~学園入学式と学園長?~
――レイ――
それから三日後
いよいよ入学式だ
それに備えて、礼儀やら、魔法やらの練習をした
例えば礼儀なら お辞儀の仕方、言葉遣いなど
魔法なら(炎・水・土・風・光・副魔法)
準備は万端だ!
いざ、入学式へ
入学式それは学園付属の体育館で行われた
最初は新入生の入場
次に生徒会長のあいさつ
クラス・担任の紹介
俺たちは風魔法のクラスなので担任の名前は確か…
『エミリー・マリス』
だったか
性別は女で、特徴といえば、金色の髪に緑色の眼そしてとがった耳
うん、どう見てもエルフ
それから入学式も続き
学園長のあいさつ
俺は前のステージに立つ顔を見て驚いた
周りを見ると、どうやら驚いたのは俺たちだけでなく、周りにもちらほらと驚いた生徒たちの顔があった
それを見ていた学園著が話し始める
「私の顔に驚いた者もおるじゃろう、しかし、そんなことに驚いていてはこの世界は生きられない、なぜか? それはこの世界の不変の理であるからだ、新しいことを学び・驚く その繰り返しが我らの文明を作っている、ならば、ここで再び問おう『この学園には何をしに来たのか』と、答えは『自分にとっての新たな発見・驚きを見つけるためだと』このことを忘れず勉学・魔法ともにきわめてほしいと思っている 以上だ」
最後の言葉が体育館中に響く
そして、それを聞く生徒の顔には既に驚きの顔はなく、真剣なまなざしでステージ上にいる学園長 ルーズベルトを見ている
数秒の沈黙…その時間はとても気持ちの良いものだった
しかし、その沈黙は、次の瞬間には生徒一人一人のの拍手でかき消された
こうして入学式は無事終わった
そしてそのあとは、寮の部屋割りについて話された
なぜなら、ここ王都の学校には遠方からの生徒も少なからずいるからだ
もちろんカンナもその一人である
何故かはわかる通り レイもカンナも自分の家を持っていないからだ
なので、話を聞き終わった後は、学校近くにある寮へと向かおうとしたのだが……なぜか先生に呼び止められた
それは、さっきクラス・担任紹介の時に俺たちの担任になった『エミリー先生』だった
その後は、なんか重厚そうなつくりの部屋の扉の前に立たされ先生はそのドアをくぐていった
数分後、先生は
「入りなさい」
とだけ言って扉を開いた
その後その扉から出たのは数時間経って空もオレンジ色に染まるぐらいの時間帯だった
×
―― エミリー ――
「ふー」
軽く深呼吸
今日は、この学園の入学式
緊張はしていたけれど
新入生の初々しい顔を見るとどうも顔が緩んでしまう
“私は子供が好きだ”
それは昔からだった
友達も同学年より自分より下の学年の子のほうが多いくらいだ
それを自覚してから私の夢は教師になることだった
それからは勉強も魔法も頑張り
私は教師になった
それから はや4年、今私は王敦『カーミラ学園』で風魔法のクラスの担任を任されている
それが今である
「パチン」
ちょっとにやけた顔に活を入れるべく両頬を掌でたたく
そして名前が呼ばれる
「えー、次は風魔法のクラス担任のエミリー・マリス、前へ」
「はい」
「風魔法のクラス担任エミリー・マウスです、気軽にエミリー先生と呼んでください」
そう言って一歩後ろに下がりお辞儀
その瞬間に拍手
(あ~この感じ)
やっぱこの感じ好きだな~そう思いながらも入学式は続き…
学園長 ルーズベルト先生のあいさつだ
彼が壇上に立った瞬間少し新入生がざわめく、理由は簡単だ
彼はいつも入学試験の試験監督をやっている、なので顔だけは一応知っているのだ
なので、それがいきなり学園長だと言われれば驚くだろう
しかし、逆に言えば、驚くところから学園長のあいさつは始まるのだ
「私の顔に驚いた者もおるじゃろう、しかし、そんなことに驚いていてはこの世界は生きられない、なぜか? それはこの世界の不変の理であるからだ、新しいことを学び・驚く その繰り返しが我らの文明を作っている、ならば、ここで再び問おう『この学園には何をしに来たのか』と、答えは『自分にとっての新たな発見・驚きを見つけるためだと』このことを忘れず勉学・魔法ともにきわめてほしいと思っている 以上だ」
数秒の沈黙
やっぱりこの演説 いや 挨拶はいつ聞いてもいい
もう4年もここにいれば幾度となく聞く入学式の挨拶
しかし、この言葉ほど、新入生に贈る言葉としてふさわしいものはないのではないかと思う
それが学園長 ルーズベルトのすごさであり、私が尊敬している先生だ
そして、刹那の沈黙ののちの拍手
これにて入学式は終わった
終わったのだが……
其のあと何故か学園長に呼び出された
その瞬間、スーと冷たいものが背中に流れる
“焦り”
(何かしちゃったかな?)
そんな思いとともに、学園長室に入る
そこには、高そうな皮の椅子に腰かけた学園長がいた
そして立ったまま話しかける
「呼ばれてきました エミリーです」
そう言い終わると
「掛けなさい」そう言って前にある皮のソファーに手を向ける
そしてそのまま言葉を続ける
「いきなり呼び出してすまんかったのぉ、して本題なんじゃが、おぬしのクラスにカンナという生徒がいたと思うのだが?少しこの部屋まで読んできてもらえないだろうか?」
(はぁ~)
心の中で安堵のため息
どうやら、自分のことではなさそうだ
しかし、カンナ とかいう生徒?いただろうか
なんとなく風魔法のクラスの名簿を思い出しながら考える
名前に聞き覚えがあるからいるはずだ
そう仮定し返事の言葉を発する
「はい、わかりました」
それだけ言い、席を立ち
ドアの前で一礼し部屋を後にした
その後、職員室に置きっ派だった名簿を片手にカンナという子を探そうと思った時にふと思った
(あれ?でもなんで学園長はカンナとかいう子をあの部屋に呼び出したのだろう?)
分からないでも、何か考えがあるのかも
そう思い探して、例の部屋まで連れていき、連れてきたことを報告の後、その場を後にした
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