6 選ぶ事なんて出来ない!
委員長とのデートの日の夜、ひかりと日菜子にメッセージを送った。
『告白の返事をしたい。明日、俺の家に来て欲しい。』
日曜日。
家族は皆、出かけていて、夜まで帰ってこない。
ひかり、日菜子、委員長。
三人が俺の部屋にいる。
「え?どうして日菜子ちゃんと大崎さんがいるの?」
「駿先輩!どういうことですか?」
まあ、そうなるよな。
「実はさ、ここに居るみんなから告白されたんだ。」
「「え?!」」
「それで、答えを出せないまま、今に至るってことなんだ。」
「「……。」」
「で、今日、俺の気持ちを皆に伝えようと思う。」
「え、ここで?」
「みんなの前で一人を選ぶって事ですか?!」
「落ち着いて?三谷君の話を聞きましょう?」
「「……。」」
「俺は三人の事が好きだ!!!」
「「は?」」
「俺には選べない!!誰かが悲しい思いをするのは嫌なんだ!!」
「「「……。」」」
「軽い気持ちじゃないからこそ!!選べないんだ!!」
「「「……。」」」
「……出来れば、三人と付き合いたい。」
「「「……。」」」
やっぱり無理か……。
「私はいいわよ?選ばれないよりずっと良いもの。」
「「えっ?」」
「だってそうでしょ?誰かを選んだ場合、二人が付き合ってるのを見なきゃいけないのよ?学校に居たら、嫌でも目にすることになるわ。」
「それは……。」
「だったら、来栖さんと平林さん、二人と一緒だったとしても、付き合えた方がマシだと思ったの。」
「……。」
「二人はどうするの?このままだと私が三谷君の彼女になるんだけど?」
「わ、私は!!イヤ!!誰かと駿が付き合ってるのを見るのは!!」
「私だって!!イヤです!!」
「じゃあどうするの?」
「わ、わかった、駿の彼女になれるなら、一緒でもいい。」
「う……わ、わかりました。私も駿先輩の彼女になれるなら……。」
やった!うまくいった!!
「だ、そうよ?三谷君?」
「あ、ああ。ありがとう!三人とも!!」
「ええ、これからよろしくね?三谷君、来栖さん、平林さん。」
「あ、はい。」
「え、ええ。」
これで誰も傷つかない。