第8話「セシリアーノの怒り。」
第8話「セシリアーノの怒り。」
ケインが自分の命を犠牲にして、悪霊ゼノンを倒したと思われていたが、悪霊ゼノンは、体中引き裂かれ、瀕死の怪我を負っていたものの、生きていた。「ハア、ハア、ハア、お、俺が、俺が、まさか、死に掛けるとは思わなかったぜ、やはり、あの男、とても危険な奴だったな、まさか、あんな力が残っていたなんてな、しかし、忌々しい、あの男はもう死んだんだ、刹那様に報告したら、きっと、とても喜ぶだろうな。」悪霊ゼノンが、ゆっくりと下に降りて姿を、リーノとリィナが、とても信じられない表情をしながら、ずっと見ていた。「ね、ねぇ、母さん、何で、彼奴生きているの、ケインさんが自分の命を犠牲にしたのに、これじゃ、ケインさん、無駄死にじゃないの。」「リィナ、セシリアーノと一緒に、早く此処から逃げるんだ。」「まさか、母さん、彼奴と戦うの、ケインさんでも倒せなかったんだよ。」「おい、リィナ、彼奴のあの姿を見てみろ、ケインから受けたダメージがまだ残っているから、傷の再生が追い付いていないよ、今弱っている彼奴なら、私でも倒せるよ、早く2人共逃げろ、おい、セシリアーノ。」何度も何度もリーノがセシリアーノに声を掛けていたが、セシリアーノは、顔を下に向いたまま、座り込んでいて、暫くすると、セシリアーノは、ゆっくりと起き上がり、悪霊ゼノンに向かって歩き始めた。「おい、セシリアーノ、戻って来いよ、殺されるぞ、おい、セシリアーノ、聞こえているのか。」セシリアーノが、悪霊ゼノンに向かって歩いている姿を、息を切らしながら、不敵な笑みを浮かべながら、悪霊ゼノンは見ていた。「ハア、ハア、ハア、何だ、貴様は、そんなに俺を睨むのよ、気に入らないな、貴様も殺してやろうか。」「父さんも、母さんも、セリスも、殺しやがって、絶対にお前を許さないぞ。」「おい、貴様、もっと大きな声で喋れよ、何を喋っているか分からんぞ。」「絶対にお前を許さないぞって言ったんだよ。」セシリアーノは、悪霊ゼノンに向かって大きな声を出した瞬間、セシリアーノの体から黒い黒煙の炎が漏れ出し、セシリアーノの体は黒い黒煙の炎に包まれると、セシリアーノは、突然、不気味な声で話し始めた。「何だ、貴様は、その顔、見た事あるぞ、久しぶりだな、ゼノン。」変わり果てた姿をしていたセシリアーノから、とても恐ろしい力を感じ取ってしまった悪霊ゼノンは、とても怯えた表情をしていた。「おい、貴様、まさか、ゼルか、何で、此奴から、貴様の声が聞こえるんだ。」悪霊ゼル、元悪霊刹那暗殺部隊組織悪霊刹那7人衆の1人で、悪霊刹那を裏切り、悪霊刹那を瀕死の怪我を負わせしまう、とても恐ろし力を持っていて、そして、悪霊ゼルは、悪霊刹那達の前から、突然、いなくなってしまった、何故、セシリアーノから、悪霊ゼルの声が聞こえてきたのか、後に分かる事になる。
変わり果ててしまった、セシリアーノの姿を、リーノとリィナが、遠くから見ていた。「ねぇ、母さん、セシリアーノのあの姿は、何なの。」リィナは、リーノの表情を見ていると、セシリアーノは、何故、あんな姿をしているのか、とても信じられない表情をしながら、ずっと見ていた。」
