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第十一話 ダンジョン活用法を学ぼう!

『きゃあぁぁぁ!!』

翌朝、俺は女性の悲鳴を聞いて目を覚ました



何があったのだろうかと寝起きで重い体をのそりと起こし、眠たい眼を擦りながら部屋を出て周囲を見渡していたら母さんがコアのある部屋から駆け足でコチラに逃げていた

こっちにまで叫び声が聞こえるって、どれだけ大きな声で叫んでいたんだろ?


俺は訳が分からず、ゆっくりと顔を洗いに湖の方へ歩いていると、母さんが俺の肩を掴み「あんた何をしたの!?」いきなり怒鳴られた。意味が分からない。


首を傾げて頭上に?を浮かべていたら「ダンジョンコアの部屋にモンスターが何で居るのかって聞いてるのよ!」

あぁ、そうゆう事か。ようやく合点がいった


「植えた植物の世話係としてモンスター生成しとくって昨日言っといたでしょ?

今、生成出来るモンスターで知能が高くて器用な奴に絞ったらコボルトだったんだよ」


「それならそうと言っておいてよ!

いきなりあんなのが居たらビックリするじゃないの!」


あー、バカバカしい…寝起きで怒鳴られるのって結構頭に響くからやめてほしいもんだよね…

母さんはほっとこう


適当に謝って顔を洗った俺は着替えて皆が居る所へ行き、一緒に朝食を摂った

ウインドウルフは絨毯の上で寝そべっている

ほんと良い身分である


「歯を磨きながらでも良いから聞いてほしいんだけど、一先ずダンジョンコアの使い方を皆にも覚えておいてほしい機能があるから今日はその勉強会をやろうと思うんだけど、どうかな?」


「んぐっ…べっ、勉強会かよ…」

俺の提案に光が顔を顰める


「あぁ、皆にも知っておいてもらわないと、俺が居なかったら誰も使えなくなるからな」


「あんた…一体何をしたのよ?」

母さん、いつもそういう言い方をするの止めてくれないかな…


「俺はただセキュリティ対策をしただけだよ。

これをやっておかないと俺たち以外でも誰にでもコアの機能が使えてしまうからってコアに言われたから設定しておいた。

因みに再設定は出来ないからどんなに信用出来る人にも絶対に教えない様にしてね」


「そこまでする必要があるの?」

早見おばさんが質問する


「はい。管理者には結構なリスクもあるので絶対に俺たちだけの秘密にしておかないと大変な事になります。

例えば、勝手にあれこれ設定されて俺たちにもモンスターが牙を剥く様にされたり、部屋や通路、罠をめちゃくちゃ増やされて迷ってしまう事もあるみたいなんです」


「ヤバすぎるじゃん…何だよそれ」

光もやっと分かってくれた様だ


「だから内緒にしておいてもらわないと危険なんだ。

そんな訳で、口が軽い人には悪いけど教えられないよ?

……それじゃあ自分は口が軽いからやめておいたほうが良いと思う人は自分から手を挙げてもらっていい?」


俺がそう聞いた瞬間に母さんと早見おばさんが手を挙げた…嘘だろ…主婦は噂好きで口が軽いというけど噂は本当だったのか…


「他の人は大丈夫?もし、そんな事になったらこの拠点を捨ててでも逃げ出さないといけなくなるから絶対に大丈夫と思う人にだけ教えておきたいんだけど?」


「うへぇ…俺は自信ないや…」

母さん達に続いて光もかよ…まあ、光は口が軽いのは分かってたから良いんだけど


「父さん、詩音ちゃん、玲奈ちゃんは大丈夫?」


「あぁ、大丈夫だ」

「私も大丈夫だよ」

「私も大丈夫!」

父さん、詩音ちゃん、玲奈ちゃんの三人は大丈夫そうだな


「分かった。ならこの後、三人にはセキュリティコードと暗証番号を教えて次に操作方法を教えるから一緒に来て。

母さん達は土を穴に戻して埋めておいて。

コアの機能で風呂もトイレも作れる事が分かったから、この部屋を改造する。」


「…はっ?コアっていうのはそんな事まで出来る機能があるのか!?」

父さん、いつもの馬鹿面から更に酷い顔になってるよ?

そんなにビックリする事かね?


