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第一話 物語の基本は問題児だ

続編です。

「ヱ弐駆……さん……。」

少女は言った。俺の名前を、マイネームを!!

俺はこの少女を見たことがある。

身長約150センチ、まるでアニメのキャラクターのような不規則に整えられたショートヘア、でも活発そうな感じではなく、控えめな感じだ。

そして顔。こいつは……猫のように愛くるしい童顔、自己主張の激しい大きな目、それとは対照的な小さな鼻、淡いピンク色の唇。

そして、ちょっと手入れ不足ながらも絶妙な太さを維持している眉毛。紫外線を当たっていません的な白い肌。

二次元のキャラクターを見ているような錯覚に陥りそうなぐらいの美少女、これでメイクなしってのがすごい。

名前を 新田にった 真貴菜まきな同じクラスだったはず……

と言うのも、彼女を見る機会が少ないため覚えていない。

不登校、今日は久しぶりに登校していたような気がしないでもない。

はっきり言ってこいつにはあまり興味がない。かわいいとか思うのは別に、こいつと一緒にいたい、つまり友達になりたいとはあまり思わないな。女子としゃべるのは苦手だし。

なぜ、こいつが俺に話しかけてきたのだろうか?

「あ、あのぅ……。」

ついうっかり、俺は新田の顔をガン見していたようで、新田は顔を真っ赤にしながら若干泣き目になっていた。

「…なんか用?」

我ながら思う、この態度は冷たかったと。

ひうっ、と新田が声を漏らしていた。俺はこの一発で嫌われたに違いない。

なんて冷たい人なんだ、せっかく一人で寂しそうに読書していて哀愁漂う背中丸出しのブ男に声をかけてやったのに、なんだこの態度は、こいつ心の中までブ男なのか。

とこれぐらいは思われているに違いない。…なんだか俺は妄想上でもブ男のようだ。

「あ、っと、えっとぉ……。」

うろたえ始める新田を尻目に、俺は読書に戻る。キスシーンの真っ最中なんだから気になるんだよ。

「と、隣、いい?…です…か?」

新田はそう言った。断るか?……隣は一応空いているけど、いや、俺には断る理由がないじゃないか。どこに座ろうがそれは個人の自由、それを妨げたら人権侵害になりそうだ(多分実際にはならないと思う)。

「いいよ。」

なんか、またちょっと声を低めにして言っていたような気がする。冷たい態度、だったかな。

ぽふん、と隣の椅子に新田が座った。

「………。」

新田は何もしゃべらない。ページをめくる音だけが二人の間に流れる。

俺は横目に新田を見ると、

「……!?」

目があった。新田は顔ごと目をそらした。俺はその様子をじっと見る。そこで気付いたのだが、俺は睨むように新田を見ていたのかもしれない。…そのせいか、空気はさらに気まずくなった。

まぁ、いっか。なんて思えるわけがない。この空気をどうにかしないとな、気まずいのは嫌いだ。

今度はちゃんと顔ごと新田の方を見る。

新田は顔をうつむかせている、この様子からどうやって話を発展させようか……。

「……ん?」

なんだか、新田を見る限り図書室っぽさが見当たらない。

「なぁ、本…読まないのか?」

新田は本を読む以前に本を持っていなかった。

「ひうっ!?……へっ!?」

俺が言ったことに頭を動かして辺りをキョロキョロと見回すという反応を見せる新田。

本がない、ということがこの場所にとっては不自然であるということに気付いたのだろう。

新田は立ち上がり本棚の方へと歩き出した。

三秒後、

ビターン!!と、大きな音がした。

ばっちり新田が転んでいた。前のめりになってこけている。手をつくこともできなかったようだ。図書室中の生徒達が新田の方を見ている。

「………………。」

「大丈夫か?」

なかなか立ち上がらない新田が心配になってきたので近寄ってみる。

「おい、立ち上がれるか?」

俺は膝をついて手を差し出す。

のそっ、と新田が体を起こす。

「……うぅ…。」

鼻が赤い、眉が垂れ下がって、目には透明な水のような液体が……へっ?

「…ううぅ、うわあああああああああん!!!」

「…はっ?」

新田は大声を上げて大泣きし始めた。あろうことか静かにすべき図書室で。

「うわああああああああん!!!」

「ちょ、どうした?っていうか、な、泣くなとりあえず。」

し、視線が集まっている、レーザーみたいに痛い視線が。

「…な、なぁ。新田?」

ガバッ!!

俺が新田の目の前にいった瞬間、新田は俺に抱きついた。

「ちょ、なにやってんの!?」

泣き声はどうやら俺の胸で泣け、的な感じになっているおかげである程度セーブできているようだが、他者からの視線が集まりまくっている!!

「ちょ、ちょおおおい!!新田、と、とりあえずは離れてくれ…。」

ズル

「あれ?その音はまさか!?は、鼻水だけはつけないでくれ、制服洗わなきゃならなくなる!!は、離れてくれ!!」

「うわあああああああああん!!!!!」

「ああああ!!なんか泣き声が大きくなった気がする!!!なんでだ!!」

いっこうに泣きやまない新田。


「俺に、どうしろって言うんだーーーー!!!!!!!!!!」

俺の声は、教員室にまで届いたという。


俺は新田が泣きやんだ後、


図書室の先生と担任教師により、「図書室で大声を出さないこと」と「女の子を泣かせないこと」の二つについて厳重な注意を受けたのだった。


何かすいません。

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