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第二十一話 シルフの正体と拠点の強化

「で?一体何を話してくれるんだ?」


「うーん、何から話そうかな?やっぱり僕の素性からかな?」


「そうだな、その後に石に入れられてた理由だ」


「あ〜、うん。そうだね。じゃあ、先ず素性についてなんだけど、僕は風の精霊族の長だったんだ。

奥さんのシルフィに裏切られて?石に入れられちゃってたのさ。笑」


「いや、何で疑問形なんだ……てか笑えねえよ…それで?」


「それが確か…200歳くらいの時かな、それから500年以上石の中だったね。

その当時、向こうの世界…オラリオンでは生き物なら何でも操る事の出来る、奇妙な魔法を修めた禁断の魔女と呼ばれるエルフ族の嫌な奴が存在していたんだ。

その魔女は色んな国の色んな人々を操って国々に混乱をもたらし、破壊し滅ぼしていたんだ。

そして僕の奥さんであるシルフィも恐らくどこかで…ね」


「なるほどな…そのエルフの魔女とかいう存在とこの世界の変化、何か関係はあると思うか?」


「魔女が一人でとなると無理だよ。でも、誰か優秀な魔法使い達を集めて操って…という話なら可能性はあると思うよ。でも今はまだ何も分からないなー。というのもそのエルフの魔女についての情報もハッキリと断言出来る物が少な過ぎるからなんだけどね…」


「そうか…ふぅ……」


「だからさ、僕は君達に協力しながら僕個人ででも原因を探して黒幕を見つけて奥さんや皆を取り戻したい訳なんだよね」


「ま、嘘ついてる様には見えないしそれぐらいなら良いぞ。俺も協力してやるよ」


「うん、グスン……あ…ありがとう!それなら、僕と契約を交わそう!僕の…精霊の力を君にあげるよ!!」


「……契約?」


「うん、僕と血の契約をするんだ」


「精霊と血の契約って…?何をどうするんだ?」


「お互いの親指を少し切って少し血を出し、お互いの親指に合わせて魔力を交換するんだ

血の契約と言ってもどちらかが死んだら片方も死ぬとかじゃないからそこは安心して」


「あぁ」康介が短く返事をしながら互いに指を強く噛んで血を滲ませる。そしてシルフの親指に俺の親指を合わせ魔力を流すと、シルフからもとてつもない魔力が自分へと流れ込んでいるのを感じていると、二人を包む様な光が発生し、康介は目を開けていられなくなった

数秒後に漸く目を開けられる様になったがステータスや自身には何の変化もなかったのだが、まだシルフの話は続くようだ


「そしてこれが僕の、僕だけの固有スキル…風精霊王の王剣…風精霊魔法の魔力とスキルによって組み合わせて作られた剣、スプリッツ オブ ソードだよ。さぁ康介、受け取って」


「あ、あぁ…!って…ちょ!?なななんて存在感だよ!…これ、絶対ヤバいやつだろ…!?」


「うん、なんといっても精霊王の王剣だからね。

その辺の物なら何の抵抗も感じずに簡単に叩き切るよ!」


「……で、これどうやって仕舞うんだよ?皆が凄い目でこっち見てるぞ。苦笑」


「あ、あはは…ホントだね。剣に流れてる魔力を断ち切れば消せるからやってみてよ。

出す時は魔力を手に集めながら集中してイメージしてみて」


あ、やってみたら意外とあっさり簡単に出来た。笑

出して消して何度か繰り返したら飽きてすぐ止めたけど


「ふぅ…他には何かあるのか?」


「うん、ダンジョン…恐らくだけど、この地球にはもっといっぱいあるよ?

早く全部潰さないと手遅れになるくらいの攻略不可能なダンジョンが沢山出来て仕舞うと思う。

そうなったらモンスターがいつまででも沸き出してくるしかなり大変なんだよね」


「全部か…俺たちだけじゃまず無理だな……やっぱり仲間が必要だな…」


「うん、それだけじゃなくて拠点にしているダンジョンもいつかは破棄して潰さないといけなくなるから、これも覚えておいてね」


「あぁ、分かった。話はこれで終わりか?それじゃあ皆の所に戻るか」


「うん、最後に…君は絶対に死んじゃダメだよ?」


「あぁ、分かってる。童貞のまま死ねるかよ!笑」


「ぷぷっ!」


なんともしまりのない一言で会話を終えた俺たちは皆の所に戻り、伊藤家と佐々木さんにどうするか再度聞くと大人しく一緒に行動することにしたようだ

本当に殺す気はなかったけど、拠点で見張りを立てて軟禁しないといけなくなるところだった……


「それより兄ちゃん、さっきの光は一体何なんだよ!?眩しかったし、その後の凄そうな緑の剣とか!」


「あ〜…それはシルフとの契約で誰にも言えなくなってるんだ。

けど、必ず皆の力にはなるからそれで今は納得しとけ」


「…………。」

シルフは何も言わずにいてくれるようだ


「シルフと契約したって…ちゃんと契約内容は確認したのかよ?精霊の力って言っても利用は計画的にしないといけないんだぞ!?」


「……………………。」

利用は計画的に、か

まさか自分の息子に教えられるとはな…すまない…

自分の愚かさに震える父、晴夫であった


「分かってるさ。それじゃあ此処を出て佐々木家に向かおうか」


「…ガクガク……プルプル…!」

父さん…何時までガクブルやってるつもりなんだろ?苦笑


「康介、何の話をしたのか私たちにも全く教えてはもらえないのかしら?」


「うん、ゴメン。教えたら俺が大変なことになる契約だからとしか言えないんだ。だから勘弁して」


「…そう……分かったわ…」


ここで話を切り上げて地上に上がり、脱出してからダンジョンが崩れて無くなるのを確認して佐々木さんの家に向かう


拠点からここまで来るのは遠かったけど、佐々木さんの家はここからそんなに離れてなくて35分ほど歩いて一軒の家の前に着いた…ここか?表札に佐々木と書かれているので間違いはないようだな


