現実的な笑える話 と おとぎ話のような現実
正直爺さんが
泉に
斧を
落としました。
困っていると、
泉の女神が
現れました。
"女神":
「貴方は
何を探して
いるのですか?」
"正直爺さん":
「面白い事です」
"女神":
「あなたの面白い事は
1、”小学生レベル”の面白い事ですか?
2、”大人”が面白い事ですか?
3、”知識人”が面白い事ですか?」
正直爺さんは
自分のレベルを
知っていましたから、
正直に
答えます。
需要に対して
供給が
ありました。
正直爺さんは
喜びます。
斧の事など
忘れます。
―――――――――――――――――――――――――
正直爺さんは
口が軽かったので、
体験を
ぺらぺら
喋りました。
村中に。
正直爺さんは
自身に
供給されたものを…
――自分の
――物差しで……
「良い」
と信じて、
体験談を
広めたのです。
そんな
他人の幸福話を
耳にした
欲張り爺さんは
腹を立てました。
自分も
「面白い事が欲しい!」
と思います。
願います。
泉に
斧を
落としました。
"欲張り爺さん":
「人間は
平等だ!!
誰にでも
平等に
与えられる
べきだ!!!」
泉の女神が
現れます。
女神は
正直爺さんに
投げかけた質問と
同じ質問を
欲張り爺さんに
投げました。
欲張り爺さんは、
返します。
"欲張り爺さん":
「最高に
面白い事!!」
結果………――
落とした斧は
与えられません。
代わりに……――
すべてが
解ける
<数式の鍵>が
与えられました。
そして…――
泉の女神が
消えた後、
欲張り爺さんは
途方に
暮れます。
万能鍵を
与えられても、
鍵穴を
見つける事が
出来ないのだから。
探しもせずに、
欲張り爺さんは
主張します。
"欲張り爺さん":
「一行読んで
つまんないなら
すぐ
プラバ!」
そして、
鍵を
泉に
投げ捨てました。
"欲張り爺さん":
「面白くないねん!!」
村に
帰ります。
村の中心では
正直爺さんが
幼稚園児と
手をつないで
遊んでいました。
欲張り爺さんも
輪に
加わります。
みんな
真っ白な
顔でした。
結局………――
みんな
踊りながら
幸せに
暮らしましたとさ。
斧のない世界。
金もない。
銀もない。
斧のない世界で…――
「”めでたし
めでたし”
でしょ?」