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短編集 冬花火

空の鏡

作者: 春風 月葉

 星が夜の海から消える時、どこかで人が亡くなっているのだと誰かが言っていた。

 流れる星を、消えゆく誰かを想った。

 星の光は人の命の輝きを空に写したものなのかもしれない。

 星の死が誰かの死だというのなら、流れ逝くその刹那の輝きが美しいことも頷ける。

 この星が終わる時、一体どれほどの星が流れるのだろうか?

 私達の星にあとどのくらいの時間が残っているのかなんて、いくら考えてもわからないことなのだろう。

 ただ一つ言えるのは、無数の光が夜闇を切り裂き線を描くその光景がきっと美しいということだけだ。

 昼の空はもし星が流れてもわからない。

 しかしなんとなく思うのだ。

 今もきっと、私の頭上を星々は流れていると。

 誰にも気づかれることなく流れる星に、誰かを重ねた私の頬を一筋の涙が流れた。

 下を向いて人の海を流れる。

 目の下を指でなぞって空を見上げる。

 空にまだ星は見えないが、私はどこかにあるはずの私の星を見つけたかった。

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