「うん、皆の武器、防具なんかも生成しないといけないから今は余りいじれないんだけどね」


「そういう事なら分かったわ。荷物なんかも全部邪魔にならない様に集めておいた方が良いのかしら?」

早見おばさんから有難い提案をしてくれた


「はい、出来るだけ入り口の近くに集める様にお願いします。今ならステータスも上がってるし、説明と設定が終わったら俺たちもコッチに戻って手伝いますから」



そうして決まった三人を連れて康介はコアの部屋にやってきた

部屋の奥に行き、コアを四人で囲む様にして身振り手振りを交えて説明していく


先ず、コアに手を触れたらコード入力画面とキーボードが現れるので【便座に座る花子さん】と入力する

次に暗証番号【25133324】と入力する事でロックが解除される。


「…もっとマシなコードは無かったのか?」

父さんが呆れながら言う


「そんな分かりやすいの入れるわけないでしょ。誰でも簡単に解けたら意味が無いしね」


「じゃあ、この暗証番号には何か意味があるの?」

詩音ちゃんには分からないかな…


「うん、あるよ。父さんが昔を思い出したら分かるかな?…ヒントはポケベル。笑」


「………………………………あ、ポケベルの文字打ちすると【こうすけ】になるのか」


「うん、そうだよ、父さん正解。こんなの俺達と同世代の人じゃ先ず分からないよね」


「でも、何で康お兄ちゃんはこんなの知ってるの?」

うぐっ、玲奈ちゃん…そこは触れて欲しくなかったんだけど……仕方ないか…


「かなり前に暇でポケベルの事をパソコンで調べていた事があってね」


「…お前どれだけ暇なんだよ。苦笑」

やっぱり父さんが呆れてるよ


「……………………。」


「まぁいい、次に進めてくれ」


「……分かった」


それから


ーダンジョンポイントの使用一覧ー

DPの残高はここでも確認出来る事、今後ポイントを何に使おうとしているのかを説明した。


ーダンジョン運営ー

DPを使用して階層の選択、通路、罠、部屋の配置を設定する。


ーモンスター生成ー

DPを使用して階層の選択、部屋を選択した後に種族、数を設定して生成する。


ーダンジョン管理者専用メニュー

DPを使用してボス部屋の位置設定、種族、数を設定する。

ダンジョンコアの位置を設定、変更する。


ー武器、防具など装備品の作成ー

それぞれのジョブに向いた装備を選択し、DPを使用して生成する。




今必要な機能はこれだけなので細かい所は実際に操作してもらいながら覚えてもらうことに

因みにセキュリティ対策の設定はダンジョン管理者専用メニューから出来たのだ



他にもDPの使い道は色々ある


今、野菜を種植えから育てているが直接DPを消費して食材なんかを手に入れる事も出来るし、モンスターを解体して皮等の素材や魔導石、その他の不用品なんかを部屋の真ん中にある魔法陣に載せてコアを操作すれば売却してDPを得る事も出来る


今のDPの残高は10740P

使用内訳は

畑(1m四方)を10個で1000P

ダンジョンに経験値を入れてレベルアップに10P

スキル、魔法の習得に2800P

(アイテムボックスだけ200P、他100P)

ウインドウルフを生成するのに250P

コボルト二匹を生成するのに200P



今はこれくらいで、これから皆の武器や防具を生成する


父さんには鉄の大盾(300P)に短槍(150P)を

母さんには短剣(150P)とナイフ(150P)を

俺には短剣(150P)とボウガン(350P)を

美優には短剣(150P)にモンスターのお食事セット一日分(200p)を

光には短剣(150P)に盗賊セット(250P)を

早見のおばさんには包丁セット(200p)を

詩音ちゃんには魔法の杖(250P)とローブ(150P)を玲奈ちゃんには魔法の杖(250P)とローブ(150P)を

四人で交代しながら操作の練習をさせながら生成した



一通りやることを済ませた俺たちは皆の装備品を持って戻り荷運びを手伝って武器を配っていった


これで残りDPが7740Pとなったから今後は考えて使っていかないと…それに、ここではもうレベルを上げる事が出来ないので見張りとしてモンスターを出してから目標を探す為に出かける事となった


中田さん一家の死体も何処かに運んで火葬か埋葬くらいはしてあげたいしな


ダンジョンレベルを上げた事のボーナスによってもらえた部屋に見張り役としてオーク(250P)✕2と大きな棍棒(200P)✕2のDPを消費して警備を頼む


戻ったら残りの6840DPで住処をどうにかしたいところだな




それから、地上に出た俺たちは家を後にして徒歩で中田さん一家の死体を置いてある民家へ向かった


道は俺と父さんが覚えてるから途中で現れたゴブリン三匹を倒し、魔導石以外をウインドウルフの餌として食べさせてあげた

その後、先へ進んで中田さん一家の死体を回収し黙祷を済ませてから、母さんのアイテムボックスに入れて回収してもらう

それからは、一旦家に帰ってリビングからソファ等の大丈夫だった物は母さんのアイテムボックスと、入り切らなかった物は手分けして運び込んだりした


オークを待機させている部屋に持ち込んだ家具、死体を置いてから一旦休憩とし、俺は一人コアの部屋に行きDPを消費してお墓(一つ150P)を三つ用意してそれぞれの墓に中田さん一家を埋めて皆で改めてご冥福をお祈りした




その後、皆には湖の部屋の片付けを頼み、部屋づくりを始めた

…と言ってもポイントもあまり無いので無駄遣いはしない

木造りで正方形の六畳部屋(350P)を二つ作り皆の寝室として、リビング30畳(3000P)を挟んで湖側にトイレ(250P)を二つと脱衣場洗面台(400P)浴室(300P)を一つを湖の傍に作った。


今回はここまで

これだけで4850Pも使用してしまっている

本当に必要なもの以外は今はまだ作れないな…

家具をオーク部屋から持ってきて、食事をする場所もどうにか出来たし他も少しずつ充実させていきたいところだ

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