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第九話 オークと戦ってみたらチュートリアルが……

翌朝、みんな揃って起床し昨日の話を聞いたことから不安を感じた皆はゴブリン部屋で更に戦闘を繰り返しレベル上げを行うことにした




水分補給するのに何も持って来てない事に母さんが気付き、一度家に水筒を取りに地上に上がった以外は休憩を挟みつつゴブリン狩りを昼まで行った


本日の昼飯は土鍋でインスタントの味噌汁にご飯を炊いてふりかけをかけて食べて済ませた

物足りないが誰も不満を漏らさず量を食べて誤魔化した

夜はパスタとか食べたいなぁ



腹を満たした一行はゴブリン狩りを再開し、15時を回った所で全員がレベル13を越えた


「レベル上げはこれくらいにして、休憩をとったらあの扉の向こうに行ってみない?」


「それは良いけど皆の武器が不安だな。ドライバーは対象に近づいて刺さないといけないから危ないし、スコップは柄の部分が木で出来てるから折れる可能性があるし」

俺の提案に父さんが不安そうに言う


「そうは言っても、他に武器が手に入りそうにもないですしね…」

早見おばさんもやはり武器に不安を感じている


「チュートリアルならそれほど強いモンスターは出ないと信じて行くしかないかな」

俺の呟きに母さんが横目に声をかけてくる

「危ない賭けね…勝てたら良いんだけど」


「とにかく一度覗いて見ようよ」

光は様子見派か…な?


それから、交代で沸かしたお湯で体を拭きつつ休憩をとった後、一度も使ってこなかったヘルメットを前に出がちな晴夫と康介が被り、武器を持った所で出発となった


部屋の前に着いた一行はいつもの様に静かに扉にバールをかまして、扉を引こうとするがビクともせず、押して扉を開けてみるが隙間からは部屋の明かりに照らされる様に床に魔法陣の様な模様が描かれているのみでモンスターがいる様子もなかった

バールを退けて静かに中に入った一行は周囲を警戒しながら魔法陣の近くに来たその時、後方からバタン!と音がした後方を全員が振り返ると扉が閉まっており閉じ込められたと気付いた時、魔法陣が光り輝きだし2mほどの大きな影が浮かび上がった


目を細めながらかろうじて見えるシルエットを、それを康介は一目見て二足歩行するあの豚モンスターを瞬時に思い浮かべ叫んだ


「オークだ!距離を取りながら全員で取り囲む様にして攻撃して!早く!!」


光にはなんとなく康介の言いたい事が伝わった様で周りに声を掛けながらモンスターを取り囲む様に他の皆も動き出した


康介は光が収まる前に先手必勝とばかりに一人駆け出してモンスターに近づいて行く

そして、周りの皆も康介に釣られるようにそれぞれが武器を振りかぶり先制攻撃を仕掛けた

モンスターはまだ動き出しもせずに仁王立ちしているのみで容易に接近を許し、一番に仕掛けた康介による攻撃が棒の様な武器を持っていた左腕を捉え切り落とした

そして、それに続けとばかりに皆による切って刺しての雑な攻撃がダメージを与えていく

トドメとばかりに晴夫によるドライバーを頭に突き刺す攻撃が決まり、いけるか!?と思われたのだが「ぐ、ぶぶぉぉぉお!」と叫び声を上げながら体を捻じる様な動きを腕を振り回しつつ暴れだし、それにより近くに居た晴夫と攻撃を加えようと接近していた詩音ちゃんが攻撃を食らってしまって軽く吹き飛ばされてしまった


「父さん、詩音ちゃん大丈夫か!?」

攻撃を運良く避ける事が出来た康介がタイミングを測りながら攻撃を加えつつ切り落とした腕が握っている棒を拾いながら声をかけた


「お父さんも詩音ちゃんも意識はあるみたいよ!大丈夫!!」


母さんの声を聞いた康介は心の底からホッとしながらも棒を光の居る方へ放り投げ「光はそれを使え!」と声を掛けつつ攻撃を仕掛けた


それに光は「分かった!母さんとおばさんは二人を診てあげて!」と答えながらモンスターを錯乱させる様に身を低くしながら走り回りつつオークの足をビシッビシッ!と動きを邪魔する様に立ち回る


玲奈ちゃんは少し離れた所で暴れるモンスターの動きを冷静に観察しながら隙をついてノコギリによる攻撃を加えている


最初の頃はおどおどしていたのに本当に皆はよく頑張って強くなってくれてると康介は心強く思った


四人で囲んで攻撃を加えてジリジリと追い込んでいく

そこに先程モンスターから攻撃を受けた父さんと詩音ちゃんも母さん達と共に戦線に復帰して更に攻撃は激しさを増し、遂にモンスターを倒した


バタァン!……


「やっと倒せたー!!」と康介が最初に喜びと共に声を上げると、他の面々も「やったー!」「怖かったー!」などとそれぞれがホッとした様子で声を上げた


皆と喜び合いながら怪我の具合を確認したり、話をしながら休んでいると部屋の奥からガタッと音がし、そちらを見ると台座の様な物が下から現れ、その上には大きな水晶の様な物が置かれていた


康介は何があるのかと皆を連れて水晶の前に立つと何処からともなく無機質な声が聞こえてきた


《チュートリアルの裏ルート攻略おめでとうございます。

わたしはこのダンジョンのコアで、管理者としての仕事をしておりましたが、これからは皆様の補助をさせて頂きます。

また地球での初めてのダンジョン攻略者である皆様にはこのダンジョンを所有する権利が与えられ、今回は初回でしかも裏ルート攻略者ということでポーナスポイント含め合計15000P入ります。》


