一年に一度の嘘をだるまさんがころんだの最初の一歩と同じくらい残してあるのでこのタイミングで使っても仕方がないと思ってくれ
明:はぁこれからどうするかな
僕は途方に暮れていた。
何を隠そう僕はお腹が空いてしまったのだ、弁当は教室に置きっぱなし何なら財布も置きっぱなしだ。
明:どうすりゃ良いんだよ〜
お困りのようですね先輩!
明:その声は!
美穂:先輩のいる所に現れては先輩で遊ぶなんなら先輩のお金で遊びたいでお馴染みの美穂ちゃんですよ
保健室のドアに背をもたれてかっこよく決めているつもりの美穂がこちらを見ていた。
明:何しに来たんだよ?
美穂:わかっていますよ先輩、先輩は今ものすごくお腹が空いて困ってますね!
探偵の様にこちらに指をさして決めている。
こんな時だけは勘がいいのが腹立つが完璧に図星だった
明:だったら何なんだよ?
美穂:財布いや弁当を取ってきてあげようと思って、いいえお代は結構ですよ。
明:金の代わりに何が欲しいか正直に言ってみろ!
美穂:そんな怖い顔しないで下さいよ、ただ先輩のルールを知りたいだけですよ。
明:断る
美穂:なんでですか!
明:お前に教えたら僕が話すよりもっと速い勢いで広まりそうだからだ
美穂:でも考えてみて下さい、この保健室の入口をわたしは押さえてるんですよこのままじゃあ先輩飢えて死んじゃうかもですよ?
僕はこのまま美穂のペースに乗らされないように余裕な表情を見せた。
明:残念だったなこの部屋には食べかけではあるがクッキーと紅茶がある
美穂:まさか先輩のルールって間接―――
明:違うわ
美穂:ちっハズレか
あからさまに残念そうな黒い顔を覗かせた。
明:おい? 今舌打ちしたな?
美穂:してませんよ〜こんなキュートで可愛い後輩ちゃんがそんな顔する訳ないじゃないですか〜
美穂は嘘っぽい演技を僕に見せつけてきた、こいつはいじられたいのかからかいたいのかどっちなんだ?
美穂:先輩のルールってなんなんですかいい加減教えて下さいよ
僕は美穂の相手をしながらじわじわと反対側のドアへと距離を詰めて言った。
反対側のドアは誰も居ないそして美穂は運動神経が僕よりかは下だ。
これがもし幼馴染みの智子ならば逃げれなかったかも知れなかったがこいつなら大丈夫だ。
智子:ねぇ美穂ちゃんここで何してるの?
美穂:あぁここにいる往生際の悪い先輩にルールが何なのか聞こうと思ってた所だったんですよ。
明:なにこのタイミングで智っじゃなくてアリスが!
あからさまに顔色を変えた僕に美穂はニヤリと笑い
美穂:アリス先輩反対側のドア押さえてください!
智子:うん!わかった
右側のドアには美穂左側には智子と出入口を塞がれた僕はそのままの事をこいつらに言えば面倒くさくなる、それにこいつらに話すのは恥ずかしすぎる!
美穂:さぁ先輩のルールの事教えてくれますよね?
なんて理由を作り替える?やっぱりあの美久地さんのいやあんなの当てにならないそれに……うわぁどうすれば良いんだ!
童貞を悟られず確実にこいつらを納得させる方法
童貞→恋人とする→恋人→結婚?そうだ
明:結婚だよ!!
智子:えっ?
美穂:はっ?
明:だから一生独身でいろって決められたんだよ! これから一生独り身って恥ずかしいだろ!
二人とも呆気に取られた表情を浮かべる中僕は保健室で嘘のルールをでっち上げた。