学園長 続 + ルームメイト
―― レイ・カンナ――
部屋入る
するとそこには、さきの入学式の時に新入生の前であいさつした学園長が鎮座していた
その顔は、見た目は優しそうなおじさんといった感じだがその目には絶え間ない探求心の今にもあふれだしそうな感じだ
一息おいて彼がカンナに話しかけてきた
「やあ、カンナ君よく来てくれた、いきなり呼び出されて驚いたと思うがまぁそこのソファーにでもかけてくれ」
その一言に軽い会釈をすると、カンナはソファーに腰かけた
そのまま彼に視線を向けるカンナ、そんな視線をしり目に彼はカップ2つとポットをお盆にのせ運んできたそして…
「これでも飲みながらゆっくり話でもしようじゃないか」
そう言って紅茶をいれたカップを差し出してきた
それと同時に彼はもう一つのカップに紅茶を注ぎ一口飲んでから話し始めた
「突然の質問で済まないが、入学試験の特に実技、あの魔法はどうやったのだ?プロフィールを見たところでは魔法の部類の記載はなかったはずだ、しかし、受付の職員が書き忘れるわけなかろうし」
そう言って紅茶に口をつける
その質問については、なんとなく予想していた、なぜなら、精霊契約によって与えらるスキルはカンナ自身が持っているのでなくレイとカンナをつなぐ『契約』という名のパスによって引き出されるからだ
だから、契約後カンナにスキルの『魔眼』でスキルなどを見させたが魔法の部類は確認できず
彼女自身、試験前まで魔法は放てないと思っていたぐらいだ。
しかしそんなことを知らないカンナはちょっと困惑した様子でうつ向く、すると…
「話せぬというのなら話さなくてもよいがこの学校を卒業するまでには教えてほしいものだのぉ」
そう言って朗らかに笑う
(話してもいいのだろうか)
そんな思考が頭の中でぐるぐる回る、そして思い出す、
それは、入学式のあいさつで彼が言った言葉
「新しいことを学び・驚く その繰り返しが我らの文明を作っている、ならば、ここで再び問おう『この学園には何をしに来たのか』と、答えは『自分にとっての新たな発見・驚きを見つけるためだと』このことを忘れず勉学・魔法ともにきわめてほしいと思っている」
(新たな発見そして驚き)
多分それが彼がカンナにこの質問をぶつけた理由だ
この推測があっているなら、話してもいいだろう
そう決心しその決意をカンナに伝える
「カンナ、私のことを言っていいよ」
カンナは少し戸惑ったような顔をしたが、すぐに顔を切り替えいった
「じ、実はこの子のおかげなんです」
その声を聴きさっきまでいたむなポケットから出てあいさつをする
「初めましてかな、私はレイ、この子の従霊です」
すると学園長は驚いた顔を浮かべ、笑った
「はっはっは、そうかそうか、やはりこやつのおかげか」
「こやつ?」
(こやつってことは私の存在に気が付いていた?)
「いや済まない、実は彼女のプロフィールに『従霊』という欄があったからのぉ、なんとなくそうなのではないかと思っておったのだ、やっと謎が解けたぞ」
そう言ってもう一度笑うと、また彼から話しかけてきた
「して、レイよおぬしどのようなことができるのだ、名持の精霊ということはかなり上位種なのだから」
「えっと、例えばこんなのとかですか?」
そう言って聖霊化を解き人間の姿になってみる
「なんと、人化ができるのか、そんなスキル初めて見たわい」
(いや…ただ精霊化を解いただけなんだけどなー)
なんかすげー誤解があるが、訂正するのも面倒だしそれでいいか
「して、あとは、どんなことができるのじゃ!」
そう目を輝かせて聞いてきた、まるで子供の様に
そこからはまるで動物園のパンダ状態
後はこんなこととか…こんなこととか…~なこととか…
(あ~パンダってこんな気持ちなんだ)
異世界にて改めてパンダの気持ちを知ったのだった
×
「はぁ~疲れた」
学園長室からの帰り、寮に向かうまでの道を進みながらそんな言葉を漏らす
「おつかれさま」
そうカンナが慰めてくれる
(あぁ可愛い~)
その時、カンナが天使に見えた
もちろん悪魔は学園長だな いや ギルドマスターか?
