的に前よりも魔力の減りが早い。筋肉と同じで使わないとなくなっていくのかな?ならこれ以上は危険かも。


「よし!帰ろう。警戒を~忘れずに~!ら~らら~」


 気分上々で歌を口ずさみながら、ゆっくり来た道を戻り出口へと向かう。


 この時、アドレナリンによる幸福感で先輩への連絡は完全に忘れていた。


-------------------------------------------------------------------------


~出口付近~


「あ~最高の気分~先輩最高~ふんふ、ふ~ん」


 帰りにゴブリンを1体倒した僕は、気分上々のまま出口まであと少しというところまで来ていた。


 その時だった。


「ん...?」


 左側の通路から微か(かすか)に助けを求める声が聞こえた気がした。


 え?今、助けてって言った?空耳...だよね?

 行くべき?いや僕が行っても何も変わらないんじゃ?


「ちょっとだけ見に行ってみる?行こうか」


 一旦行ってみよう、まだ魔力も体力も残ってる。Dランクモンスターが数体いても各個撃破で多分やれる。


 それにここでなにもしなかったら一生後悔するだろうから。


 こうして僕は助けを求める声が聞こえた方へと向かった。


---------------------------------------------------------------------------


~下層~


 声が聞こえた方向へと進んでいくと戦闘があっただと思われる魔法の跡がそこら中にある。


 どうやら空耳じゃなかったらしい。嫌な予感がする。


 魔法の跡がずっと続いてる、これだけ撃って倒せなかったのか?この魔法の威力なら全然大丈夫なはずなのに...?

 

 その時、近くから小さく助けを呼ぶ声が聞こえた。


「だれか!だれか誰か助けて...」


 声の大きさ的に50mぐらい先だろうか。


「こっちです!大丈夫ですか?」


 声を聴き自分の方へと走ってくる音がした。


 数秒後、曲がり角から助けを求めていた女性が走ってこっちへ向かってきた。

 そしてそのまま僕へダイブする。


「うっ...」


 タックルが骨に響いてる...痛った...。


「だれもいないのかと思って...うわああん」


 泣いてるし...どうしよう。


「あ、あのお名前は?何があったんです?」


 そういうと彼女は泣きながらも顔を上げた。


 あれ?彼女どこかで見たことある気がする?


 すると彼女はまた急に取り乱し始めた。

 

「モンスターが攻撃してきて...あああ...まだ、まだ()()が!助けてくれませんか?無理難題を言ってるのはわかってるんです。でもお願いします助けてください、お金ならいくらでも払いますから...どうか、どうか!もう魔力もないはずなんです...。まや...なんで...なんで...」


 話し方から見て、どうやらモンスターに襲われて彼女の友達がおとりになったみたいだ。そのおかげで彼女は逃げれたらしい。


「モンスターの種類は?」


 助けに行きたいけど、僕もそこまで体力が残ってるわけじゃない。まずは情報収集からだ。


 自分の問いに彼女は鼻をすすりながら答えてくれた。


「多分Bランクのサイクロプスです。動画で見たことあります」


 Bランク!?ここDランクダンジョンだぞ?もしかしてこれが最近増えてるっていうイレギュラー!?


「サイクロプス...ごめん。無理だ」


 Aランクの時は何十回も戦った。皮膚が固くて攻撃が通りにくいモンスターだ。僕の今の実力じゃ勝てないし一切刃も通らないだろう。


 助けに行きたいけれど、数分戦って助けられず自分も死ぬことになる。


「そんな...そうだ!あなた鈴原れいさんと一緒にいた人ですよね!Aランクの鈴原れいさんなら...れいさんはどこにいるんですか!」


 ああ...先輩がいたら助けられただろう。今の僕の実力じゃあどうしようもない...。


 何もできないことの申し訳なさと不甲斐なさが心を覆う(おおう)


「先輩はもうダンジョンの外に...ってこの方法ならいけるか!?」


 僕の頭の中に1つ、彼女の友達を助けられる可能性のある方法が思い浮かんだ。


「今、今すぐ連絡しないと!」


 僕は先輩にメッセージを送れるアイテムを持ってる。それを使用すれば助けられるかもしれない!


 先輩から渡された連絡用アイテムと取り出し使用する。


「コール」

『今すぐ来てくださいイレギュラーです。1人が戦闘中』


 届けたい言葉を念じると、アイテムから翼が生え、高速で飛んで行った。


「その友達とは何分前に分かれたの!?早く答えて!」


 何が起きているのかわかっていない様子であたふたしている彼女を急かす。


「30分ほど前です...。助けられるんですか!?」


 こういう時は直感を信じて引くのが一番なんだけど、まだ少し戦えるし助けれそうなら助けたい。


「30分...どうだろう...友達はどっちにいる?君は出口に行って鈴原先輩が来たら案内して!早く!」


 先輩が来るまで僕が戦えば助けられるかもしれない。

 サイクロプスとは何回も戦った。あいつとの戦い方は熟知している。


「は、はい!右の通路をずっと下っていけばいるはずです」


 そういうと彼女は出口の方向へと走り出した。


 僕の場合、防御魔法と身体能力向上を連続で使えば35分で魔力切れになる。防御魔法や能力向上魔法は魔力の減りが''攻撃魔法に比べて少ないのに''だ。


 今出口に向かった彼女は近接系の武器を持っていたから、おとりになったのは魔法使いの方だろう。


 魔法使い系のスキルを持っていればバフで40分は戦えるだろうがどうだろう。ダンジョン内では時計は狂うため体内時計だよりだ。もしさっきの彼女が間違っていて40分経っていたら?奥の奥に逃げていてそこに行くまでに時間がかかったら?急がないと!


 10分間、防御魔法を使える量の魔力を残し、残った魔力をすべて身体能力向上に注ぎ込み加速する。


 戦いの跡を頼りに生きていることを願いながらおとりになった魔法使いの元へ走った。


魔力を使わなかったら魔力は少しずつ元に戻っていきます。

~今日の一言~

この回なんか矛盾とか見落としありそう。

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