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キラー・キルマン  作者: ゴリラっパンダ
5/15

5’監察報告

 

 

 海底監獄から出てからは汛の泊まる家に向かったら、何故か私の家の隣りになっていたりの不満の連絡を北見さんにしたら「我慢しろ」との一言を言われて電話を切られました。


 

 その後は、家でゆっくりしているとインターホンを連打してきた。私はイライラ蓄積しながらドアを開けると汛がいた。「腹が減った。飯に連れてけ。」と言ったこいつにさらにイライラが蓄積していき、カップラーメンを渡してドアを閉めた。

 

 しばらくしてから、隣りから大きな声で「うっんめ!~~」と聞こえた。大げさだろうと思ったが投獄中は、ろくな物を食べさせられていなかったのだろう。


 

 あれから数日たった。


 

 監察報告をしに咎人取締局にやって来ている。私はあまり気乗りがしていない。そんな事ははお構い無しと言ったように来るようにとの命令が来てしまったので、エレベーターに乗り普段は行かない上の階に向かった。部屋の前に立ち、コンッ、コンッと2回ノックをすると「どうぞ」と言われたので


「失礼します。初山静莉、監察報告をしに来ました」


  そう言って中には入ると十数人の人達がU字形に並べられた机に座っている。その中には北見さんも当然のようにいた。すると、1人の男性が


「その後の真狩汛の様子はどうかな?」

「真狩汛の様子は特に問題がないです」

「本当かね?あいつはここ数日何をやっていた?」


  この質問に答えることが私が気乗りしない理由だ。


「どうした?早く答えろ」

「はい‥‥‥」


 答えたくないが渋々返事をしてしまった。


「ここ数日真狩汛は、最初の方は昼から酒を飲みに行ったりご飯を食べに行ったりし、監獄から出たばかりだから多少はいいかと思っていましたが、次第に帰って来てからも飲み直したり、食べ直したりし始めました。そして、どこで覚えたかは知りませんが、ギャンブルを覚えてきてやり始めました」


  申し訳なく報告をして言った。周りからは、

「何をしているんだ」「ダメ人間になっていっているだろう」「奴を出してよかったのか?」

 などという声が聞こえた。


「まだありまして‥‥‥」


  付け足すように言うと周りからは同じ事を言われた。


「「「まだあるのかよ!」」」


  呆れた顔をされていた。私は心の中ですみません、まだあります、と謝っていた。


「ついには、家の中にこもりながら競馬、競輪、ボートレースをやるようになり、そのほとんどが負けています。最近は一発逆転と言わんばかりに株に手を出し始めました。そして、それも外して今では引きこもりのニートに成り果てています。以上です」


  報告を終える頃には全員が頭を抱えていた。その気持ちは私も分かりますと同情していた。


「本当に奴を海底監獄から出して良かったのだろうか?まさかここまで堕落しているとはな」


  周りの人達も頷いている。私も頷いていた。

 実際そうだろう。私もここ数日の行動を見ていたが、まさかここまでなるのかと予想をうわまってきたのだから。自由に何かするだろうと、最初に思っていたが別の方向の自由にいくとは思わなかった。


「実際どうする?奴をまた海底監獄に戻すか」


  この意見に対しては賛成が多かった。


「それがいい」「さっさと戻せ」「アンナ奴に任務が務まるか」


  私もこの意見には賛成する。汛の堕落には愛想を尽かしている。

  しかし、これらの意見に反論を出す人物がいた。


「私は反対です」


  その人物は、北見さんだった。


「なぜかね?北見さん」

「あなた方は真狩汛の力を知っているでしょう。それを知っているから汛を海底監獄から出すのに賛成したんじゃないんですか?私はこれからは汛の力が必要になると考えています」

「しかしな北見さん。奴の堕落ぶりを知ってもそんなことを言えるのか?」


  そう、こんなの堕落ぶりを知れば例え期待していても誰でも自分の判断は正しかったのかと、疑いたくもなる。


「その堕落ぶりが使えるのです。汛は、今ギャンブルで金がほとんどありません」

「なるほど、そういう事か。奴は今、金に飢えている金がかかれば任務を確実に遂行するかもしれない。そういう事か、北見さん」


  何を言っているんだ、この人達は。金で釣るとかどんだけ愚策なんだよ。


「その通りです」


  その通りです、何を言っているんだ本当にこの人たちは、ついには、北見さんが無茶苦茶な事を言い始めた。

  周りからは、おぉ~~という感心したような事を言っているが、愚策だからね。

  それに全員がその方向で進めていく感じでいるのかが理解できない。


「それでは初山静莉。これから2人の初任務を言い渡す。真狩汛が任務をやらないと言ったら先程の事を言い渡せ」


  内心は呆れていたが、これが初任務。気合いを入れて取りかかろう。

  そう、改めてここにはまともな人がいないということが分かった。全員が頭のネジが取れているアホしかいない。

  だから私がしっかりとしないといけないんだ。


「それで、任務とは何でしょうか?」

「それはな━━」



 








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