「は?裏ルート?ちょ、ちょっと待て。そんなのクリアした覚えはないぞ?」


《あなた方は当ダンジョンにおいてこの部屋以外での戦闘の際、全ての部屋に一歩も入る事なくモンスターを攻撃し倒されていました。それが当ダンジョン裏ルート攻略者となる為の条件だったのです。》


「は?なんだそれ……」


《また、私はナビゲーターとしての役割も持っておりますので何でもお聞きくだされば、ある程度はご説明させて頂いたり、命じてくださればコチラでモンスターを生み出し命令して作業させる事なども可能です。》


「それならこのダンジョン内で俺たちが生活する事は可能か?

例えばこの部屋で作物を育てたり」


《ダンジョンポイントを使用すれば可能です。

作物の種が無くてもダンジョンポイントを使用して頂ければ、作り出していく事も可能です。》


「ダンジョンポイント?製造方法は?」


《ダンジョンコアである目の前の水晶に触れて画面に現れる様々な項目からダンジョン運営の項目を操作して頂ければ大丈夫です。》


「分かった。また質問があれば聞く。

……そうゆう事らしいけど、どうする?」


「康介がダンジョンコア?と話をしている間にステータスを確認したらチュートリアルの文字が無くなってたぞ」


「これからどうすんの?」

父さんと光からそれぞれ声がかかるが俺はコアと睨めっこしながら答えた


「ちょっとコア操作してみるから待ってて」

ダンジョンコアに触れると薄白い液晶とキーボードが浮かび上がった

一番上にはインフォメーションの文字が

カーソルを操作して下を見ていくと……


ーダンジョンレベルアップー

ーダンジョンポイント及びダンジョンのステータス確認ー

ーダンジョンポイントの使用一覧ー

ーダンジョン運営ー

ーモンスター生成ー

ーダンジョン管理者専用メニューー

ー武器、防具など装備品の作成ー

ージョブ選択ー

ースキル習得ー


途中まで見たけど、まだ項目があるが必要な事から確認したいので先ずはダンジョンポイント使用一覧を見ていく。

さっきの会話からダンジョンコアはポイントさえ使えば作物を育てる事が出来ると言っていたのでここらへんからだろうと思ったのだ


様々な項目から畑作成(100p)を見つけ出し、使用を選び決定を押してみる

次に場所指定の項目が出て入り口近くの隅っこを選び決定した

するとダンジョンコアの声で《承りました》と聞こえ、畑作成で選んだ場所を見ていると何かあるのか?と思った皆も注目しだした

すると何処からともなくズズズ…という奇妙な音が聞こえ地面が勝手に掘り起こされて1m四方の小さな畑が出来上がった


それから俺は壁に沿って端まで同じ畑を10個作りだして母さん達に作物の種を持って来てもらう様に頼んだ


次に気になる項目をっと…ダンジョンレベルアップの説明を開くと次の様に書かれていた……一定のポイントをダンジョンに使用する事で、道や罠を増やしたり部屋を増やす事が出来るようだ

また、一定レベルに到達するとボーナスポイントや特典が受けられるらしい


俺は興味本位から10pをダンジョンに使用し、レベルを2に上げてみた。すると、画面に次の文字が映し出された。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


地球で初めてダンジョンをレベルアップさせた管理者様へボーナス特典として部屋を一つプレゼントさせて頂きます。

場所を指定して下さい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


だってさ。笑

いきなりボーナスきちゃったよ!

とりあえず、ゴブリン部屋と湖の部屋の間にポチッと


畑を見ていた母さん達がこちらに戻って来たので種植えをお願いして、俺はジョブ選択を!


説明を読むに今の時点での各自能力に適したジョブが表示される。初回は無料で転職する事が出来る様になるらしい


なるほど…転職サイトを見たり研修なんかの職業訓練を受けなくて済むのか

高校を中退し、大学進学を諦める事になるだろうと思っていた俺にとっては明らかに朗報だな

これが神様からの贈り物なのだろう

ありがとうございます!神様!!

もっと良い事(情報収集)をして、悪(不倫したりしている母さん達)を退治して世界に平和を取り戻す活動をしていく事を誓います!


そして俺は意を決してジョブ選択を押してダンジョンコアに触れた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

加藤 康介 ジョブポイント160P

ジョブ一覧 消費P全て100P


剣士…前衛職。両手剣、鎧など重装備が可能になる攻撃的なジョブ

戦士…前衛職。片手剣、片手盾、鎧など重装備が可能になる攻防のバランスのとれたジョブ

軽戦士…前衛職。片手剣やレイピアを装備が可能になる機動力を生かしたジョブ

盾戦士…前衛職。大盾、短槍、鎧など重装備が可能になる守備的なジョブ

策術士…中衛、後衛職。軽装備が可能になる知能の高い者が選べる

作戦を組み立て罠等に陥れる事が得意な参謀型ジョブ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


……これは、俺一人で決めて良いものじゃないな…勝手にやったら怒られそうだ…


皆と相談しようと後ろを振り返ると全員で種植えをしていた

仕方ないので俺も手伝おうとしたところで植え終わってしまった。苦笑


それじゃあジョブについての話をしようか

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