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キラー・キルマン  作者: ゴリラっパンダ
6/15

6’初任務

  私は任務の詳細を聞き、資料をもらい引きこもっている汛にも説明するために戻っている。

 

「まさか、いきなりあんな難しそうな任務が言い渡されるとは思はななかったなぁ。しかも異端が関わっているなんて」


  私達に言い渡されたものには、異端が関わっているとは。それも、連続殺人などというとても新人の私に任されるのもおかしな案件である。


「はぁ~~」


  家への帰路を歩きながら、ため息をついていた。足取りが重く、今すぐ逃げ出したい気持ちになっていた。

  そんな事を歩きながら歩いていると、コンビニが目に入った。


「そういえば、今日の夜ご飯の材料無かった気がしたな」


  夜ご飯の材料が無い事を思い出し、コンビニの中に入っていた。食料コーナーに向かい、材料を手に取ると、隣りにある弁当に目がいった。


「今日は弁当でいいかな」


  食料を元の場所に戻すと弁当を選び始めた。手に取った紅鮭弁当をカゴに入れた。今日はご飯を作る気がしなかったので弁当で済ませようとした。

  ついでにりんごジュースとプリンもカゴに入れてレジで会計を済ませ、コンビニを出た。

  再び歩き始め、数分後に家に着いた。家に帰って来て買ってきた弁当を冷蔵庫に入れるとすぐに隣りの汛の家に行った。

 

「おい汛、ここを開けろ」


  インターホンをピンポン、ピンポンと押しながら言った。前回の恨みと言わんかばかりに連打しまくった。なかなか出てこないので、もう一度インターホンを押そうとした時に出てきた。


「何だよ!うるさいなぁ!」

「はいはい、分かりましたよ」

「おい、何勝手に入ってきているんだよ」


  不機嫌そうな顔で逆ギレしてきた汛を押し退け家の中に入っていた。奥のリビングへと向かった。


「汚いわね。よくこんな所に住めるわね」


  玄関からリビングまでの間にもゴミは散らかっていたけど、リビングはもっと酷かった。歩く場所が見当たらないくらい弁当のゴミやペットボトルが散らかっていた。


「何しに来たんだよ!まさか母親みたく散らかっている部屋を片付けろとか言いに来たのか」

「そんな事を言いに来た訳じゃない」


  こいつの部屋の事は言いたい事が山ほどあるけど、今日は違う用件で来ていたので、言うのを思い止まった。


「じゃあ、本当に何しに来たんだよ!」

「今日は初任務について言いに来たんだよ」

「なんで、俺が働かないといけないんだよ。大人しく家の中で自粛しているだろうが」


  仕事について話に来たつもりだったが、本当に汛は働く気がないという事が見ていて分かるくらいのニートに成り果てている。

  本当に今回の任務に汛の力が必要なのか?と、疑問に思えてくる。


「今回の任務では、給料も出るそうだ」

「そういう事は早く言えよ」


  さっきまでの働きたくないオーラが消えて、金が出ると聞いた瞬間に目の色を変えて食いついてきた。


「今回の任務を言うよ。今回はとある殺人事件の犯人を捕まえることだそうだ」

「おい、ちょっと待て。なんで俺たちがそんな事をするとだ?そういう事は警察がやるんじゃないのか?」


  汛の指摘は最もだがこの事件はそうとも言ってられない。


「最後まで話しを聞け。殺害されている人達はポタージュカンパニーという会社の社員らしい。その殺害方法は全員鋭利な刃物で首の頸動脈を切られていたそうだ」

「殺人事件なんて本当に警察がやる仕事じゃんか」

「私達に回ってきたのは、この事件に異端が関わっているからだそうだ」

「なぜ分かる?」

「4番目の事件で殺害されるところが防犯カメラに映っていたんだよ。奇妙な事に突如と首が切れ、血が吹き出したとの事だそうだ。この事がきっかけで異端が関わっているって事になって私達に協力を仰いで来たのよ」


  異端が関わっているから私達の出番という事。咎人取締局は、主に異端が関わっている事件を担当するが、警察は異端が関わっていないとされる事件を担当している。

  だから、今回の事件は初めは警察が動いていたが、異端が関わっている疑いが出てきた以上、私達に協力を仰いで来たという事だろう。


「それで何で俺たちが動かないといけないんだ?」

「まだこの事件は異端が関わっている疑いだからね。簡単には、沢山の人を動かせないんでしょうね。だから、私達の出番という訳」


  そう、まだ疑いの段階だから任された。普通に考えても、ポタージュカンパニーはかなり有名な会社でしかも、そこの社員を殺害されたとなるとかなりのおおごとのはず。疑いの段階でもかなりの人員をいれて、解決に動くはずなのに、私達だけというのはおかしな点でもある。


「俺はやらない。そんな面倒くさそうな事他の奴がやればいいだろ」

「そんな事言っていいんだ。あなたの懲役を減らすチャンスなんだけどなぁ。それに、解決したら給料も出るみたいなのになぁ」


  わざとらしく言ってみると、汛の耳がピクっ、と動いたのが分かった。


「その話は本当だろうな」


  食いついた、食いついた。

  それもそうだろう。今、汛は金が無い状態。事件を解決したら金が手に入る。しかも、最初からの条件の自身の懲役も減るという一石二鳥の関係なのだから。これには食いつくしかない。


「気分が変わった。その任務俺もやるよ」


  とても単純だった。簡単に食いついてくれた。多分だがこの先もこの手は使えるかもしれない。


「分かった。じゃあ、明日早速殺害があった現場や会社に向かおうとしよう」


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