~学園入学試験~
次の日、学園入学試験
朝、支度を整え部屋を出る
「レイ小っちゃ~い!」
そう私は今カンナの肩に座っている
精霊化を使い体を小さくしたのだ
その状態で『カーミラ―学園』までの道のりを歩いた
カーミラ学園の試験方式はこうだ
まず面接、5人ずつ部屋に入って、事前に取ったプロフィールをもとに個々で質問をするようだ
↓
次に実技、実技といっても、的に魔法を当てるという簡易的なもの
この2つだけでの審査
非常にわかりやすい
学園の正門に立ち
あたりを見渡すあたりにはカンナくらいの子供が多くいたそして皆が皆一列に並んでいて受付を待っている
急いで並びカンナが受付の人に話しかける
「あの!、入学試験受けに来ました」
受付の人は微笑みながら
「はい、ではまず名前を教えてくださいその後1万ベルをお払いください」
「はい、名前はカンナです」
それに返事して
ポケットから1万ベルを出し、渡す
「はい、ちょうどいただきました、この札をもって前にお進みください、それからは係員の指示に従い行動してください、頑張ってくださいね」
「ありがとうございます」
そうお礼を述べ正門をくぐる
札には 172番 カンナと書いてあった
その後、冒険者ギルドで見たような水晶で適性を見るなどした
×
――???――
私はルーズベルト
魔法スキル、炎・水・風を修めるトリプルである。
今日はわが学園の入学式、
毎回350人ほど受ける王都唯一の学校だ
王都というだけあって生徒の大半は貴族が占めている
ふとこれから面接をするプロフィールをみる
171番 エド・ガルシュ
種族 ヒューマン
体力 270
魔力 70
スキル 炎魔法level.2
「ほぅ、こやつか」
(こやつは知っておる、この国の上位貴族の一人 エド・ザエルの一人息子だ、昔はおとなしい性格だったがいまはどうかの~)
172番 カンナ
種族 ヒューマン
体力 2891
魔力 6008
スキル 家事level.4
従霊 レイ
「―ん?」
思わず固まってしまう
(名前からして平民じゃが何だこのステータスは?)
そのステータスはこれまで見てきた生徒の中でダントツいやぶっちぎりだった
しかもそれだけでなく、スキルは…家事level.4だけ魔法ではなかった
まだまだある、それは最後の行
従霊 レイ
これについては言葉も出なかった
なぜなら、従霊つまり精霊というものは元々名前などないしかしこの精霊には名前があるそれが示すことは一つ
この精霊は名前を持つほどの上位の精霊であること
「…」
それらのことを含めて、わしはこの少女に興味もった
×
――カンナ・レイ――
「次の生徒、面接室に入りなさい」
ついに私の番だ、レイにはほかの生徒に見られないように胸ポケットの入っている
(とても緊張している…するとレイが)
「落ち着いて私もフォローするから」
とむなポケットから小声で話しかけてくれた
そして前の生徒に続いて面接室に入る
「どうぞかけてください」
それぞれの生徒が椅子の前に立ったのを確認すると一人の先生が言う
「それでは171番の生徒から名前とこの学校で学びたいことを言ってください」
「我は、エド・ガルシュ、誇り高きエド家の長男だ、この学校では今よりも強い魔法が学びたくて入った」
次…
「私はカンナ この学校では、学業を頑張り未来に役立てるために来ました」
次…
「私はミーリ・マリン…」
以下略
などと続いた、そこからは個々の質問に移った。
「まず、エド・ガルシュ君、君はさっき『今よりも強い魔法を学びたい』と言っていたけれど学んだとして君は将来その力をどのように使う?」
エドはその問いに対して…
「ふんっ、決まっているだろ、我は冒険者となり魔物をバンバン退治するのだ」
(いや、別にそれだけが強い力の使い方じゃねーだろ)
密かにそう思った…がその後
「では次に、カンナ君、君に質問だ」
(え?私)
「一つ聞きたいのだが君はこの学校に何を学びに来たのだ?、君のプロフィールを見る限り魔法とは縁遠い存在な気がするのだが」
「えっと…」
(どうしよう)
初めからつまずいてしまった すると…
(私の言う通りに答えて)
そうレイが言ってきたなのでそれに小さくコクンとうなずくと繰り返すように言った
「先の自己紹介で言った通り世界について勉強するためです」
「そうか、わかった」
その後も、質問が何個か続いたが緊張していてあまり覚えていない
次に実技試験
私はステータス通りなら魔法は使えないが
私にはレイがいるなぜなら
昨夜…
「まず学校の入学試験だけど、面接と実技も二つがある」
「けど私魔法使えないよ」
「そこは、大丈夫私と契約した時から、使えるようになってるはずだから」
「――?」
よくわからなかったので首をかしげる
「まぁ、今は、わからなくてもいいわ、実際に実技試験の時に教えるから」
と…
「次の生徒闘技場に」
どうやらこの学校には、付属の闘技場があるらしい金賭けてるな~
「ではまず、エド・ガルシュ君、君の魔法を見せてくれ」
「うむ、わかった」
そういうと目を閉じ
「ファイアーランス」
そう唱えた、すると、彼の手から炎が噴き出し、それがまさにランスの形を作り出す、そして射出
発射速度こそ遅いが当たったらひとたまりもないだろう
その証拠に的は黒焦げになっていた
「ありがとう」
そう審査員の一人が言い
「では、次、カンナ君、君はどうする」
そこでレイに助けを求める、すると…
まず、風魔法ができるのでそれをやります、そう言ってと言ってきた
その指示に従い
「風魔法ができるので、それをやります」
「そ、そうか」
(で?これからは…)
(手のひらも前に突き出して『エアスラッシュ』とだけ唱えればいいよ)
その指示に従い
「いきます」
『エアスラッシュ』
その瞬間手のひらから風の刃が放たれるそしてその刃は的を滅多切りにして、そのまま闘技場の壁に大きな切り傷をつけた
レイ(威力強すぎた)
あまりの威力の強さに魔法を放ったカンナ自身も驚いてしまった
(やっぱり沈黙)
数秒後…審査員方が沈黙から解放され
「ありがとう」
とだけ言った
(やっちゃたかな?)
