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それでも俺は異世界転生を繰り返す  作者: 絢野悠
〈expiry point3〉 Who's Guardian
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一話

 物凄い勢いで跳ね起きた。


 頭に手を当てて目を閉じる。さっきの光景が蘇るようだ。双葉とフレイアが真っ赤になっていて、それでもなにもできなかった。


 なによりもグランツ、ゲーニッツ、メディアがどうなったのかが気になる。気にはなるが、現実世界に戻ってきてしまった以上はどうすることもできない。


 それに今ここでやらなきゃいけないことがある。


「お兄ちゃん!」


 双葉が大声を上げながら思い切りドアを開け放った。ボロボロのローブを羽織っている。


「おう、おはよう」

「あの、今、ここ、あれ?」

「具体的には言わん。察してくれ。ほら、フレイアも起きろ」


 隣ですやすやと眠るフレイアを揺すった。あんなことがあったのに、どうしてこうも安心したような寝顔を晒せるのか。


「ん……ああ、おはようイツキ」

「はいおはよう。さっさと着替えて下いくぞ。双葉、朝食作ってくれ」

「う、うんいいけど」

「スマフォの日時は確認したか?」

「まだ、だけど?」


 俺は自分のスマフォを双葉に放り投げた。


「うそ、これって……」

「言うな、察しろ。これから起きることも、お前は理解してるよな?」

「じゃあお兄ちゃんにも記憶が?」

「俺だけじゃない、フレイアもだ。優帆はどうしてる?」

「まだ寝てるかな。そーっと出てきたから」


 そうか、一緒のベッドで寝てるんだったな。


「じゃあとりあえず優帆を起こさず着替えてくれ。そのローブはタンスの奥にでも押し込んで、優帆とは何事もないように接してくれ。これから、アイツらと戦わなきゃならないしな」

「変な銃を持った人たち?」

「そう。でも戦うのは俺とフレイアだけ」

「ちょっと待って! 私だって――」

「お前には重要な任務がある。わかるよな、言わなくても」


 双葉は眉をハの字にし、ゆっくりと一度だけ頷いた。


「ゆうちゃん、だよね」

「そういうことだ。お前はなにか理由をつけて優帆と二人で学校にいけ。俺とフレイアでアイツらを迎え撃つ」

「それなんだけどさイツキ。今回は私と双葉ちゃんでなんとかするわ」

「ちょ、なに言ってんの? それじゃあ、いざって時にどうすりゃいいんだよ」

「上手くやるわ。相手の行動はもうわかってるんだし、あの状況を打破するには今すぐにでも動かなきゃいけないの。わかる? あの時間に行っても迎撃できないのよ」


 わかるよ。わかるけど、俺がお前たちと離れたら死に戻りできなくなる。それもわかってて言ってるに違いない。だから、フレイアの思考がまったくわからなくなった。


「いい? 双葉ちゃんと優帆ちゃんの二人だと、その二人がもし襲われても対応できないの。でもイツキがいればなんとかなる。双葉ちゃんと私なら前衛と後衛でしっかり対応できるから」

「いや、でも、いやいや」

「納得して。そうでなきゃ前に進めない」


 考える。考えた。どうする、どうしたらいい。


 でも、そんなものはまったく意味がない。フレイアが言うことを理解してしまったからだ。


「わかった。じゃあ、フレイアと双葉はすぐに着替えて、簡単になにか食べてからすぐに家を出てくれ。俺は怪しまれない程度に優帆と早めに家を出る」

「おっけー、それでいきましょう。双葉ちゃんも大丈夫?」

「わかりました」

「詳しい話は私が話してあげるからさ」


 双葉は頷いてから部屋を出ていった。


 フレイアもささっと着替えを済ませて部屋を出た。俺も制服を来てから階下に降りた。


 二人はバナナとコーヒーとクッキーだけを食べて玄関に向かう。


「無茶すんなよ」

「無茶しないでなにするのよ。大丈夫、大丈夫だから。ね、双葉ちゃん」

「うん、なんとかするよ」

「なら、全部任せる」

「行ってきます、お兄ちゃん」

「ああ、いってらっしゃい」


 二人を見送ってから家の中に戻る。すると、ちょうど優帆が降りてくるところだった。すでに制服に着替えていた。


「あれ? 双葉は?」

「用事があるって、さっき出て行ったよ」

「ふーん、友達でも迎えに来たの?」

「え、なんでそう思うの?」

「話し声が。双葉とは違う女の人の声」

「まあ、そんなとこだな。双葉がトーストと目玉焼き作っておいてくれたから、それ食ったら俺たちも行くか」

「まだちょっと早くない?」

「コンビニに寄って行きたいんだよ」

「コンビニぃ? 遠回りになるじゃない」

「いいからいいから」


 優帆の背中を押してダイニングへ。さり気なくイスを引き、彼女を座らせた。


「コンビニでなに買うの?」

「あー、いやー、実は靴下がなくなっちゃってさ。今日履いてくのがもうないんだわ」

「なんで直前になって気付くかなー」

「まあまあ、そういう日もあるって。食ったか?」

「早いっての。もうちょっと待ってよ」


 それから五分後、優帆が食べ終わったのを確認してから家を出ることにした。


「そんなに急いで出ることないと思うんだけど」


 ドアに鍵をかけていると、優帆が不満そうな顔でそう言った。


「遠回りになる上に、俺が靴下を履き替える時間が必要だ。コンビニまで行くんだし、昼食もそこで買おうと思っててな」

「なんだかなー。なんか隠してない?」

「いや、ホント、全然そんなことないんで」

「胡散臭いなぁ」

「ささ、可愛いお嬢さん、ボクと早朝デートしましょっか」

「アンタとデートなんてしたくないわよ。勘弁してよ」


 なんて言いながら先に行ってしまった。心底嫌そうな顔しやがって。


 家から出て左に曲がると前回と一緒。でもコンビニは右方向なので問題ない。

 

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