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第二話 ダンジョン爆誕!?

俺の家は都内某所にあるごく平凡な家庭だ。


(父)加藤 晴夫(46歳)

会社員で競馬好きで少し消費者金融のお世話になっている


(母)美由紀(43歳)

主婦でパート先のとあるオッサンと不倫をしている


(長男)康介(16歳)

高校二年生で自称帰宅部部長として(情報収集)活動中


(長女)美優(14歳)

中学三年生で唯一マトモで常識人な絶賛モテ期到来中


(次男)(ひかる)(13歳)

中学一年生で厨二病を患い、更に幼馴染のとある女の子に初恋している


これが我が家の家族構成だ。

クセの強い家族ではあるが、争いやトラブルなどとは今のところ無縁で平凡ながらそれなりに幸せに暮らしている加藤家


だがそんな一家にも秘密はある。

父が少しのギャンブル借金、母さんが不倫してるのは上記の通りだ


他にも親は俺たち子供に心配かけまいと内緒にしているみたいだが、家のローンがまだ2500万程残っている事を俺は知っている


父さんが退職する迄の残りの勤続年数と今の月給(65万円)をパッと軽く計算してみると大学行けるのかなぁと、ちょっと不安になってくる

…バイトした方が良いのかな?

最近はそんな事ばかり考えながら、いつも最後まで起きて集めたその日の情報の整理をしている


そんな俺以外の家族が寝静まった深夜0時、突如謎の地震が発生した!

グラグラガタガタ………「なっ!なんだ!?」狼狽え声を上げながらも部屋を出た俺は他の部屋から飛び起きてきた家族達と共に、次第に大きくなる揺れに恐怖しながら急いで軽く荷物をまとめて車庫のある外へと向かう

車庫内の床にあるステンレス製の大きな蓋を父さんと2人がかりで空け、地下倉庫へ避難する為に階段を駆け下りる


だが、電気を付けようとスイッチを入れるが停電しているのか灯りが点かない!

予備電源みたいなのがあったと思うが俺はちゃんと話を聞いてないからどうすれば良いのか分からないのだ!


父さんと母さんは急いで移動し、階段下に置いてある備蓄用の箱の方へと向かい、手探りでそれぞれが取り出した懐中電灯を点けて辺りを見回すと、奥に2mある天井付近にまで土が盛り上がってドンッ!と洞窟の様なものが出来上がっていたのだ



「…はっ?な何だこれ!?に、に、兄ちゃんこここれダンジョンじゃね!?」

弟の光が混乱しながら言う


「…ふむ…どうやらそうみたいだな…。とうとう地球もファンタジーデビューしたのか…?」

冷静に今の状況を分析(見たまま)して言った俺に母さんから血も涙もない一言を投げ付けられる


「康介も光も馬鹿な事を言ってないで気味悪いからちょっと見てきてよ!」


「…………返事がない。ただの屍のようだ…」

だが、俺は屍になりきってスルーを試みた!


「ブフォwww」

今どきこんな笑い方の出来る弟が俺は羨ましいよ


「こんな時にまでふざけてないで!ほら!さっさと行く!!」

パンッ!俺と弟の光が暴力親父に背中を叩かれた。だが俺は無視をした


「背中いってー!父さん!少しは手加減してよ!!」

弟は2のダメージを受けた。知らないけど


「仕方ないか…おい、ジャック。

まだ予備の懐中電灯がそこの箱にあったハズだ、取ってくれ。

俺は心許ないが…武器としてバールとノコギリでも持って行くとするか…」

気怠げに俺は動き弟に指示を出して工具箱から武器を取り出す


「兄ちゃん!ジャックって誰だよ!笑

俺は「(ひかり)ちゃん」だ!……って兄ちゃん!ちゃん付けで呼ぶなー!!」


「お母さん…またお兄ちゃん達ふざけてるよ?」

我が妹にはいつもの様に呆れられているがいつもの事だ


「ささ、光、行くぞ〜」


スタスタスタ…


「あっ!兄ちゃん待ってくれよー!

今度こそ俺はエクスカリバーを手に入れて伝説の勇者になるんだー!」

今度こそ?貴様は2度目の人生を生きる転生者か何かか?

