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お短編

少年はいつもD9→G7

作者: gaction9969

 少年の日の思い出は、青に彩られている。


 抜けるような、どこまでも続く青空、そしてぽかり浮かぶ白い雲。


 一瞬の暗闇から解き放たれたのなら、思い切って走り出すんだ、やなことがあったって。


 頭の中の、どうにもならないもやもやとかも、全部踏みつけて、叩き壊して、とにかく前へ、先へ。


 奈落に引きずり込もうとするような性悪な穴なんか、思い切り助走をつけて軽々と跳び越えてやるんだ、くらいの意気で。


 先に何があるなんて分からなかった。でも分からないからこそ、その時の僕は、毎日毎日、何回も失敗を繰り返しながら、少しづつ前に、未来へ進もうとしていたのかも知れない。


 大人になってからは、忙殺のあまり日々をただ回していくことだけを考えて、久しく忘れていたその感覚が、ふとしたことで呼び覚まされた。


 仕事のミスでへこんで、部屋で高アルチューハイをかっ喰らった挙句の僕が、何気なくダウンロードしたアプリの画面が、目に刺し込むようにして、語り掛けてきたような気がした。


 失敗を恐れるな、最初からスタートしても、全然いいじゃあないか。失敗しても何でも、とにかく前に、先に進め、みたいに。


 時が経っても変わらない青さの「1-1」は、大人の僕にも、あの時の感情を沸き抱かせてくる。



(終)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読させていただきました。 最初の『少年の日の思い出は、青に彩られている。』が、読み手の心を掴んで離さないところが良いですね。爽やかで美しく、そしてどこか懐かしい、そんな青をイメージしまし…
[良い点] メッセージ性があって面白かったです! [気になる点] わかりにくかったです。 (読解力がなくてすいませんm(__)m) [一言] 最初は難解な暗号なのかなと思って、感想欄を読んだら、「ああ…
[良い点] 意味がわかってから再読しましたら、味があって共感できて、とてもよくわかる作品になりました。 実はこれ系はほとんどして来なかったので、感想欄を読むまで不可解なタイトルの文字に頭を悩ませました…
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