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コメディー

症候群と処方箋

作者: 山目 広介

「もふもふ症候群ですね。こちらが処方箋です」


 最近、会社の近所の医者が繁盛していた。

 話によると医者の世界も世知辛く、なかなか儲からないために業務提携に乗り出したそうな。

 そしたら繁盛してしまったらしい。


 その結果がこの処方箋。書かれた場所に行ってみるとペットショップ。

 処方箋を出すと資料を渡して処方のためのブツを持ってくるという。

 資料には、一か月に掛かる食費やここでのトリミング料などが書かれていた。


「はい、こちらになります」


 そう言われてバスケット? の中身を見るとワンコだった。マルチーズのようだ。

 お金も結構なお値段だった。

 これでも処方箋で割り引いてあるらしい。半額になるなら初めから半額にしろよ。




 そんなことがあったと会社の同僚とお昼の時間に話し合っていた。


「オレも言われたわ。むちむち症候群だってよ」

「なんだよ、むちむち症候群って」

「オレって巨乳好きじゃん」

「知らんがな」

「だから巨乳好きという証明書みたいな?」

「知らんと言ってるのに続けるのな」

「それで出た処方箋が風俗の巨乳専門店とレンタルの割引だ」

「あの医者は風俗とも提携していたのか……」


 ちょっと呆れてしまう話だ。

 私たちが話しているとわらわらと他の同僚もやってきた。


「俺も病気じゃないのに処方されたゾ」

「なんて診断されたんだ?」

「ロリコンだと」

「「「おまわりさん、こいつです!!」」」

「だから病気じゃないって。それで処方されたのがちっぱい専門の風俗店とそれ用の合法のレンタル、それとこのリストだ」


 そう言って何かのリストを掲げるロリコン。

 それにしてもレンタルショップとも提携してるのかよ、あの医者。


「何々。会社の上司か? あれ、これは得意先の人か?」

「何を隠そう、年頃の娘を持つ、自慢話をしたい人リストだ」

「ああ、だから最近営業成績がいいんだね」

「僕も処方されたよ」

「お前は何だったんだ」

「ちびちび症候群だって」

「ひどいな、そいつは」

「処方箋にはスーパーの食材が安くなっていたよ」

「それは太らせて肥満の合併症狙いじゃないだろうな……」


 ちょっと邪推してしまう。風俗紹介したことも性病狙いかもしれないな。最近性病の話も良く聞くからな。


「それとリストが……」


 リストには女性の名前らしきものが並んでいた。


「これはいったいどんなリストなんだ?」

「えっと~、ショタショタ症候群の人たちだとか」

「出会い系かよ」

「あの医者、手広過ぎるな」

「ボクは良かったけどぉ」

「お前はなんだ? 肥満と言われたのか?」

「それもあるけどぉ、痴漢症候群ってぇ」

「「「おまわりさん、こいつです!!」」」

「現行犯じゃないってぇ。捕まってないってぇ」

「その言い方自体があやしい」

「やってるだろ、コイツ」

「あはは……。まあそれでコスプレ専門店を教えてもらったんだぁ。それとリストが……」

「これも上司とかか」

「年頃の娘がいる自慢したい親父どもが写真を見せてくれるんだぁ」

「こいつ、今のうちに捕まえた方が良くないか?」

「そんなぁ」


 というかウチの会社あの医者に行けって健康診断したわけは上司が弱み握られているのでは?

 そんなくだらない事考えていた。

 そして最後に残っていたそいつが口を開いた。


「ワシはこれだ」

「どれどれ」

「何々。リア充爆発しろ症候群ってどんどんテキトーになってくるな」

「処方箋はリストか。この名前俺たちじゃないか!?」

「怒りを同僚のお尻で処理って……」

「なぜおまえは、脱いでいる……」

「何故たってる!?」


 ぎゃああああああ。




 翌日、件の医者へ。


「てめえ、酷い目に遭ったぞ」

「あ、もふもふ症候群の人」

「そうじゃない。おかげで痔になったじゃないか」

「モホモホ症候群を追加しますか?」

「ちっがぁーう!」



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