寝起きにも拘わらず今日も俺の弟はテンションが高いな…


「そして大好きな隣のクラスの速見 玲奈ちゃんに告白してフラれるの巻〜!笑」


「ちょっ!ばっか!兄ちゃんが何でそれ知ってるんだよ!?」

俺の不意の一言で光は50万の精神的ダメージを受けた


「フッ、企業秘密だ。それより急いで勇者としての力を身に付けて助けに行ってあげないと玲奈ちゃんがこの地震で死んじゃうかもしれないぞ?」


「それは駄目だー!!兄ちゃん、急いで世界を救う旅に出よう!」

いつの間にか救出対象が世界に変わってやがる

ハーレムでも作る気なのだろうか?


スタスタスタスタスタスタ…やがて二人の息子の姿が見えなくなり残った三人が休む準備をしながら会話をし始める


「なるほど、光は速見さんとこの子が好きなのか…あ、駄目だ。予備電源も作動しない」

父、晴夫はずっと電気を起こそうと試行錯誤していた様だ


「それよりもお母さん、暴れん坊の光の弱み握れたね。笑」

「本当にね〜。言うことを聞かなかった時はコレで大人しくさせましょ!」

だが、この二人には晴夫の苦労は理解してもらえないのであった


「お、おい。予備電源は…?」





そんな会話をしているとは知らず次男の光は兄である康介へと追い付き、共にでこぼこ道を歩いて洞窟の中へと入って行っていた


「あ、階段だ。何か普通だな」


「よし光、登るぞ…!」

スタスタスタ…

「おう!……え?登れないぞこれ!?」

スタタタ…

「バカだな…この洞窟内は上と下が逆さまになってるんだよ」

スタスタスタ…

「…兄ちゃん、もうそうゆうの良いから普通に行こうよ」

スタスタスタ…

「お前って急にドライになる時あるよな…」

スタスタスタ…

「今はモンスターとか注意しといた方が良いんじゃないの?油断大敵だぜ?」

スタスタスタ…

「坊主頭のカツ〇君のクセにカッコつけんなよ。花沢さんと中島君に言うぞ。笑」

スタスタスタ…

「うっせーよ!俺はやる時はやる男なんだ!

あ、階段終わりみたいだ!ここからは静かにしようぜ!!」


「興奮しているのか知らないけど、今の光は五月蝿いぞ。

とりあえず懐中電灯貸せ。

バールの方がリーチ長いからお前がこれ持っとけよ」


「う、うん…バールって結構重たいよな」


「…そのバール振り回せそうにないか?」


「振り回せるけど、…大振りになって反動で体が持ってかれそうになる…!」…ブォン!…ブォン!


「なら交換しとくか。ノコギリは振り回さずに引きながら切れよ?」


「うん…やっぱ何か出てくるのかな?」


「ん〜この先で少し物音がするし、可能性はあるんじゃないのか?」


「ま、まじかよ…モンスターだったら兄ちゃん戦うの?」


「話し掛けてみて言葉が通用しなかったら、弱そうなのに襲われたら戦うか。

帰宅部で鍛えたこの力を解放する時が来たな…!」


「帰宅部で何を鍛えれるんだよ?」


「情報収集能力だ……っと扉発見。この扉の向こうから物音が聞こえてるだろ?」

……!…………!


「…うん…そろそろ開けるよ?」


「準備は出来てるのか?」


「…うん…大丈夫…!」


「そうか。俺はトイレに行きたくなってきた。立ちションしてくるから少し待ってろ」


「……この状況でどんだけ落ち着いてんだよ。

やっぱり兄ちゃんはすげぇぜ…!」


……ジョロジョジョロ…あ〜!ヤバい!!どうしよう!絶対何か居るじゃんアレ!!!喧嘩もまともにした事ないのにどうやって戦えば良いんだ…!

