23 ◇ ロディマスの精神世界 ◇
まどろみの中、ロディマスは不思議な夢を見た。
◇◇◇
”やらないか?”
誰だ!!
”僕だよ、僕。僕僕詐欺じゃないからね。まさか僕の渾身のジョークをあっさり無視するとは、さすが僕だね”
貴様は一体誰だ!?
”分からないかなー。いや、分からないよね。ごめりんこっ”
クソッ、俺をなめているのか!!・・・何!?
”めんごめんご。でも『クソッ』だなんて、そんな汚い言葉遣いはダメだよ。せめてそうだね、『うんこちゃん』、くらいにしときなよ”
ふざけるな!!
”ふざけてないんだけどなー”
どこがだ!!しかも今のは・・・、まさか貴様が今まで俺の中で誤変換を繰り返していたのか!!
”誤変換って、そりゃないよー。僕はいつだって・・・・・・、本気さ!!”
なおタチが悪い!!
”いやいや、でもね。君は僕、僕は君なんだよ?”
何ぃ?
”ほら、分からないかな。僕、かつては【****】と呼ばれた男さ”
っ!?まさか、前世か!!
”そうそう、それだよ。名前がないって不便ダヨネー”
なん・・・だと!?では貴様がソレだとしたら、俺は一体なんなんだ!?
”ああ、当然その疑問は出るよね。でもその答えはさっきも言ったよ?”
何をだ!!
”君は僕、僕は君、さ。僕はあくまで君の中の記憶の一つ、だね。とは言え会話まで出来るとは思っても見なかったけど、多分それはコレの所為だろうね”
なんだその、黒いモヤは?丸い、なんだ?
”【魔王の卵】と呼ばれているモノだね”
なんだと!!【ウォームブロウ】!!
”いやいや、こんなとこで魔法は使えないよ。ここは君と僕の精神世界なんだから。しかもそれ、ドライヤーばりの温風吹かせる魔法で、攻撃魔法じゃなかったよね?そんな魔法で一体どうするつもりだったんだい・・・”
クソッ、なら他に何か手はないのか!!それさえ壊せば俺は、俺は自由になれるのだ!!
”分かってるよ、僕だもの。僕も同じ気持ちさ”
ならば何故、邪魔をする!!
”同時に君も僕なら分かるよね。これは壊したが最後、そこから溜まりに溜まった負の感情が溢れ出て、君を汚染する。これは、そう言うものだよ”
やはり、か。クソッ!!打つ手はないのか!!
”あると思うよ。いっぱいヒントは得ているはずだからね。だけど今の君には時間が足りない。コイツがひび割れ中身が漏れ始めるまで、もうそれほど猶予はないからね”
そんなものは分かっている!!!!
”まぁ、そうカッカしないで。ほら、その為に僕が今、ここにいるんだから”
なんだと!?まさか貴様!!
”ああ、そう。そうだよ。君の一部となった僕を再び切り離して、【魔王の卵】を抑える抑止剤にするんだ”
き、貴様はどうなる!!
”おや?僕の心配をしてくれるのかい。嬉しいねぇ”
ふん!!貴様が赤の他人であればそんな事はしない。だが貴様は、俺なのだろう?
”ああ、そうだね、そうだったね。そりゃ僕は君さ。でも心配はいらないよ”
理由を言え。
”簡単な話さ。僕が君であるからさ”
そうか、そうだな。それならば簡単な話だったな。
”そうさ。ロディマス=アボートはこの程度じゃ負けないからね”
ああ、そうだ。その通りだった。俺はこの程度では、負けない。
”その意気だよ。さぁロディマス君。ここは僕に任せて先に行きたまえ!!”
なんだと!!いきなりどうした!!
”ああ、一度は言ってみたかったんだよね、この台詞”
だから、何なんだ!!
”さぁ、目覚めの時間だよ。世界を、頼んだよ・・・って、これも言ってみたかったんだよね!!”
最後まで締まらんヤツめ!!この、うんこちゃんが!!!!
◇◇◇




