第4話 少女の幻想入り 後編
3話の続きです。
第4話、どうぞ。
「電撃を…扱う…程度の能力…」
なんとも反応しづらい能力。
「電撃、つまり電気を使うことができる…ということですか?」
「そうね、使うほかに操ることもできる。なによりあなたには電気耐性があるのよ。」
私は驚いた。操ることも出来れば耐性も持っている。
すると、紫さんからこんなことを聞かれた。
「あなた最近、えっとスマホだったかしら?その充電がすぐ無くなることなかったかしら?」
私は考えた。確かに、使ってないのに持っているだけで充電が減っていることがあった。
「すごいですね。紫さんは、いつから私を見ていたんですか?」
「3ヶ月前ぐらいに霊力を感じて今に至るわ。」
私は、紫さんと普通に話していた。
「ということで、今から来てもらうわ」
と、紫さんは言った。
「え!?今から?」
「えぇ、そうよ。だからここにいるのよ。」
「待って!?明日学校があるんだけど!」
「あなたに拒否権は…ないのよ♡」
と笑顔で私を引き摺り込む紫さん。反抗するが…
「ちょっ、まっ、いやーーー!!」
そして、今に至る。
「あぁもう、紫さん私を勝手に引き摺り込んでどっか行っちゃうし…」
そう、紫さんは「私は忙しいから、ここからは1人で頑張ってね!」と言ってどこかへ行ってしまった。
私は、幻想郷の人物は少しだけ知っているだけで地形までは知らないのだ。
「ここ…どこだろう…?」
私は木のたくさんあるところをさ迷っていた。
暗い中を、ずっと歩いているため疲れが溜まっていた。
(誰かぁ〜助けてよぉ〜)
と私は泣きそうになりながら思っていた。
すると、
「あやや、何か記事になることが起こると思ったんですがぁ、こんなところに人間がいるなんて…」
と、上から女の人の声がしたから見上げた。
一次は助かると思っていた…が、幻想郷には妖怪がいることを知っている。その瞬間、恐怖で私の足が動かなくなってしまった。
女の人が、降りてきた。
「あやや、大丈夫ですか?」
「……でください。」
ボソボソと言ったあと、相手に聞こえるぐらいの声で、
「襲わないでください!」
私の頭の中は真っ白になり、混乱していた。
「あやや、大丈夫ですよ。私、こういう者ですぅ。」
と、女の人は何かを差し出した。
「名…刺…?……文々丸…新聞?」
「はい。文々。新聞、記者の射命丸文と言います。見た感じ、かなり困っているようでしたが…」
「うぅぅぅ!そうなんですぅ!!」
私は安心したのか、大泣きしてしまった。
心が落ち着くまで数分かかった。
「それで、知優さん。何があったんですか?」
「それが……」
私は文さんに説明した。
「なるほど、紫さんに誘拐され、放置されたっと」
「はい、そうなんです。」
「外の世界の人とは…本当なら博麗神社に行ってもらうのが妥当ですが、もうすぐ朝方の5時になるくらいだけど暗いから危ないし……」
文さんは少し考えて、
「守矢神社に行きましょう。ここからなら歩いてすぐに着くので。」
「分かりました。」
私たちは、歩いた。すると…
本当に神社があった。
「守矢…神社…………」
私の視界が真っ暗に…………
私は目を覚ます。建物の中にいた。
「大丈夫ですか?」
と、緑の髪の女の人は心配そうに声をかける。
「あ、はい。えっと私は……」
「文さんと一緒にここ、守矢神社の鳥居まで来たあと倒れてしまったんですよ。覚えていますか?」
そうだ、私は守矢神社に着くまでの間、恐怖と不安で押し潰されそうになっていた。それが一気に解放されて、その安心感で倒れてしまったのだろう。
「す、すみません。あの、どのくらい寝てました?」
「3時間程です。」
「ごめんなさい……」
「大丈夫ですよ。私、守矢神社の巫女をやっております。東風谷早苗と言います。」
ここから、2人の物語が動き出す…
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