て、どっちも各場所のお偉いさんじゃん
そんなことを思いながら歩いていると寮が見えてきた
カンナ:「意外といいところ?」
そうカンナが感想を漏らす
言われてみればそうだと思った外装は、英国スタイルの赤レンガの建物といったところか
外装を見たところでなんとなく眠気が襲ってくる
カンナ:「入る」
そう言ってカンナが中に入っていく
中には玄関から赤いじゅうたんが伸びていた、ここから各部屋につながっているようだ
そこで自分の部屋の番号を確認する
65番
となると、この道を進んでいって右手か
入口にある番号だけが書いてある部屋割りを見て言う
レイ:「じゃ、行きますか」
そう言って寮にはいる
そして、自分の寮の部屋の前までくる
レイ:「え~と65番 よし!ここだ」
そう言って部屋に入る
するとそこには荷物の入ったトランク
間違えたかなと思い周囲を見渡す
すると部屋の右側にある二段ベットその一段目に女の子が寝ていた
どうやら、相部屋らしい
それを確認すると
一息
「うん、荷物を置いて寝るか」
疲れもピークだったので考えるのをやめ寝る支度をする
あの子のことは明日考えよう
そうして、用意した後、二段ベットの上の段に上り
カンナ一緒に俺は精霊化した姿で眠った
×
目が覚める、あの後、泥のように眠ったからか昨日の疲れはなくすっきりとした朝だった
隣にはカンナ俺を抱いて寝ている
柔らかい女の子の体が擦れる
この感覚にも慣れてきた、あまり慣れたくはなかったが
そう思いながら、カンナを起こす
「朝だぞカンナ」
「うにゅ」
精霊化しているから手は小さいがその手で頬をつねる
するとカンナが少し目を開けこちらを見る
なので
「カンナ朝だぞ」
そう声をかける
「ん、わかった」
そう言い眠い目をこすりながらむっくり体を起こす
そしてそのまま、ベットから降り、欠伸をしながら体を伸ばす
それで目が覚めたのか、自分の荷物に手をかけ制服を取り出し、着る
その間俺は、後ろを振りかえる、そこには二段ベット…と…一人の少女髪の毛は長く黄色い
まだベットの上で気持ちよさそうに眠っている、その後部屋にある窓から外を見る日はまだ上がりきっていない6時くらいだろうか
まだ朝食や登校する時間でもないのでまずはカンナの用意をする
そのために精霊化を解き、カンナの方へ向かう
もう着替えが終わったのか鞄にさっきまで来ていた寝間着をしまっていた
それを見かね話しかける
「カンナ、荷物からブラシとお風呂セットを取り出してこっち来て」
それを聞いたカンナは、ブラシとその他諸々をもってこっちに歩いてくる
昨日は疲れていたのでお風呂に入らなかったせいか髪はぼさぼさである
「じゃあお風呂入りますか」
そのまま昨日の部屋割りを思い出しながらお風呂場へ向かあった
お風呂場は、まあまあ広かった、大衆浴場をイメージしてくれればいいだろうか
まあ、そんなことは置いといて、どうやら個々のお風呂は時間制で時間外はお湯が張っていないらしい
まあ一人で入るだけだし、魔法で水を出しそれを温め湯船に入れる
まず桶のようなものでお湯を掛ける、その後、石鹸を手になじませる、どうやらこの世界には、シャンプーやリンスはないらしく、これを使ってる
そしてそのまま、髪を洗う、そして体、一通り洗い終わったらお湯で流す
そのあとはお湯にゆっくりつかり、使ったお湯は排水溝から流してお風呂場を後にした
其のあとは脱衣所で髪や体を風魔法で乾かし、髪をとかし服を着せる
さっぱりしたし、部屋へ向かうと
さっきの少女が起きており、驚いた表情でこっちを見ていた
(何だろう、そうもって自分とカンナを見る)
何にもないよな~ん?
そこまで言ってやっと気が付く
あっ!
ここ寮だった、
違和感の原因は自分がいることだ
なぜなら、容姿はまるっきり大人誰も精霊だとは思わない
しかも今はカンナがいる
どう見たって親子しか見えない
疑問は解決したところで
こちらを凝視している少女にあいさつ
「おはようございます」
ビクッ
ちょっと体が跳ねる、それでもちゃんと挨拶を返してくれる
「お、おはようございます、それで、あなたは?」
質問してきた
それに対して私はこう答えた
「私はレイ、この子カンナの従霊よ」
その答えを聞いて視線が私とカンナの間を行き来するそして
バタン
そのまま後ろにぶっ倒れた
どうやらこの子の脳では処理しきれなかったらしい
…それから数分後
彼女をベットに横たわらせ
様子を見る、すると、目が開いた
その瞳に私が映り込む
それを見て、出来るだけ怖がらせないように微笑みながら
「大丈夫?」
そう問いかける
「はい」
そう端的に答え体を起こす、
その後、私を見て一言
「綺麗、結婚してください」
(――は?)