クソっ………………あ、バールであの観音扉の取っ手に引っ掛けて全部開かない様にしてからノコギリで一方的に攻撃…!これしかないな…戻るか。カチャカチャ…ジジジジ…


「おう、待たせたな。それと作戦がある。

バールを取っ手に引っ掛けて扉が全部開かない様にするぞ…っと。コレでよし!」


「え?封印でもするのか?笑」


「こんなので封印出来るワケないだろ……っと光、ノコギリ貸せ」


「に、兄ちゃん?大丈夫なんだよな?な?」


「あぁ、光はバールがズレて落ちない様に抑えて気をつけながら扉を少し開けてくれ。何かが襲って来たら俺が隙間から一方的に攻撃して倒すから。笑」


「……兄ちゃん、滅茶苦茶卑怯だな」


「何言ってんだよ。俺だって怪我したり死なたくねえし!」


「そ、そ、そ、そうだな!俺も兄ちゃんが怪我したら嫌だ!…んじゃ、ゆっっくり開けるぞ?」


「…あぁ、良いぞ」

ガチャッ…!カタ…カタ…

「…押して開かないなら引いてみろよ。笑」


「…………だよな、分かった」

ガチャリ…バンバンバン!!チューチューチュー!

「うわっ!な、なんだ!?」


「…ネズミ?いやデカすぎるだろ……!軽く50センチはあるぞ!オェ…気持ち悪っ…」

懐中電灯に照らされた扉の隙間から気持ち悪い奴が何匹か居るのが見える


「ど、どうでも良いから早く倒してよ!衝撃からして間違いなく複数匹いるだろ!?扉開けようと押されてるんだよ!!」


そうしている間にもバンバンバン!!とネズミが体当たりをして出ようとしている音が聞こえる。急がないと不味そうだ!


「あ、あぁ分かった!やるぞ!が、害獣駆除だと思え害獣駆除だと思え害獣駆除だと思え!」

ブォン!グチャッ!ブォン!グチャッ!ブォン!グチャッ!引きながら切る!引きながら切る!


一心不乱にノコギリでネズミ?の様なモノを切りつける

あー!!寝間着に返り血が付いた!汚ねえ!

「クソっ!しゃがんだ姿勢で隙間に攻撃するのじゃ当てにくい!!」


「これ以上開けたらホントに不味いから無理だよっ!!」


「ならこのまま隙間から出ようとしてる奴を順番に倒して行くしかないのかよ!ちくしょう!!」

ブォン!グチャッ!ブォン!グチャッ!!…気持ち悪い!



俺はひたすらにネズミをノコギリで切り殺していく

そして、ネズミを殺し続けること何分…とかそんな時間測る余裕ないからな!!

とにかくもう部屋の中から物音が聞こえなくなったのでバールを外し…あ、少し歪んでる。まぁ良いか

とにかく少し休憩して我が弟と共に部屋へと入る


あ、灯りがついたな…懐中電灯の灯りを消して大量のネズミの死体を避けながら部屋に入った……部屋の中もでこぼこだ……歩きにくい……

後ろを振り返って内蔵やらなんやらが辺りに飛び散った汚い入り口を見る……後でちゃんと掃除しとかないといけないのかな?

…そして部屋の中は何も無いようだ


「はっ!?嘘だろ!?めちゃくちゃ苦労したのに何も無しかよ!?」


「…どうやらこのダンジョンはハズレみたいだな。レベルも上がらないし」


「えっ!?頭の中でファンファーレが鳴り響いてたりアナウンス流れたりしてないの!?」


「ファイナル〇ァンタジーかよ。笑

お前の頭の中で年中鳴り響いてるんだからそれだけでとりあえずは我慢してろよ。笑」


「むむむむ…ステータスも無しか…うぇ!?ステータス出た!!」


「はぁ?」


「ほ、ほらほら!俺の目の前!」


「いや、何も見えてないからな?……あ、そうゆう事なのか?ステータスオープン…おぉ!出たな!!」


「あっ!兄ちゃんの見える!ステータスオープンって言えば良かったのか!」


「そうみたいだな…とりあえず上に帰る前に能力の確認だけはしとこうぜ」


「うん!俺のチートスキルで無双してやるぜ!」


「中学一年生のお前ごときのステータスで無双出来たら大人の戦闘要因なんか要らねえんだよ。笑」


「あ…」



平穏を取り戻すため?

親に面倒事を押し付けられたばっかりに?

仕方なくダンジョンへと入った兄弟による家族を巻き込んだ冒険が今始まろうとしている。

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