第7話「ケイン、死す。」
第7話「ケイン、死す。」
ケインは、悪霊ゼノンとの戦いで、悪霊ゼノンから、何故、悪霊ゼノンは、再び復活して、以前よりも強くなってしまったのか、悪霊刹那の生みの親である、魔界の神、ベリエルの巨大な魔力の影響なんだと話を聞かされて、そんな話を聞いてしまったケインは、流石にショックを隠し切れず、只、呆然と立っていた。「流石の貴様も、今の俺の話を聞いて、とても驚いているみたいだな。」「悪霊刹那の生みの親の、魔界の神、ベリエルだって、ち、ふざけやがって、本当にそんな奴がいるなんてな、参ったな。」「俺は確かに、貴様よりも強くはなったが、だが、貴様は、頭の回転は良いし、何を考えるか分からないかな、危険な奴だからな、俺のこの手で、此処で貴様を殺してやる。」「ハア、ハア、ハア、俺のこの手で、此処で貴様を殺してやるだって、貴様は、た、確かに以前よりも強くなったが、そ、そう簡単に俺を殺せると思うなよ。」「簡単に貴様を殺せるぞ、今の貴様は、立っているだけで精一杯じゃないか、今楽にしてやるぞ。」と、その時、悪霊ゼノンの後ろから、リーノが悪霊ゼノンに向かって、思いっ切り、白い剣を振り下ろした、しかし、あっさりと交わされ、勝ち誇った表情をしながら、リーノの所を振り返った。「何だ、貴様、怪我の治療をさせていたな、あのまま、大人しくしていれば、苦しまずに済んだんだがな、貴様、まさか、また、俺と戦うつもりか、ケインと戦っているのを、遠くから見ていたはずだ、勝てないって分かっているのに、何故、戦おうとするのか、理解が出来ないな。」「だ、黙れ、攻撃術式、疾風乱舞斬。」リーノの、右手に握り締めていた白い剣が、風に包まれると、辺りは物凄い突風が吹き荒れ、悪霊ゼノンは、物凄い突風に巻き込めれ、リーノは、悪霊ゼノンに向かって、激しく剣を振り下ろしていた、しかし、悪霊ゼノンは、全ての剣撃を、左手で受け止めたまま、リーノに向かって、悪霊ゼノンは、巨大な黒い黒煙の炎を放って、真面に黒煙の炎を喰らってしまったリーノは、物凄い突風に巻き込められながら、遠くへ飛ばされてしまって、そして、物凄い突風に巻き込まれてしまったリーノの体中は、引き裂かれていて、その場に倒れ込んでいた。「リーノ、大丈夫。」「セ、セシリ、わ、私の、得意の、か、風、属性の、攻撃術式が、全然、彼奴に、通用しなかったよ、あ、彼奴、強過ぎるよ。」「リーノ、もう喋らないで、また、怪我の治療をするから。」セシルは、悪霊ゼノンから逃げるかの様に、リーノを担ぎながら逃げて行った。「ち、セシルの奴、逃げやがったな、ま、いい、どうせ、貴様ら全員、俺に殺されるんだからな。」そして、セシルが、またリーノの怪我の治療をしていると「母さん、母さん、大丈夫。」セシリアーノ達が、とても心配した表情をしながら、やって来た。「リ、リィナ、セ、セシリアーノ、セ、セリス、お前達、何で戻って来たんだよ、わ、私達、とても危険な奴と戦っているんだ、彼奴に見つからない内に、お前達、早く此処から逃げろ。」「ん?何だ、後ろが騒がしいな。」悪霊ゼノンは、セシリアーノ達と、リーノとセシルと、話しているのを気付いたのか、後ろを振り返ると、セシリアーノ達と見が合ってしまって「おい、皆んな、早く逃げろ。」それに気付いてしまったケインは、悪霊ゼノンを止めようとしたが、悪霊ゼノンにケインは吹っ飛ばされてしまった。「く、くそ、止めろ、ゼノン、子供達に手を出したら、許さないぞ。」「そんな状態で、俺と戦えるのかケイン、貴様は最後に殺してやるから、大人しく待ってろ。」セシリアーノ達は、早く悪霊ゼノンから逃げ出そうとしたが、悪霊ゼノンの恐ろしさに圧倒されて、体中の震えが止まらなくて、逃げ出す事が出来なくて、そして、悪霊ゼノンは、セリスに向かって、右掌を広げた瞬間、右掌の中から黒い黒煙の炎が現れ、セリスは、あっという間に、黒い黒煙の炎に焼かれてしまい、黒い黒煙の炎の中へと消えてしまい、一瞬の出来事に、セシリアーノ達は、とても信じられない表情をしたまま、暫く呆然と座っていた。