「おい、ゼノン、ケインとの戦いをずっと見ていたが、まさか、ケインの奴、自爆して、死んでしまうなんてな、忌々しい奴は、やっと、死んだって思ったら、とても最高な気分だ。」「ハア、ハア、ハア、この裏切り者め、刹那様に変わって、お、俺の、この手で、貴様を殺してやる。」「何が、裏切り者めだ、俺は前々から、刹那が気に入らなかったんだよ、この時、奴を殺したはずだったが、貴様が生きているから、刹那の奴、生きているんだな、ん?。」突然、悪霊ゼノンは、笑い始めた。」「おい、貴様、何を笑っているんだ。」「今から12前、俺達と、刹那様は、悪霊魔術師達との戦いで敗れてしまったが、刹那様の生みの親である、魔界の神、ベリエル様の魔力の力で、俺達と、刹那様は、再び蘇みがえったんだよ、ベリエル様がいる限り、貴様は、ベリエル様に殺されるかもな。」「おい、貴様、今の貴様の話を聞いて、俺が恐ると思っているのか、魔界の神、ベリエル、まさか、そんな奴が、いるなんてな、面白い、ベリエルも、刹那も、俺のこの手で殺してやるよ。」「おい、貴様、まさか、本気で、ベリエル様を殺すつもりなのか、しかし、ベリエル様も、刹那様も、殺す事は出来ないぞ、貴様は、俺に殺されるんだからな。」「貴様、そんな瀕死の傷を負っているのに、俺を殺す気なのか、貴様は、確かに、以前よりも強くなったって、言っていたが、しかし、残念ながら、俺を殺すなんて出来ないぞ、貴様も、俺の恐ろしさを分かっているはずだ、勝てないと分かっているのに、戦うのか、俺には理解が出来ないな。」「だ、黙れ、くらえ、黒炎爆炎拳。」悪霊ゼノンは、悪霊ゼルに向かって、黒煙爆炎拳で、悪霊ゼルを、殴り続けていた、しかし、悪霊ゼルは、全ての攻撃を、右手で受け止めていて、全ての攻撃を、右手で受け止めたまま、悪霊ゼルは、思いっ切り、右足で、悪霊ゼノンのお腹の辺りを蹴って、真面に蹴りを喰らってしまった、悪霊ゼノンは、物凄い勢いで、遠くに飛ばされてしまった。「黒炎爆炎拳、確かに、以前よりも、威力は上がっているが、しかし、残念ながら、俺には通用しないな、よし、ゼノン、貴様を殺してやるよ。」遠くに飛ばされてしまった、悪霊ゼノンの所まで、悪霊ゼルは、物凄い速さで向かって行って、地面の上に横たわって、倒れていた、悪霊ゼノンを、容赦無く殴り始めて、ケインを追い詰め、瀕死の怪我を負っていた悪霊ゼノンを、一方的に殴り続け、全く抵抗が出来なかった。「どうした、どうした、ゼノン、俺を殺すんじゃなかったのか、そんな瀕死の怪我を負っている状態で、俺に戦いを挑むなんて、一体貴様は何を考えているんだ、う・・・。」突然、悪霊ゼルは、苦しみ出し、蹲りながら、セシリアーノの体中を覆っていた、黒い黒煙の炎が、どんどん消えて行った。「ち、こ、此奴、俺の力に抵抗しやがる、完全に此奴の体を乗っ取っていないのか、ゼノン、命拾いしたな。」セシリアーノは、元の姿に戻ったまま、気を失ってしまい、その場に倒れ込んでしまった。「ハア、ハア、ハア、こ、此奴、も、元の、姿に戻りやがった、助かったぜ、早く刹那様の所に戻って、怪我の治療を受けないと、やばいな。」悪霊ゼノンは、息を切らしながら、ゆっくりと空に浮かんで行って、遠くにいた、リーノに向かって、大きな声で、話し掛けて来た。「おい、リーノ、聞こえているか、貴様らを全員殺したいが、怪我を治しに、刹那様の所に、戻らして貰うぞ、ケインの子供に伝えておけ、怪我が治ったら、必ず、貴様を、殺しに来るってな、リーノ、貴様も、殺してやるからな、覚悟しておくんだな。」高笑いをしながら、悪霊ゼノンは、黒い黒煙の炎の中へと消えて行った。「くそ、ゼノンの奴、逃げやがったな。」セシリアーノ達、全員、悪霊ゼノンに殺されそうになったが、変わり果てた姿をした、セシリアーノに助けられた、この先、自分の体の中に雇っている、悪霊ゼルの力に苦しめられる事になってしまう。