ちょっと不安になったが
まぁ、気にしてもしょうがないよね!
見て見ぬふりをした
その後も他の生徒の試験をしたが彼女以上の威力の魔法を放ったものはいなかった
×
約一週間後、7試験結果が発表されるそれはまるで高校の試験みたいに
「172♪172♪」
ちょっと浮かれながら番号を探していた、すると…
「あった」
先に見つけたのはカンナだった
ともかく合格してよかった
どうやら、3日後に入学式があるらしい、それに備えて今日学生服の販売をやっているそうだ
学生服…男女ともに、黒を基調としたシックなつくりだが所々に金色の刺繍が施されておりそれがアクセントとなりかなりかっこいい仕様になっていた
それにスカートこちらは黒よりの灰色のチェック柄、上下合わせてみると…
うん、可愛い
その一言に尽きた
×
――ルーズベルト――
プロフィールを見て驚いた少女、見た目はいたって普通のどこにでもいる感じだった
「私はカンナ この学校では、学業を頑張り未来に役立てるために来ました」
(やっぱり魔法目的ではないか…)
ちょっと落胆
(あれほどの素質・魔力がありながら魔法の一つも使えないとは)
この学校には魔法を強く放ちたいそういう目的で入る者がほとんどだ、それだけあって魔法なしで入るとなると何かそれを埋める特技がなくては入れないしかし…
(ステータスを見た限り特にめぼしいスキルはなかったしのぉ)
そう思っているとほかの教員方がこう質問した
「一つ聞きたいのだが君はこの学校に何を学びに来たのだ?、君のプロフィールを見る限り魔法とは縁遠い存在な気がするのだが」
(それはさっき言ったじゃろ、学業を頑張りたいと)
「先の自己紹介で言った通り世界について勉強するためです」
(ほれ)
それを聞いて審査員方は苦笑いを浮かべ
「わ、わかった」
そんなこんなで次は実技試験
(これについては、ガルシュ君に注目かのから)
さっきの自己紹介、ちょっと高慢に育ちすぎな感じじゃったが、魔法はどうかの~
「ではまず、エド・ガルシュ君、君の魔法を見せてくれ」
「うむ、わかった」
そういうと目を閉じ
「ファイアーランス」
こういう時は落ち着いているの~
その瞬間、手から炎が噴き出しその炎がランス形作る
(魔力の扱いはよいとしても魔力の密度がまちまちだの~うまく収縮出来ておらん、ガルシュ君はここが課題じゃが…)
威力はまあ及第点かの~
審査員方が…
「ありがとう」
と言う…
そして次 カンナ
「では、次、カンナ君、君はどうする」
(魔法ができないのではこの試験は出来んからの~)
そう思ってカンナを見ていると彼女は少し考えるそぶりをして
「風魔法ができるので、それをやります」
「そ、そうか」
(ん?どういうことじゃ、魔法が出来る?しかしステータスには何も乗っておらんかったぞ…まぁそんなことは今考えてもしょうっがないか、まずはその風魔法を見ようではないか)
「いきます」
そう言ってゆっくり手の日らを前にかざすそして…
『エアスラッシュ』
魔法を放つ、その瞬間、それは的を切り裂き、闘技場の壁に切り傷を刻む
(これを見て驚くなというほうが難しいじゃろう)
まるでそれは、猛獣、それもAランク冒険者に討伐依頼が出るほどの猛獣
それが爪で壁をひっかいたようにも見える
(刹那の沈黙)
やっと意識が現実に戻される
その時もカンナ、彼女も驚いたような顔をしていた
多分、『やりすぎた』とでも思っているのだろう
それから数秒後ほかの審査員方も意識が現実の戻ってきたらしく
苦笑を浮かべながら一言……
「ありがとう」
とだけ言った
しかし私は笑ってしまった
もちろん表では平然を装っているが
(くっくっく、面白い、)
こんな高揚感は久ぶりだ
そしてこう思った
『私の人生も存外捨てたものではないな』と…
その後も、さきの高揚感を内に秘めほかの生徒の審査をした、
(私の顔、笑っておらんよな)
そんなことだけを気にして
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