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世界は破滅の道を少しずつ進んで行く────

記念すべき第一話。

この物語の始まりの1ページ。

この世界の誰もが知っている大樹。

「永久樹木(eternal tree)」

その名は地球が終わらない為の願いを込めたのが由来とされる。

「永遠に、永久にこの大樹が枯れませんように」と。

もう大樹は約3000万年の時を経ているが、葉は1度も枯れず色鮮やかに空一面に広がっている。

まさに伝説、まさに偉大なこの大樹に一週間くらい前だろうか、急に火がついた。


最初は葉先だった。


人々は皆すぐ消えるだろうから放っておいても構わないだろうと考えていたそうだ。

これまでにも何度か火がつく事はあったそうだが1日や2日で消えてしまうそうで、今回はいつもと違うからか人々からも驚きの声と焦りの声でいっぱいだった。


けれど大樹はとても大きく直径3万kmある大陸を覆う程の大きさで、幹だけでも5000㎞はあると想定されている。

この木が全て燃えきったとしてもまだ100年くらいはかかるのではないかと思われていた。

が、全方位からの出火によりあと約5年しかもたない程だった。

雨が降ってもなにがあっても消えない火に人々は恐怖し自殺を選んだ人も少なくなかった。


これがこの世界での永久樹木の存在価値と世間の状態である。


大樹が燃えているのに何もすることが出来ない人々がいる中で、なんとか消火しようと諦めない人々もいた。

その中に今年21歳になる青年がいた。

名を「アーデル・ヘルフレム」、知人からは「アル」と呼ばれ行動力のある人間として周りからはとても慕われていた。


そんなアルが大樹出火事件に反応しない訳もなくいち早くに手を打った。

それが出火事件の犯人を特定すること、そして消火すること。


アルは同じ村に住む老若男女、誰問わず約50人程に呼びかけ日の消火作業を行わせた。

そしてアルは犯人を特定すべく手掛かりがないか大樹を見て回った。

こんな作業を3日続けると、ある日の夜に大樹の上から何者かが降ってきた。


具体的に言うと空間が歪み、空間の裂け目から竜に乗る騎士が何十人も舞い降りた。

騎士達は各地の村、町に降り目に付いた人々をまるで感情が無いかのように槍で突き刺した。

人々はそれを見逃さなかった。

やられていない人は皆自身の家や村外れの洞窟などに隠れ、怯えていた。


これが後に語られる「永久樹木崩壊記録」の始まりである。




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