「お、おい、嘘だろ、セ、セリスが、セリスが、死んじゃったよ、おい、お前、何で、何で、セリスを殺したんだよ。」「おい、止めろ、セシリアーノ。」セリスが、自分の目の前で、焼き殺されて所を見てしまったセシリアーノは、怒り狂いながら、悪霊ゼノンに向かって行って、右手で殴り掛かろうとした、しかし、あっさりと交わされ、セシリアーノは、思いっ切り、お腹の辺りを蹴られ、遠くまで飛ばされてしまった。「ほぉ、子供のくせに、俺に殴り掛かろうとするなんて、威勢が良いな、あの子供、ケインに似ているな、貴様の子供か。」遠くに飛ばされてしまったセシリアーノの所まで、急いでリィナが走っていて、その場に倒れ込んでいたセシリアーノに、声を掛けた。「おい、大丈夫か、セシリアーノ。」「くそ、彼奴、セリスを、セリスを、殺しやがって、絶対に、絶対に、許さないぞ。」セリスが、悪霊ゼノンに焼き殺されるのを、少し離れた所から見ていたケインは、白い剣を右手で握り締めながら、怒り狂いながら、悪霊ゼノンに向かって行って、剣を振り下ろし、次第に悪霊ゼノンは、ケインの剣撃に押され始められていた。「ゼノン、貴様、よくも、よくも、セリスを、セリスを、殺しやがったな、絶対に、絶対に、許さないぞ。」「良いぞ、良いぞ、ケイン、もっと怒れ、怒れ、貴様の力を引き出す為に、貴様の娘を焼き殺したんだ、今度は貴様の息子を殺すか。」「ふ、ふざけるな、セ、セシリアーノまで、絶対に、絶対に、殺させないぞ。」「ケイン、貴様に、俺の恐ろしい技を喰らわしてやる。」「な、何だと、俺の恐ろしい技を喰らわしてやるんだって、まさか。」「黒煙爆炎拳。」悪霊ゼノンの体中が、黒い黒煙の炎に包まれ右手に黒い黒煙の炎が燃え広がり、物凄い勢いでケインに殴り掛かって来て、ケインは、白い剣で、悪霊ゼノンの攻撃を受け止めたが、攻撃を受け止めていた白い剣が溶けて行って、白い剣が折れてしまって、ケインは、悪霊ゼノンの攻撃を交わそうとすると、ケインが羽織っていた黒装束のマントに僅かに当たり、少しだけ黒装束のマントが燃えていた。「な、何だと、剣が溶けて折れてしまった。」「黒煙爆炎拳、貴様も、この技の恐ろしさ分かっているはずだ、全ての物を破壊してしまう、黒煙の炎だ、俺は、この技で、沢山の忌々しい、悪霊魔術師の奴らを、殺したからな、さぁ、ケイン、どうする、貴様の剣は折れてしまったぞ、もう戦えないぞ、喰らえ、ケイン、黒煙爆炎拳。」また悪霊ゼノンが、黒煙爆炎拳をケインに喰らわそうとしたその時、突然、ケインの目の前に、セシルが現れ、黒煙爆炎拳を真面に喰らってしまったセシルは、お腹の辺りを貫かれ、セシルは口から大量の血を吐き出し、遠くへ飛ばされてしまった、そして、ケインは、遠くへ飛ばされてしまったセシリの所まで、急いで走って行った。「お、おい、セシル、大丈夫か、おい、大丈夫か、セシル、しっかりしろ。」「ケ、ケイン、良かった、た、助かったみたいね。」「良かった、助かったみたいねじゃないよ、おい、リーノ、早く来てくれ、セシルの傷の治療をしてくれ。」「あ、ああ、分かった、おい、セシリ、何で、こんな無茶をしたんだよ、セシリ、私が、絶対に、お前の怪我を治してやるよ。」リーノがセシルの怪我の治療を始めると、泣きながらセシリアーノがやって来た。「母さん、母さん、死んだら駄目だよ、しっかりしてよ。」「おい、セシリアーノ、死んだら駄目だよって言うなよ、私が、私が、絶対に、セシルを助けてやるよ。」「おい、セシリアーノ、父さんが、彼奴を絶対に倒すから、そこで待ってろ。」ケインは頭の中で「や、やばいな、このままだと、俺達全員ゼノンに殺されてしまうぞ、ゼノンの奴、まさか、ここまで強くなっているなんてな、あの力を使うしかないな、まさか、あの力を使う事になるなんてな。」と、ずっと考えながら、悪霊ゼノンを見ていた。