例のごとくブロック壁は所々崩れて倒れてしまっているがなんとか通れるくらいには瓦礫が取り除かれいるので誰か人が居る事が予想される

佐々木さんは自身で持ってた合鍵を使って慎重に玄関を開けて中に入った


すると、リビングの方からガタガタと物音がし、誰かがコチラに向かって来るのがチラリと玄関の隙間から見えた


「春奈!?無事だったのか!」

あ、男の声だからお父さんかな?


「うん、真由美の家の人達も皆無事だよ!」


「そうか、それは良かった!……と、ところでそちらの人達は?お前もそんな物騒な物を持って一体どうしたんだ!?」


「それは……………………」

俺たちは家にお邪魔して佐々木一家に今までに外で起こった事を一部を除いて洗いざらい全て話した。

もちろん簡単には信じてもらえなかったが、シルフの存在を見せればそれだけでも充分説得力があるし、春奈さんからも説明してもらいステータスを見せる事でかろうじて信じてはもらえた


「……にわかには信じられない様な話だけど、春奈の言う事なんだし私は信じるわよ」


春奈さんのお母さんはしっかりと話を聞いた上で現実を受け入れてくれている様だな

それから食糧や衛生面でも充実している俺たちの拠点に移動する事になり、荷物を母さんとシルフのアイテムボックスに次々と入れる様子を見て、佐々木さんの両親をビックリさせたがそれなりの量の物資を新たに手に入れ移動を始めた



時折現れるゴブリンなどのモンスターを軽く蹴散らして進むが、新入りの親兄弟はまだビクビクしている

それも当然だろう。ずっとこんな存在が街を彷徨って人を襲っているのだから……………絶対に夢とか幻だと思ってる人が居るだろうな。笑


途中でコンビニなどに立ち寄り、雑誌等も含めた物資の回収をしたりでの移動だったので予定以上の時間はかかったがここは収穫があったのだし良しとしておこう



そうして拠点に戻った俺たちは先に荷物を片付けて部屋や風呂、トイレなんかを増設して部屋を提供する為に休憩としたが、ダンジョン内部を見た伊藤家も佐々木家も信じられない物を見ているかの様な目をしていた



その間に俺は一人コアの所に向かい回収したコアを吸収させる


《三つ目のダンジョンクリアおめでとうございます

………………コアの吸収が完了致しました。

レベル2のダンジョンを攻略されましたので私に50の経験値が入りました。そして、管理者様にはダンジョン最速三つ目クリアにより5000P、連続クリア2000P、連続完全踏破1500P、通常クリア1000Pを報酬として合計9500ダンジョンポイントを差し上げます》


「分かった」

これで合計28130Pか…そろそろダンジョンも強化していくかな…


キーボードを操作して、とりあえず真由美さんのお兄さん(敦史)には真由美さん達が使っていた端っこの6畳の部屋を空け渡し、浴室一つ(300)と脱衣場洗面台付き一つ(400P)、トイレ(250P)を増設し、それを挟んで手前に真由美さんと春奈さんの部屋、その隣に真由美さんの父さんと母さんの部屋、更にその隣に春奈さんのお父さん、お母さんの部屋をそれぞれ十畳(450P)三つを追加で設置する


次はリビングだな。広いのを作ろう…

リビング三十畳(3000P) ✕2を元のリビングに繋げて…っと

更に台所とテーブルセット8人掛け(1000P)と

テーブルセット8人掛け(500P) ✕2を置いて全員で食事が出来る様にした


これから避難所の人を迎えるにあたってその人達の生活する場所も必要だ

四人家族✕2、二人家族が1に三人家族が1

かなりポイントを使いそうだが何とか足りるだろう


永野一家の生活スペースをすぐ隣に、夫婦十畳部屋一つ、子供用六畳部屋二つ、浴室、脱衣場洗面台、トイレ


次に佐藤さん一家……夫婦十畳部屋一つ、子供用六畳部屋二つ、浴室、脱衣場洗面台、トイレ


次に俺と、光の同級生の二人兄弟である矢野家……六畳部屋を二人、浴室、脱衣場洗面台、トイレ


次に父さんの大学時代の同級生の木田さん一家の三人……夫婦十畳部屋一つ、子供用六畳部屋一つ、浴室、脱衣場洗面台、トイレ


これらをそれぞれ用意した

しめて17900Pなりー


これで残りが10230Pだな……今後は計画的に貯めつつ使わないといけない


皆に報告と相談をして明日は休みとし、少人数で避難所の13人を迎えに行く事が決まった


その後、俺は一人のんびりインスタント紅茶を飲みながら休憩していると、母さんが来て「ダンジョンで倒したあのゴブリンの上位種の装備ってどうするの?DPと交換するって言ってたのにまだやらないのかしら??」


「ブフッ!?あ、忘れてた…!」

飲みかけの紅茶を吹き出してしまったが母さんは俺の正面には立っていなかったので濡れたオバサンの服が透けて見えるなんていうアンラッキースケベは起こらなかったのである…めでたしめでたし。笑

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