あぶない あぶない 今度はこっちの脳が処理不全を起こすところだった
そう思っていると
「あぁぁ、すいません、いきなり変なこと言って」
いきなり謝ってきた、どうやら寝ぼけていたらしい
良かった
その後、彼女はないかを思い出したような表情になり
「すいません、自己紹介がまだでしたね、私はリーゼ・シュバルツといいます」
ベットの上に座ったままだがお辞儀をしてくれた
(名前に苗字がある、どうやら貴族の出のようだ)
この世界のでは、平民には苗字がなく、あるとすればいや名乗れるとすれば貴族だけなのだ
そんなことを考えているとリーゼが話しかけてきた
「それで…あなたは、本当に精霊なのですか?」
いきなり質問かとも思ったが、どうやら彼女のは私が精霊であることが信じられないらしいこの際、証拠として精霊化を使ってみる
からだがみるみる小さくなっていくそしてある程度の大きさになると止まる
それを見ていたのか彼女は目を見開きながら固まっていた
そんな彼女に話しかける
「これでどうでしょう」
「納得です」
そう言って彼女は驚いた子尾を引っ込める
そこで不意に窓の外を見る
朝日がそれなりのとこまで登っていた
(そろそろ朝食かな)
そう思い彼女 リーゼに話しかける
「もうそろそろ時間だし食堂に行きましょうか」
「そ、そうですね」
彼女は少し頬を赤らめながら言う
(ちょっとなれなれしかったかな)
そうも思ったがこれから卒業するまでのルームメイトなのだしそれくらいがちょうどいいかなと思い直し、自分も用意する
食堂
それは寮に備え付けらしい
それに寮は1~3年生まで使っているだけあって朝なのにすごく込み合っていた
どうもこの食堂はバイキング制らしく食堂入り口から見て左側には食べ物スペース、右側には食事スペースといった感じになっていた
おなかもすいていたので、近くにあったトレーの山から2つ取り1つはカンナと私もう一つはリーゼに渡し、それぞれで食べ物をとることにした
その間私はカンナの方の上で待っていた
周りからなんかじろじろ見られていた気がするが気にしない
数分後、カンナもリーゼも食べ物をとり終わったので、一緒の机で食事をとっている
カンナは私の分まで取ったためほかの人に比べて少し多い
リーゼは小食なのだろうかトレーにはあまり食べ物は乗っていなかった
それをみんなでおいしくいただく
その後、食事が終わると、一旦、部屋に戻り鞄を持ち学園へ向かった
学園についてからは教室に向かう、どうやらリーゼも同じ風魔法のクラスだったらしく
同じ教室ぇ向かって歩いた、そして教室に就く、そこのはもう数人の人影があった、その人たちはもうすでに席に座っていた
ふと黒板を見るそこには、席順が書いてあった、どうやら名簿番号順のようだ
そのせいで、リーゼとカンナはかなり遠くの席になってしまっている
隣で同じ席順を見ていたリーゼもぁそれに気が付いたらしく少し落ち込んだ様子だった
それからは、それぞれ、各椅子に座った、ふとリーゼのほうを見ると誰かと話しているようだ、立ち振る舞いから察するに貴族だろうか、リーゼも楽しそうに話している
ちょっとうらやましい、見た感じから言って友達だろうか、
私、カンナには友達がいない、いるのはレイだけ、じゃあレイが友達かって言うとそれは違う、レイはどちらかというと保護者って感覚
そんなことを、思っていると扉からぞろぞろと人が入ってくる、そしてその最後にはエミリー先生が入ってきたそして…
「ホームルームを始めるわよ、立っている生徒は席について」
そんな声が教室中に響き渡った
そしてホームルーム、まずは出欠をとってから自己紹介タイムに
席の一番から順に自己紹介を始める
「初めまして 私はアリスって言います、趣味はおかし作りです、これから三年間よろしくお願いします。」そう言って礼をする
それからも「私はエルナード・ショウ」などいろいろな自己紹介は続き
いよいよ私の番…
「始めまして私はカンナ、趣味は特にありません、そして…」
そう言うとレイが胸ポケットから、体を出し、挨拶する
「どうも、私はレイこの子カンナの従霊をしています以後御見知り置きを」
そして礼、その後
「私・レイ共々よろしくお願いします」
一瞬の沈黙
(沈黙の理由は一つ、そうレイである、なぜならほとんどの視線がカンナではなく、カンナの横ふわふわと浮かぶレイに向いているからだ、その視線には驚いている気持ちが見えるほど目力だった)
そして、直にクラスのみんなが現実に戻ってくる
驚きの目は変わらないが、どうやら理解が追いついたらしい
それを見計らって着席する
(ちょっと焦ったけど、まぁうまく挨拶できたかな?)
驚きの対象がレイであるだけあってカンナは何故か落ち着いていた
それからも、挨拶は続いていった…
そして最後の人があいさつし終わると、エミリー先生が口を開く
「じゃあ、自己紹介も終わったところで、まずは配布物を配ります」
そう言って教卓の陰から箱を一つ取り出し、教卓の上に置く、その後その箱から6冊の本を取り出し言う
「君たちはこれから三年間でここにある教科書の内容をその頭に全部入れてもらう、確かにすごい量かもしれない、しかし、この量は三年間分だ、一年間で習う量はそんなに多くないなので君たちには頑張ってもらいたい、確かに魔法が使えることも大事だが、その力をどう使いどうこの国または自分のために役立てていくかそういうことも学んでいってほしいかな、じゃあ配るぞ、一冊ずつ配っていくから上から一冊ずつ取っていってほしい。」
そう言って机に教科書を置いていく
数分後やっと教科書も配り終わり、一息ついたころ
「全部回ったか、じゃあこれで配布物は終わりです、次は闘技場行くからついてきてね」
どうやらまだ一日目は終わりそうにないらしい