「おい、貴様、その顔を見る限り、何かを仕掛けるつもりだな、そんな立っているだけの力しか残っていない貴様に、一体何が出来るんだ。」ケインは、少しだけ笑みを浮かべながら、セシリアーノの所を振り返った。「な、何だよ、父さん、何を笑っているんだよ。」「セシリアーノ、元気で頑張れよ。」「元気で頑張れよって、何を言っているんだよ、父さん、父さん、彼奴を倒すんだろ。」「おい、ケイン、まさか、お前。」「ねぇ、リーノさん、何で、そんな怖い顔をしているんだよ。」と、その時、突然、ケインは、空を見上げながら、大きな声で叫ぶと、ケインの体中、黄色い閃光の光に包まれ、物凄い速さで、悪霊ゼノンに向かって行って、悪霊ゼノンは、向かって来るケインに激しく殴り掛かっていた、しかし、ケインは物凄い速さで、悪霊ゼノンの攻撃を、全て交わしていた。「な、何だと、此奴、俺の攻撃を全て交わしているだと、ば、馬鹿な、どんどん動きが速くなっているぞ、き、貴様、まだ、こんな力が残っていたのか、やはり、貴様は、とても危険な奴だ、俺のこの手で、貴様を殺してやる。」悪霊ゼノンは、また再びケインに向かって、黒煙爆炎拳を喰らわそうとした時、ケインは素早く交わし、悪霊ゼノンの後ろに回り、両手で悪霊ゼノンの体を掴んだまま、どんどん上空に上がって行った。「おい、貴様、一体何をするつもりなんだ、その両手を離してやる、ぐわあああー、ち、両手が、全く離せないぞ。」「無駄だぜ、ゼノン、この俺の両手は、俺の全ての魔力が籠っているんだ、だから、この俺の両手を離す事は出来ないぜ。」「ま、まさか、貴様、自爆するつもりか。」「分かっているじゃないか、ゼノン、あのまま、貴様と戦っていたら、俺達全員やられていたからな、本当は、この力を使いたくなかったんだがな、皆んなを守る為に、この力を使ったんだよ、喰らえ、ゼノン、攻撃術式、自爆爆破。」「や、止めろ、ケイン。」ケインは、大きな爆発音と共に、悪霊ゼノンと一緒に爆炎の中へと消えて行った。「お、おい、嘘だろ、父さん、彼奴と、彼奴と、一緒に死んじゃったよ、まさか、リーノさん、父さんが、自爆するって分かっていたから、あんなとても怖い顔をしていたのかよ、ねぇ、リーノさん、何か言ってよ。」リーノに対してセシリアーノは、怒っている口調で話し掛けていたが、リーノはセシルの怪我の治療をしながら、何も言わずに、暫く黙っていた。」「おい、セシリアーノ、母さんに怒るのを止めろよ。」「ごめん、リィナ。」「なぁ、セシリアーノ、落ち着いて私の話を聞いて。」「ね、ねぇ、リ、リーノ、私が話すわ、ねぇ、セシリアーノ、私、彼奴の、攻撃を喰らってしまった、傷が思ったより深くて、リ、リーノに、傷の治療をさせて貰っているけど、全然、傷が治らないみたい、だから、私は、もう助からないわ、ゴホ、ゴホ。」「おい、何を言っているんだよ、母さん、ねぇ、リーノさん、お願いだよ、母さんの傷を治してよ。」「ごめん、セシリアーノ。」リーノは顔を下に向いたまま、涙を流していて、そんなリーノの姿を見ていたセシリアーノは、もう母さんは助からないんだと、諦めていた。「セ、セシリアーノ、貴方が、大人になる姿を母さん見たかったけど、残念ながら、見る事が出来なかったわ、ねぇ、リィナ、セシリアーノを守ってあげてね。」「セシリさん、分かったわ。」「ねぇ、リーノ、2人の事をお願いね。」「ああ、分かっているよ、セシル。」セシルは、少し笑みを浮かべながら、安らかに息を引き取った。「母さん、母さん、うわああー。」セシリアーノは、涙を流しながら、右手で何度も何度も地面を叩いていて、右手に血が滲んでいた。「ん?どうしたんだ、リィナ、そんな驚いた顔なんかしちゃって。」「ねぇ、母さん、空を見てよ。」リィナにそう言われたリーノは、空を見上げてみると、体中引き裂かれ、瀕死の傷を負っていた、悪霊ゼノンが空に浮かんでいた、ケインが自分の命を犠牲にして、悪霊ゼノンを倒したと思われたが、残念ながら、悪霊ゼノンは生きていた、セシリアーノ達は一体どうなってしまうんだろうか。